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韓食日記

日々食べている韓国料理の記録です。
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22日から29日までの7泊8日。
本当に、毎日毎日マッコリ三昧の日々でした。
無事、すべての取材が終わって明日帰国します。

写真は忠清北道鎮川郡にある世王酒造で、
見学させてもらったマッコリの甕。

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中でぷちぷちと勢いよく発酵しています。

ああ、マッコリはこうして出来ていくんだなぁ。
というのを目で、舌で確認できたのが大きな収穫です。
いずれまたゆっくり報告したいと思います。

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日本でもっともよく飲まれている二東マッコリ。
その工場に足を運んできました。

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近代的な工場を想像しておりましたが、
実際はずいぶんと伝統的なスタイルで造られていました。
写真は大きな甕の中でマッコリがふつふつと発酵しているところ。
工場の方に醸造の行程を見学させてもらいましたが、
その大部分が手作業であることに驚きました。
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2009.06.29.Mon 00:07 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(9)
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追記(2009年6月24日AM9:30)
募集から1日でほぼ定員に達してしまいました。
まだ少しですが余裕はありますので、ご検討中の方は早めにご連絡ください。
定員を超えた場合は、その時点からキャンセル待ちをお伝えします。

すごい勢いでメールが届いたため、まだ返信できておりませんが、
ここまでにご連絡頂いた方には追って連絡致します。
もう少々お待ち頂ければ幸いです。


=========================
先日の記事でもちらっとお知らせしましたが、
7月20日(月・祝)に、新しい企画のイベントを行います。
会場はいつもの「イーストアジアン新宿」。
タイトルはまだ仮ですが、ドラマ「食客」がトークの軸です。
といっても韓流的な話題ではなく、あくまでも「食」メインですけどね。

ちなみに「食客」は昨年SBSで放送されたテレビドラマ。
韓国版「美味しんぼ」ともいわれる同名の漫画が原作です。
我が家にも漫画版の「食客」が全巻揃っておりますが、
マニアックな郷土料理なども多数紹介されており勉強になるんですよね。

このイベントの話があってから、ドラマも見始めましたが、
こちらもまた、ずいぶん興味深い内容が詰まっております。

韓国の料理ドラマといえば、「チャングムの誓い」が有名ですが、
あちらは絢爛豪華な料理を紹介しつつも、舞台が朝鮮時代。
対して「食客」は宮中料理店を舞台としつつも設定が現代なので、
調理技術のみならず、食材の調達にも重きが置かれています。

韓国のあちこちに主人公が繰り出して最高級の食材を発掘。

「へー、こんなブランド食材があったんだ!」

と感心するシーンが目白押しです。
まだイベントの内容も詳細は確定しておりませんが、
料理とともに食材の話をピックアップするのも面白いかなと。

ドラマの中から該当する場面を抜き出し、一緒に見て頂くとともに、
そこにまつわる薀蓄を語っていく、という企画を考えております。

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ひとつ例えですが、こちらは慶州郊外にあるズワイガニの卸売店。
文武大王陵のある奉吉という海岸沿いの町なのですが、
2003年にここを訪れて、名産品のズワイガニを食べました。
本来的にはもう少し北上した、盈徳という町がもっとも有名ですけどね。

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近隣にはズワイガニの専門店が林立しており、
いきたズワイガニがいけすの中で、お客さんを待っています。

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食べ方はいたってシンプルにスチームが主流。

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こんな感じで丸ごと豪快に食べます。
たいへん美味しかったのですが、ひとつ裏があり……。

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実はこのズワイガニ、産地でありながらサハリン産。
東海岸のズワイガニは近年、漁獲量がだいぶ減っており、
中でも盈徳産ともなれば、値段は1杯10万ウォン以上だそうです。

庶民の口には到底入らない高級食材なのですが、
ドラマ「食客」の登場人物は、それをわざわざ調達に行くのです。
しかも盈徳産の中でも、さらに選り抜いた最上のものを。

そのあたりの薀蓄が本当に細かくて面白いんですよね。

字幕ではカットされている、細かなセリフにもスポットライトを当てつつ、
画面を見ながら、みんなでヨダレを流すイベントにしたいと思います。

もちろんヨダレを流すだけでは消化不良になりますので、
前回行った「食鉄八景」のように、いくつかの料理は再現もしたいなと。
日本でどれだけ近いものが作れるかは、難しい点もあるでしょうが、
ドラマに出てきたアレ、に最大限近づけるよう努力したいと思います。

なおドラマを見る、というのが趣旨であることからわかると思いますが、
一応、ドラマ「食客」のDVD発売に関するPRイベントでもあります。

PR担当の方から、

「何かいいアイデアありませんか?」

と尋ねられ、僕らはこんなイベントしていますよ、
と語ったところ、いいですね! と喜んで頂いた次第。

呼びかけをするのが基本的に韓食日記と「てじまぅる」だけなので、
ほとんどオフ会ノリですが、一応PRであることをご了承ください。

ご参加頂いた方々には、アンケートなどの感想を頂くと思います。
またブログ、ミクシィなど媒体をお持ちの方はドラマ、イベントの感想を、
そこで書いて頂けると嬉しい、と担当者さんからは聞いています。

ただ、そういった部分に協力して頂くだけで……。

「参加費用はタダ!」

というのだから、いやはや企業というのは太っ腹ですね。
ぜひご都合つく方は、ご参加頂ければと思います。

なお、要項は下記の通りです。

=========================
第1回「食客トーク(仮)」

日程:2009年7月20日(月・祝)
時間:14時~17時(13時45分開場)
場所:イーストアジアン新宿
費用:無料
定員:35名(先着順)
主催:エイベックス・エンタテインメント

食客公式ページ
http://mv.avex.jp/shokkyaku/

※ドラマにちなんだ料理が出ます(飲み放題付)。
※トーク部分は僕とPR担当の方が行います。
※ドラマを見たことのない方でも大丈夫です。

<会場>
イーストアジアン新宿
東京都新宿区百人町1-12-2セイザ新宿301号
03-6413-7104

<申し込み方法>
僕のほうまでメールでご連絡ください。
追って詳細などを返信させて頂きます。
hachimax@hotmail.com
=========================


そしてもうひとつ、お知らせ。

「イーストアジアン新宿」では「高矢禮マッコリ」の会も行うそうです。
個性的なマッコリカクテルと創作料理の相性を楽しむ会とのこと。
6月28日の開催ですから……。あれ、僕はまだ出張中ですね。
すいません。参加はできませんが、とりあえずご紹介です。

=========================
『高矢禮マッコリ 試飲会 ~一期一会~』

日程:2009年6月28日
時間:14時~17時
場所:イーストアジアン新宿
住所:新宿区百人町1-12-2 セイザ新宿 3F
料金:5,000円
=========================

オリジナルのマッコリカクテルと創作料理のほか、
いつもの平牧豚もたっぷり楽しめるとのことです。
申込みは「てじまぅる」系列の各店舗へ

てじまぅるブログ
http://ameblo.jp/tejimaul/

なお、高矢禮マッコリについては下記をご参照ください。

「高矢禮マッコリ」新発売。
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-924.html

先のお知らせも含め、7月はイベントが盛りだくさん。
出張に出ていることもあって、なんだか本当に大忙しですが、
そのぶん美味しいネタはいっぱい仕入れられると思います。

ご都合よろしい方は、ぜひご参加ください!
2009.06.23.Tue 00:52 | お知らせ | trackback(0) | comment(8)
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無事、韓国に到着しました。
今回のテーマはマッコリなのですが、
なぜか宿の冷蔵庫もマッコリだらけです。

しかも二東の生マッコリ。

取材陣が日本から持ってきてくれたのですが、
こんなにたくさん、どうやって消費しましょう。

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テレビをつけたら「善徳女王」をやっていました。
リアルタイムで見られるのは嬉しいですね。

ネット環境もなんとか整いましたので、
少しずつ、コツコツと報告をしていきたいと思います。
2009.06.23.Tue 00:27 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(6)
本日より29日まで韓国出張に出かけます。
スケジュールは到着してから伝えられるようなので、
どこに行けるのかわからないミステリーツアーのようです。
パソコンは持参するので、居場所だけでも報告したいですね。

なお、7月上旬にも1週間強の韓国出張が予定されており、
その間の仕事を前倒したため、先週は本当に多忙でした。
ブログの更新が長らく途絶えたことをお詫び致します。
2009.06.22.Mon 10:22 | お知らせ | trackback(0) | comment(4)
出張を前に打ち合わせ、取材が重なっています。
目の前の仕事さえきちんと終わらせれば、
韓国に行ってからの1週間はマッコリ三昧。

「マッコリ、マッコリ……」

と念仏のようにつぶやきながら、
日々の仕事と格闘しております。

まあ、それでも夕方6時を過ぎたら飲むんですけどね。

午前中から午後にかけての数時間を、
いかに集中して使うかが、いまのポイントです。
忙しくはあるものの、なかなか充実した日々ですね。

さて、連絡がずいぶん遅くなってしまいましたが、
今月から来月にかけてのイベントについてお知らせです。
今週末はいよいよ第20回にもなるチンチャトーク。
一昨年の秋から、ずいぶん長く続いてきたものです。

まだ土曜日、日曜日とも10名分ずつぐらいはチケットがある様子。

新大久保に繰り出す予定のある方は、
もしよかったらお立ち寄り頂ければと思います。

=========================
■第20回八田りチングのチンチャトーク
出演者: チング(ポカ、吉井慎一)、八田靖史(コリアンフードコラムニスト)
日程時間:
(1)2009年6月20日(土曜日)午後5時30分開演、
(2)2009年6月21日(日曜日)午前11時開演
(開場はいずれも開演15分前)
◎会場:新宿職安通り韓流ショップ「ナビコリア」
◎料金:1人1500円(税込)
◎定員:各回35人
◎チケット入手方法:販売中。
1)ナビコリア店頭にて直接入手
2)ナビコリアにTELで申込み。TEL03-3232-0071。
3)メールで申込み。下記アドレス
http://www.navinavikorea.com/inquiry2/index.html
◆2)と3)で申込み予約された方は、ナビコリア店頭で代金引き換えでチケットをお受け取り下さい。
遠方で難しい場合、開催日にお支払い受け取り希望の方はナビコリアへご相談下さい。開催日お支払いの方はキャンセルは絶対にお止めください。
◆定員オーバーの場合、キャンセル待ちなどのご連絡をします。
会場: ナビコリア
東京都新宿区歌舞伎町2-19-10第7金嶋ビル3階
(職安通り「韓国広場」から明治通り方向へ。
1階が喫茶店「ロッジ」) 03-3232-0071
http://www.navinavikorea.com
主催: KJナビゲーションズ(通訳・翻訳・韓国語教室運営)、ナビコリア
協力:(株)よしもとクリエィティブエージェンシー
=========================


また、軽いお知らせだけ出しておりました、
栗原景さんとの、語学トークイベントも確定しました。
先月は旅と食をテーマに「食鉄八景」というイベントを行いましたが、
今度は韓国語をテーマとしたイベントになります。

僕も栗原さんも韓国語の初心者向けテキストを書いており、
韓国語を楽しく学ぶにはどうしたらいいか、を考えてきました。
ハングルの仕組みや、単語の簡単な覚え方、おすすめの勉強法など、
ゲームなども交えながら、トークを進めていく予定です。

対象として考えているのは、韓国語の知識がゼロの方から、
始めたばかりの初心者、初級者ぐらいまでの方々です。
もちろん中級者以上の方に来て頂いても問題ありません。

タイトルは、

「栗原・八田のゆるゆるハングルオリンピック」

といたしました。
オリンピックといっても、何かを競争して頂く訳ではなく、
むしろ僕ら2人が、楽しい学習法の考案を競います。
ほかにもいろんな意味が詰め込まれているんですけどね。
いつもの通り、ほとんど言葉遊びなので深くは考えないでください。

要項は以下のような感じ。

=========================
■栗原・八田のゆるゆるハングルオリンピック
出演者:栗原景、八田靖史
日程時間:
2009年7月5日(日)午前11時開演(15分前開場)
◎会場:新宿職安通り韓流ショップ「ナビコリア」
◎料金:1人1500円(税込)
◎定員:各回35人
◎チケット入手方法:販売中。
1)ナビコリア店頭にて直接入手
2)ナビコリアにTELで申込み。TEL03-3232-0071。
3)メールで申込み。下記アドレス
http://www.navinavikorea.com/inquiry2/index.html
◆定員オーバーの場合、キャンセル待ちなどのご連絡をします。
会場: ナビコリア
東京都新宿区歌舞伎町2-19-10第7金嶋ビル3階
(職安通り「韓国広場」から明治通り方向へ。
1階が喫茶店「ロッジ」) 03-3232-0071
http://www.navinavikorea.com
主催: KJナビゲーションズ(通訳・翻訳・韓国語教室運営)、ナビコリア
=========================


さらにもうひとつ。
まだお知らせできる段階ではないのですが、
7月19日(日)、20日(祝)のどちらかでもイベントを行います。
こちらは韓国料理について語るものになる予定。

場所はいつものイーストアジアン新宿なので、
語らせて頂きつつ、美味しいものも食べるという会です。

なお、僕はその準備のために、あるドラマを急ピッチで見ていたりも。
「善徳女王」も第4話まで見て、続きをすごく見たいんですけどね。
仕事が忙しいながらも、妙にドラマづいている日々です。

とりあえず、以上イベントのご連絡です。
2009.06.16.Tue 17:31 | お知らせ | trackback(0) | comment(2)
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先日、マッコリの話を書いたこととは関係ないのですが、
それと平行するタイミングで、マッコリ取材の仕事が来ました。
来週から1週間ちょっとの日程で韓国へ出かけてきます。
全国をぐるぐる回りながら、マッコリを飲むという喜ばしい仕事です。

とはいえ1週間を超える日程となると、それまでが大変。
その期間に締切を迎える仕事をすべて片付けておかねばならず、
今週は久しぶりに、ちょっとした修羅場を迎える予定です。
ブログの記事が滞りがちになっているのも、そんな理由からですが、
なんとか少しずつでも、コツコツ書いていきたいと思います。

言い訳のようで恐縮ですが、とりあえずの多忙報告。
今夜ももう少し頑張って仕事をしたいと思います。
2009.06.14.Sun 23:36 | 個人日記 | trackback(0) | comment(7)
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久しぶりの飲食店記事ですね。
韓食日記といいつつ、歴史の話ばかり続けましたが、
決してこの間、韓国料理を食べていない訳ではありません。
食べていながらも記事として上がっていないのは、
同じような店ばかりコツコツ通っているからだったりも。

できれば新規店の探索なども行いたいのですが、
多忙を言い訳に、なかなか足を運ぶことができません。
行きたい店もいくつかチェックしているんですけどね。

誰かをお連れするとなると、どうしても慣れた店になりますし、
自分が自信を持って紹介できる店のほうが精神的にもラク。
新規店探索はどうしてもハズレとの背中合わせなので、
そのあたりでつい躊躇し、後回しになるという現状です。

「ハズレ上等!新規優良店探索隊」

とかを結成して、定期的に巡るとかでもよいのですが、
こういった企画モノは、自分に余裕がないと無理。
最近はオフ会すらも開催できていない状態ですしね。
期待して頂いている皆様には本当に申し訳ない限りです。

「余裕が出てきたら必ず!」

などと書きつつも、カレンダーを見ると当面難しそうな感じ。
6月下旬、7月上旬と2度の韓国出張が入っており、
むしろ韓国でオフ会を企画したほうが現実的かもしれません。

えーと、本題を見失いました。

冒頭の写真は、2月以来の「鳳雛チムタク」。
2005年9月のオープンですから、そろそろ4年目。
もろもろリニューアルを施しているとのことで、
先日、聞いたところ、鶏肉の産地も見直しをしたのだとか。

上等な鶏を使えばいい、という訳ではなく、
この店の場合、ソースとの相性が非常に重要。
韓国から進出しているチェーン店でもあるだけに、
日本の鶏を使いつつ、味を近づけていく工夫が必要です。

いまのところ主に使っているのは宮崎産の地鶏。
ずいぶん流行のエリアから引っ張ってきたものですね。
その地鶏にジャガイモ、タマネギといった野菜を加え、
醤油ベースの甘辛いソースで煮た料理がチムタクです。

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なお、この日は15名という大所帯で行きました。
メインのチムタクは大サイズを4皿。手羽先焼きも4皿16本。
大人数での注文を任されると、量の配分で悩みますが、
こういう分けやすいものが揃っているとありがたいですね。
ちなみにこの手羽先の味付けもチムタクと同じソースです。

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鶏料理の専門店だけに、パジョン(ネギ焼き)にも鶏肉が。
生地の中に、細く裂いた鶏肉が入っております。

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キムチの盛り合わせなどをつつきつつ。

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どんな店でもスンドゥブチゲ(柔らかい豆腐のチゲ)はマスト。
そんなご一行様との食事会でありました。

なお、この店のスンドゥブチゲは濃厚どろり系。

スンドゥブチゲの専門店は相変わらず増えておりますし、
そろそろ系統分析なども面白いかもしれませんね。
やりたいこと、やってみたい企画は無限にありますが、
とりあえずブログに放り投げておくのが、現状関の山。
まずは目先の仕事を頑張りたいと思います。

店名:鳳雛チムタク大久保店
住所:東京都新宿区大久保2-7-2ニューハイム共栄221
電話:03-3205-6582
営業:11:30~14:30、17:00~翌3:00(月~金)、11:30~翌3:00(土・日・祝)
定休:なし
http://bongchu.thearth.net/

<過去の関連日記>
(12月28日)鳳雛チムタクでチムタクほか。
▲(2005年)
▼(2006年)
(06月10日)新大久保「鳳雛チムタク」でチムタクほか。
▼(2009年)
(02月01日)新大久保「鳳雛チムタク大久保店」でチンチャトーク打ち上げ。
2009.06.11.Thu 22:10 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
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慶州ブームが来る、という記事を書いた手前、
出足好調だというドラマ「善徳女王」を見てみました。
ようやく第3話までを見終えたところですが、
なんとなく知った場所が出てくるのが嬉しいですね。

第1話の冒頭、いきなりそんなシーンがあり、
映し出されたのは南山に位置する写真の釈迦如来坐像。
けっこう本格的な登山をしないとお目にかかれません。
汗だくになりながら、ようやく見つけたときは、
なにやら非常にありがたい気持ちになったものです。

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こちらも第1話に登場した蘿井(ナジョン)。
といっても、実際にこの場所が映ったのではなく、
壮大なセットの一部として登場していましたけどね。

この場所こそが新羅1000年のスタート地点。
初代王の朴赫居世がこの地の井戸から誕生しました。
生まれたときの卵がひょうたん型だったことから、
苗字が朴(韓国語でひょうたんの意)さんになったのだとか。
韓国にたくさんいる朴さんのルーツがこの場所です。

09061003.jpg

もうひとつ、ドラマには出ておりませんが、
同じく苗字の多い、金さんのルーツがこちら。
後に鶏林(ケリム)と呼ばれるこの林のある場所から、
小さな箱に入って、ひとりの男子が生まれました。

その箱が金色をしていたとして、苗字が金。
金閼智(キムアルチ)として名付けられました。

彼自身は王様として即位はしておりませんが、
その後、子孫たちが続々と新羅の王様として即位します。
ドラマの主人公である「善徳女王」も本名は金徳曼。
この林で生まれた金閼智の後裔です。

なお金さん、朴さんときて、もうひとつ多い苗字が李さん。

このご先祖様も、元は新羅の高官だったとか(異説あり)。
始祖から数えて22代目に当たるのが朝鮮王朝を開いた李成桂。
慶州をウロウロしていると、いろいろな歴史に行き当たり、

「へー、こんなところでつながっているんだ」

と思えるあたりが好きなんですよね。

とはいえこのブログ、よく考えるとタイトルは「韓食日記」。
歴史話はこのぐらいにして、そろそろ食の話題に戻ります。
2009.06.10.Wed 23:02 | 個人日記 | trackback(0) | comment(4)
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先日、「食鉄八景」というイベントでこんな話をしました。

「2009年下半期から2010年にかけて慶州ブームが来る!」

まあ、僕の予言は当たらないことで有名なのですが、
わざわざそんな話をしたのには、いくつか根拠がありました。

1、韓国の地方旅行が人気を集めている
2、韓国の時代劇が日本で受けている
3、新羅(慶州)を舞台にしたドラマが始まる

ちなみにそのブームというのは日本においての話です。
ずらずらと並べた割りに、目新しさのない根拠ですが、
いまさら感の強い1、2はともかく、3番が大きなポイントです。

その新羅を舞台にしたドラマというのが「善徳女王」。

5月25日より、MBCの月火ドラマとして始まりました。
すでに第5回まで放映されており、ちょうど今日が第5話目。
視聴率は20%を超え、出足好調と報じられています。

ちょうど「食鉄八景」の開催日が5月24日だったため、

「まさに明日、慶州の未来が確定します!」

などと、大げさな話をしたのですが、
あながち、嘘でもない状態になってきたのでブログにも書こうかなと。
後々、本当に慶州ブームがやってきたときに、

「僕はドラマが始まる前から予見していたけどね」

と鼻高々に笑うためです。
なんて、話はともかく。

普段、ほとんどドラマは見ない僕ですが、
「善徳女王」が主人公というのはちょっと興奮しました。
慶州好きの僕としては、この前後の期間はいわゆる黄金時代。
慶州を巡る楽しさが、ぎゅっと詰まっている時期です。

冒頭に瞻星台(新羅時代の展望台)の写真を載せましたが、
これを作ったのが、まさにその善徳女王。

ほかにも……。

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三層石塔が国宝第30号に指定される芬皇寺。

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かつて新羅最大の九層石塔があって栄えた、
皇龍寺址なども、すべて善徳女王の業績です。
朝鮮半島における初めての女性君主ですが、
聡明な方だったらしく、数々の偉業が現代に伝わっています。

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その善徳女王を支える2人の将軍も名が通っています。
市内の隍城公園にあるのは、勇ましい姿の金庾信将軍像。

また、もうひとり金春秋という将軍もいますが……。

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こちらは後の第29代、太宗武列王として即位する人です。
新羅の三国統一における基盤を作った有名な王様ですが、
釜山の景勝地、太宗台(テジョンデ)の語源になった人としても有名。

「うん、これは絶景!」

と褒めた、というような話が現代に伝わっていますが、
歴代の新羅の王様は、釜山各地の観光地に名を残しているんですね。
すなわちこの時期は、慶州だけでなく釜山旅行をする上でも黄金時代。
梵魚寺も、その次の第30代、文武王時代の創建ですね。
もう少し後の王様は、優雅に東莱温泉まで繰り出していたとも。

09.jpg

ちなみに文武王は新羅の三国統一を果たした王様。
統一後もまだまだ国の状況は不安定だったらしく、

「私は死んでも海龍になって国を守る!」

と言い残して、海中墓に入りました。
先日も「美しい石」の記事で写真だけ紹介しましたね。

たぶん、ドラマではこんな後の王様まで出てこないでしょうが、
ぜひ、「善徳女王」だけでなく、もっと後まで続けて欲しい。
そんなことをついつい願ってしまう慶州好きです。

慶州をウロウロするたびに思うのですが、
歴史を軸にした、ガイドブックができないものかなと。
ストーリーを知ることで、似たような古墳が全部違って見えますし、
それぞれが持つ関連性で、よりイメージが膨らみます。

本当に慶州ブームが来るといいなあ。
そんな希望交じりの予言です。
2009.06.08.Mon 18:26 | 考察 | trackback(0) | comment(2)
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コリアうめーや!!第198号

<ごあいさつ>
6月1日になりました。
いよいよ梅雨が間近になりましたが、
それ以上にカレンダーの進み加減が心配です。
この6月が終われば、なんと上半期終了!
ついこないだ年が明けたばかりなのに、
もう1年の半分が終わってしまうのです。
光陰矢の如しとはよく言ったものですが、
あまりの速さにクラクラする思い。
気付けばこのメルマガもはや第198号ですしね。
大台となる第200号ももう目前。
第200号、第201号は記念企画があるので、
頑張って書かないと全羅北道報告も終われません。
5月半ばの出張をいつまで引っ張るのか。
ちょっと本気で悩ましいところです。
ともかくも、今号は全羅北道ツアーの続き。
海に突き出た半島から、2つの感動体験を紹介します。
コリアうめーや!!第198号。
カウントダウンも視野に、スタートです。


<器の中で行うアサリのザクザク潮干狩り!!>

韓国におけるお粥の話。

最近は韓国もヘルシーブームが定着し、
お粥の専門店が、あちこちに店を構えている。
旅行で出かけると朝ごはんに便利なため、
僕もちょくちょく利用している。

比較的、大ハズレの少ない料理だが、
ときおり大アタリにも出会うのが面白い。

その大アタリはソウルのチェーン店ではなく、
主に地方の郷土料理を探索していてだが、

「うひょ、ナニコレ! このお粥バカウマ!」

と大騒ぎをしてしまうことがある。
たかが粥。されど粥。むしろ粥。ぜひ粥。
その実例を少しあげてみよう。

まずは留学時代に食べたタッチュク(鶏粥)から。

友人らと1泊2日の小旅行に出かけたとき、
僕は例によって、夜の宴会で派手に酔っ払った。
翌朝は全身が胃液にまみれたような2日酔い。
身体を少し動かすだけでも、頭が割れるように痛い。

みんなが楽しく観光などをしている間、
僕はひとり、レンタカーの後部座席で倒れていた。
友人らが買ってきてくれた巨大な丸薬も、
目を白黒させながら飲みこんだがまるで効果がなかった。

そんな泥沼状態の中で、唯一僕を救ったのが、
帰り道の途中で食べたタッチュクである。

「キミのために昼ごはんをここにしたよ」

と友人が連れて行ってくれたのが鶏料理の専門店。
半死半生だった僕は、メイン料理の記憶がまるで抜け落ちているが、
タッペクスク(丸鶏の水煮)の店ではなかったかと思う。

鶏を煮込んだスープにごはんを加えてコトコト。
出来上がったお粥は、鶏の旨味がたっぷり溶け出ており、
金色に輝いて、見るからに美味しそうであった。

「こ、これなら食べられるかも……」

と手をつけてみて驚愕。
優しく、温かく、滋味深い味わいが身体を包んだ。

僕は力の入らない右腕を無理やり動かしつつ、
一心不乱にタッチュクを胃の中へと流し込んだ。
食べ終わる頃には額と背中に汗がにじんでおり、
内臓を含めた全身に活力が戻っていた。

ほかにもお粥の思い出はたくさんある。

済州島で食べた、濃厚な肝入りのアワビ粥。
忠清南道で食べた小さな川魚を煮込んで作る魚粥。
慶州の市場で食べた上品な甘さのカボチャ粥。

また、東京の某料亭風韓国料理店に行ったときは、
ホタテでダシを取った贅沢な野菜粥を食べさせてもらった。
上等な乾燥ホタテ貝柱があれば簡単にできるので、
自宅で作る定番粥のひとつとして採用している。

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済州島名物のアワビ粥。

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忠清道名物の川魚粥(オジュク)。

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ホタテ貝柱でダシを取った野菜粥。

さて、そんな韓国の魅力的なお粥体験。
それが先の全羅北道取材で、新たに積み重なった。
これまで食べてきた韓国粥の中でも、
ひときわ輝きを放つほどの超感動体験。

それがなんとひとつの地域で2度もあった。

夕食にお粥を食べて感動。
翌朝、別のお粥を食べてまた感動。
2日連続というより2食連続。

道で1万円を拾ったら、次の電柱脇に財布が落ちていた!

というぐらいにありえない衝撃である。

そんなお粥の聖地ともいうべき土地が扶安(プアン)。

全羅北道の中西部、西海岸沿いに面した郡で、
土地の大半が、辺山半島として海に突き出ている。
海岸線は干潟で囲まれ、海からの恵みが豊富。
塩田事業で栄えた町でもあり、地元の名産品に塩辛がある。

食を語るうえではたいへん魅力的な地域だが、
恥ずかしながら僕は、行くまで扶安のことを何も知らなかった。
むしろ、国際空港がある全羅南道の務安(ムアン)だとか、
スキー場が有名な全羅北道の茂朱(ムジュ)と勘違いしていた。

事前に全羅北道の東京事務所長から、

「扶安は海産物が美味しいよ、ふふふ」
「とっても立派なコンドミニアムもあるんだよ、ふふふ」
「そこでとれる塩辛も有名なんだなぁ、ふふふ」

と聞かされたときも、
わかったフリをしながら適当な相槌を売っていた。

「いいですよね、扶安!」

などと笑顔で語りつつ、自宅に戻ってから、

「えーと、扶安、扶安……」

と一生懸命調べていたのは超機密事項である。

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百済時代に創建された来蘇寺。

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塩辛販売店が密集するコムソ塩辛団地。

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干拓工事の情報を集めたセマングム展示館。

扶安郡に到着したのはツアー2日目の夜だった。

宿泊していた全州のホテルをチェックアウトし、
任実、南原、淳昌と歴訪してそれぞれを観光。
これらのエリアも書くべきことがたくさんあるのだが、
スペースの都合から割愛させて頂く。

何より語るべきは、扶安がお粥の聖地だということ。

僕らを乗せたバスは、ちょうど夕食時になって扶安に着いた。
だが、あたりはすでに暗くなっており、予約をしていた海側の席は、
まったくもって、暗闇しか見えない状況だった。

「んー、個室のほうに移動しましょう」

ふふふの所長は少し残念そうではあったが、
地元の関係者も含めて、20名ほどの大所帯。
個室でワイワイ、というほうが食事はしやすい。

その個室で、僕は1枚の貼り紙を見つけた。

――味と栄養を兼ね備える
  真・オジュク 特許出願――

オジュクというのが料理名。

漢字で書くと「烏粥」となる。
鳥(トリ)粥でなく、烏(カラス)粥であるのがポイント。
よく似た漢字ではあるが線1本で大違いだ。

日本では不吉の象徴とされるカラスだが、
扶安郡では大事なタンパク源として古くから食用。
カラスの肉は多少固いものの味わいが濃く、
じっくり時間をかけて煮込むことで旨味がにじみ出る。

韓国では街中でハト、カササギはよく見るが、
その一方で、カラスの姿を見ることは非常に少ない。
これは扶安を中心として全羅北道エリアで古くから、
多く消費してきたため数が激減したのだ……。

……などと書くと本当に信じる人がいるかもしれない。

ただの悪い冗談なので、適当で止めておこう。
烏粥と名乗りつつも、実際にカラスを食べるのではなく、
見た目が真っ黒なので、そう名付けた次第。
実際にその黒さを演出しているのはイカスミである。

扶安は季節ごとにとれる魚介が変わり、

・春:イイダコ
・夏:コウイカ(スミイカ)
・秋:コノシロ(コハダの成魚)
・冬:ボラ

といったラインナップでローテーションする。
僕らが訪れた店でも、季節の食材利用が徹底しており、
春夏秋冬でメニューがガラッとかわるのだった。

春はイイダコの炒め物やシャブシャブ。
夏はコウイカの石板焼きと、イカスミの粥。
秋はコノシロを刺身で食べたり焼き魚にしたり。
冬はボラの刺身と、辛い鍋料理を楽しむ。

僕らが訪れた5月中旬はすでに夏メニューの時期。

コウイカの石板焼きをつつきながら、
地元名産のクワの実酒(ポンジュ)をガブ飲み。
そのシメとして烏粥(イカスミ粥)を味わったのだった。

そして、この烏粥がたいへんな逸品。

コウイカの下ごしらえをする際、背骨のような軟骨を抜くが、
これを集めて煮出すことで、味わいの濃いスープを作る。
そこにごはんと新鮮なイカ墨を加えてさらに煮込み、
黒ゴマもたっぷり加えて香ばしさと黒さを増す。

「うわっ、黒っ!」

と全員が驚いた次の瞬間。

「うわっ、旨っ!」

となって夢中で食べた。

コウイカの石板焼きも充分に美味しかったが、
最後のお粥で、すべてお株を奪われたぐらいの感動。
コウイカの旨味がお粥の中に凝縮されていた。

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店に貼られていたオジュクのポスター。

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コウイカの石板焼き。

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真っ黒な色をしたオジュク(烏粥)。

「いやあ、昨日のお粥はうまかったねえ!」

と全員がニコニコ顔で反芻する翌朝。
朝食のメニューは事前にすべて発表されており、
そこにはアサリ粥との記述があった。

扶安の海岸線は上質の干潟が取り囲んでおり、
アサリ、ハマグリの貝類が豊富に取れる。

「昨日あれだけ美味しいお粥を食べるとね」

という冷めた気持ちはなかったが、
正直、少し油断していたのではなかったかとも思う。
僕はアサリ粥が目の前に登場した瞬間。
写真を撮ろうとカメラを取り出しつつ、

「あ、アサリ粥だからアサリを見せなきゃ!」

と箸で沈んでいるアサリをほじくり出した。

むき身になった状態で5~6匹。
それを見ていたまわりの人が、

「さすがきちんと演出してから撮るんですね」

と褒めてくれた。

「いやあ、料理の写真ばっかり撮っていますんでね」
「自然とこういう小細工も見につくんですよ」
「少しでも見栄えよくとれたらいいなあって、アハハハハ」

若干の謙遜を交えながらも得意満面。
だが、それが極めて滑稽なことであるのが、
その直後、食べ始めてからわかった。

「アサリの旨味がよく出ていますね!」
「それに大粒のアサリがいっぱい入ってる!」
「ほんとだ、すごいいっぱい!」

「いっぱいどころかすごい量ですよ!」
「スプーンひと口につき、アサリ1匹の割合ですね!」
「どのぐらい入っているんでしょう、30匹ぐらい!?」
「いやあ、もっと入っていそうな感じですよ!」

「途中から数えてみたんですけど30匹以上ありますね!」
「アサリ粥を食べるというよりも潮干狩りをしているみたい!」
「ザクザク掘れるって感じですね!」

朝食から一同、大変な大盛り上がり。

僕が写真のためにほじくり出した5、6匹は、
むしろ、少なさの強調になってしまったのかもしれない。
本来は3、40匹もアサリが入っているのに、
5、6匹をちまちま見せる、というのは明らかに愚行だった。

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アサリ粥の専門店「元祖パジラッチュク」。

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アサリ粥。実はもっとたくさんのアサリが沈んでいる。

帰り際、僕は店の人に少し話を聞いた。

「アサリ粥は何かダシを取るんですか?」

あまりに濃厚な味わいだったため、
何か別のダシを加えているのかと思ったのだ。

だが、これは愚行に次ぐ愚考。

聞いた店の人は爆笑とともに、

「なに言ってんの。真水とアサリだけよ」
「まずお米を炒めてから、そこにアサリを入れるの」
「ダシなんか作るより、よっぽど簡単だよ」

と答えてくれた。

1人前につき、3~40匹は入るアサリ粥。
確かにそれだけあれば、余計なダシは不要であろう。
我ながら聞くほうが愚か、という質問であった。

ともかくも、烏粥、アサリ粥とも見事なまでに絶品。

行くまでは扶安について何も知らなかったが、
行ってみて実に豊かな場所であるとわかった。

実に満足のゆく扶安初訪問ではあったが、
そのぶん心残りなのが、食べ逃した他の扶安名物である。
アサリ粥と並んで有名なハマグリ粥を食べ逃してきたうえ、
春のイイダコ、秋のコノシロ、冬のボラも未食である。

アサリ粥を食べた後に、名産の塩辛は買うことができたが、
その近所には、塩辛定食を出す飲食店もあるという。
聞けばごはんと汁物に加え、9種類もの塩辛がつくとか。
ここも機会があれば、ぜひ足を運んでみたい。

1度訪ねたおかげで宿題がどっさり。

おそらく探せばまだまだ美味しいものがあるだろう。
いずれゆっくり改めて探索したいと思う。

全羅北道の扶安郡。今回はお粥の聖地として紹介したが、
次の機会には、また違う聖地として語れるはずだ。

09060713.jpg
塩辛団地では種類豊富な塩辛を購入できる。

<お知らせ>
仕事が忙しくHPの更新ができません。
落ち着いたら、まとめて更新したいと思います。
http://www.koparis.com/~hatta/

<お知らせ2>
韓国語に関する非常に恥ずかしいミスがあったため、
メルマガでの配信時から、一部修正を加えてあります。
ご指摘頂いたみなさま、ありがとうございました。
深く反省するとともに、以後気をつけたいと思います。

なお、修正した内容は下記の通りです。

「扶安」と「不安」が同じ発音であるとの記述がありましたが、
「扶安=プアン」、「不安=プラン」なので間違いです。
それにかかわる一連のくだりを削除しました。


<八田氏の独り言>
その扶安では干潟の干拓工事が進行中。
アサリ、ハマグリ目当ての人は早めがいいかも。

コリアうめーや!!第198号
2009年6月1日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com
2009.06.07.Sun 22:40 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(4)
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コリアうめーや!!第197号

<ごあいさつ>
5月15日になりました。
ゴールデンウィークが過去のものとなり、
通常業務の日々が戻ってきています。
連休中に羽を伸ばして遊びに行った方。
どこにも行かずゴロゴロ英気を養った方。
精力的に遊びすぎてむしろ疲労困憊な方。
いろいろいらっしゃるとは思いますが、
連休というものがあっただけで幸せです。
僕は毎日、ひたすらパソコンと格闘。
連休どころか休みと呼べる日も希少でした。
とはいえそんな毎日にご褒美があったのか、
ちょっと楽しい出張に出てきました。
3泊4日、全羅北道というエリアで食べ歩き。
かけがえのない体験をするとともに、
またこのエリアの魅力にどっぷりハマりました。
まずは全羅北道の中心的な都市である、
全州市から新たな発見を報告します。
コリアうめーや!!第197号。
ふふふと笑って、スタートです。


<全州はやっぱり酒飲みの町である!!>

先月、上野でひとりの韓国人と出会った。
全羅北道の淳昌出身。地元愛にあふれており、

「全羅北道は何を食べても美味しいよ」

と語りつつ、ふふふと笑う。

うんうん。それは僕もよく知っている。
初めて全羅北道に足を踏み入れたのは2003年。
全州のビビンバに感動し、これぞ真のビビンバであると、
メルマガの第47号で熱くその魅力を語った。

コリアうめーや!!第47号
http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume47.htm

それ以降も、ビビンバをテーマに取材へ出かけたり、
旅行会社の協力を得て、ビビンバツアーを企画したり。
有名大学教授の講義を全州のビビンバ店で受けたこともあった。
ビビンバ好きであることにかけては韓国人にも負けない。

そしてまた、ビビンバだけではなく……。

第51号(コンナムルクッパプ/全州市)
http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume51.htm
第55号(石焼きビビンバ/長水郡)
http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume55.htm
第184号(マッコルリ/全州市)
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=594906
第185号(チュオタン/南原市)
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=596653
第186号(おからドーナツ/完州郡)
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=598736

これだけの全羅北道料理をメルマガで取り上げた。

ただし、これだけといっても微妙に号数が偏っている。
一時期にわっと集中取材をして書いたのがバレバレだが、
感動的な料理がたくさんあるのに違いはない。

「全羅北道の料理はいいですよねえ」

と意気投合していると、
そこで意外なオファーを頂いた。

「全羅北道には美味しいものがたくさんあるよ」
「今度、全羅北道に出張するけど一緒に行くかい?」
「みんなで美味しいものを食べようじゃないか」

僕は0.5秒の瞬発力で快諾。

「行く、行きます! 尻尾振ってついて行きます!」

かくして全羅北道への出張に参加した。
楽しい3泊4日の日程で、帰ってきたのがつい昨日。
まだ興奮冷めやらぬ、という状態である。

美味しいものをたくさん食べてきたので、
これからしばらく全羅北道の料理を熱く語りたい。
たぶんメルマガも数号は全羅北道だらけになる予定。
よろしくご覚悟頂きたい。

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全州名物のビビンバ。

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全州名物のコンナムルクッパプ。

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南原名物のチュオタン。

さて、その上野で出会った淳昌出身の彼。

彼などと親しげに書いたが、実はずいぶん年上で、
「全羅北道東京事務所長」という偉い肩書きを持っている。
かつては姉妹都市でもある鹿児島県に赴任しており、
全羅北道と日本をつなぐ仕事のエキスパートだ。

「全羅北道には美味しいものがたくさんあるからね」
「あちこち視察しながら、全羅北道の勉強をして」
「夜はみんなで美味しいお酒を飲みましょう」

出張というよりは、ただの美食旅行に思えるが、
これは旅行業界でFAMツアーと呼ばれる観光業務の一環。
マスコミや旅行業者を対象に、該当地域を見てもらい、
観光客の誘致へとつなげるプロモーションである。

ちなみにFAMは「Familiarity(精通・熟知)」の略。

旅行関係者がそのエリアを精通、熟知することで、
渡航客へのよりよい情報提供を目指す意味合いがある。

従って僕はツアーに参加することで、

・該当エリアでうまいものを食べる
・帰国したら「これがうまかった!」と熱く語る

という責務を負うことになる。

だが、それは責務というほどのことではなく、
むしろ普段から個人的にしていることに過ぎない。

「そんなんでいいの!?」

と思いながら、初めてのFAMツアーに参加してみた。
そしてそれは思いのほか楽しかったのである。

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淳昌のコチュジャン村。

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たくさんの甕でコチュジャンを熟成させる。

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コチュジャンの原料となる味噌玉麹。

FAMツアー初日。

参加者の一団は成田空港から仁川空港に降り立ち、
そのまま用意されたバスで、全羅北道へと向かった。
益山の弥勒寺に寄り、全州へと移動して韓定食の食事。

たぶん本来はこのあたりをしっかり書くべきなのだろうが、
個人的にザクッと削り、その後のことを語ってみたい。

夜9時頃、予定の日程を終えてホテルにチェックイン。
ロビーで解散する前に、東京事務所長から、
翌日のインフォメーションがあった。

「明日は7時20分にロビー集合です」
「いったん解散ですが、飲みに行かれる方はいますか?」
「荷物を置いて15分後にまた集まってください」

普段は物静かで朴訥とした印象の所長。
しかし飲む話となると、メガネの奥で目がキラッと光り、
ニコニコとした笑顔が、よりいっそう柔らかく崩れる。

ああ、この人はお酒が好きなんだなぁ、
という愛すべきキャラクター。

ただこのとき、僕は参加者の一部有志と、

「テバサキを食べに行きましょう」

という話で盛り上がっていた。

テバサキとは日本語であり手羽先のこと。
名古屋料理として知られる鶏の手羽先唐揚げが、
何故か全州でだけ、勢力を拡大しているのだ。

名古屋で手羽先を食べたある社長が、
その魅力にハマり、全州に持ち帰ろうと考えた。
社長は名古屋の専門店に勤めノウハウを習得。

名古屋式のスパイシーな味付けを学ぶとともに、
韓国人の好みに合わせて、新たな工夫も追加した。

手羽先の中に、コーンやチーズ、青唐辛子を詰め、
中からいろいろな具が飛び出してくる手羽先を開発。
テバサキギョジャ(手羽先餃子)として売り出した。

そして、これが当たった。

いまや全州市内で10店舗以上が展開し、
益山、群山、金済、高敞といった周辺都市にも進出。
2004年の開業以来、わずか数年でのサクセスストーリーだ。

ただし、その成功は極めて限定的。

全州ではある程度の知名度を獲得したが、
周辺地域への出店は少なく、全国的な知名度はまだないに等しい。

全州という町は、ある種、名古屋的なところがあり、
個性的な食を多く抱えている反面、それが外に出ていかない。
地元でのみ愛されたまま、歴史を刻んでしまい、

「え、これって他地域にないの!?」

というケースが多々生まれる。
テバサキはどうも、その文化を踏襲している気がする。

今後、飛躍的に全国拡大するのかもしれないが、
このまま全州のB級グルメとして定着するかもしれない。
そんな予感から、僕はひそかに興味を抱いていた。

よって、所長主催の飲み会はさりげなく遠慮し、
個人的なテバサキ取材に出ようと思っていたのだ。

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岐阜で食べた手羽先。

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名古屋で食べた手羽先。

ところがである。

その話を伝えようと思った瞬間。
所長の目が再びキラリと光って細く鋭くなった。

「今日はカメクに行きます」

ん、カメク!?
そんな単語は聞いたこともない。
全州市内にある飲食店の名前だろうか。

「八田さん、カメクを知っていますか?」
「いえ、初めて聞く名前ですが」
「ふふふ、カメクに行きましょう」

所長の目はさらに細くなって目尻も下がる。

「カメクってなんですか?」
「カゲメクチュの略ですよ。店ビールです、ふふふ」
「店ビール?」

韓国語でカゲは店、メクチュはビール。
略してカメク、という単語が全州にはあるらしい。

「商店で売っているビールを買ってですね、ふふ」
「ビールケースを椅子にして、そのままそこで飲むんです、ふふふ」
「飲食店で飲むよりも安く上がるんですよ、ふふふふふふ」

所長はふふふ度を増し、ますますにこやかになった。
表情は見るからに喜びいっぱいで、妙な説得力があった。
察するに、酒販店の立ち飲みみたいなものなのだろう。
これは何かある、と僕はその時点でテバサキを諦めた。

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代表的なカメク店「全一スーパー」の外観。

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店の中にはテーブル、椅子も置かれている。

ホテルから徒歩5分ほど。
行ってみるとカメクはなんとも不思議な空間だった。

見た目は普通の個人商店。

韓国でクモンカゲと呼ばれる駄菓子屋風の店が、
薄暗がりな道の四つ角に、ぽつんと位置していた。
夜の営業にしては意外なほど地味なオーラだが、
大勢の客が詰めかけ、店の外まではみ出して飲んでいる。

「な、な、な、なんだこりゃあ!」

店の外だけでなく、中にも客がいっぱい。
テーブルにビール瓶をずらずら並べて飲んでいる。
後で聞いたところによると、ビンビール1本2000ウォン。
飲食店で飲むと3000ウォンほどなので確かに安い。

席を作ってもらい、所長の注文で料理が並ぶ。

といっても出てくるのは乾き物が主流。
日本の立ち飲みで、裂きイカが出てくるように、
炙ったコウイカのスルメと、干しダラが出てきた。

それを所長が手早く裂き、

「このタレがうまいんだよ、ふふふ」

といって目の前の醤油ダレを指した。

ゴマがたっぷり入った醤油ダレ。
そこにスルメや干しダラをつけて食べるらしい。

地元の名産でもあるコウイカのスルメは、
噛み締めるごとに、旨味がじわじわにじみ出てくる。

干しダラは水分がをしっかり抜いて焼くのでカリカリ。
そのまま食べると口の中でパサつくものの、
醤油ダレにつけて食べると、一転、豊かな味になる。

スルメと干しダラは1匹7000ウォン。
ほかに卵焼きが皿いっぱいに出て5000ウォン。

激安というほどではないが、まあ割安。
スナック菓子やカップラーメンをつまみにも飲めるので、
安くあげようと思えば、工夫の余地はいくらでもある。

B級を通り越して、C級的な居酒屋ではあるが、
その飾らないスタイルが、妙に全州的で楽しい。

そもそも全州はマッコルリの一大消費地。

巨大なヤカンにマッコルリを1.5リットル注ぎ込み、
その値段さえ払えば、後の料理は全部タダ!
という妙なシステムの店が多く林立している。

その店が並ぶ一帯はマッコルリタウンと呼ばれ、
観光客も訪れるが、カメクもそれに負けていない。

「カメクは楽しいよねえ、ふふふ」

と所長はニコニコ顔をさらに崩していたが、
逆に僕はメラメラと興奮していた。

「所長、これこそ全州の資産ですよ!」

FAMツアーで見る観光地も重要だが、
こういう生の生活を感じられる場所はもっと重要。
このシステムは全州独特のもので他地域にはなく、
全州の酒文化をよく象徴する店舗形式でもある。

「これです! これこそアピールすべきです!」

僕は熱く語るとともに、その感動で酔いがまわり、
ビールをぐいぐいあおって、したたかに酔った。

翌朝起きられず、集合時間に遅刻してしまうのだが、
それを差し引いても、有意義な時間であった。


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ストーブで干しダラをカリカリに炙る。

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コウイカのスルメ。酔っ払うと仮面にしたくなる。

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ケランマリ(卵焼き)もどっさり出てくる。

韓国でも食都として語られる全州。
しかし、その注目はビビンバや華やかな韓定食など、
表の名物料理に向けられることがほとんどだ。

だが、その皮を1枚ぺろっとめくると、
内側にはさらに魅力な食習慣が潜んでいる。

全州の食文化は極めて奥が深い。
他地域にはない、独特の文化が育まれており、
ひとつ知るごとにまた新しい何かに出会う。

それは食都が裏に秘める影なる実力である。

僕は今後、よりいっそう力を入れて、
このエリアを探索せねばならない。
全州、全羅北道の魅力にもっとハマる所存である。

そして、この日逃したもうひとつの裏全州名物。

テバサキは、3日目の夜に食べに行くことができた。
これまた全州らしいB級色に満ちた味わい。
観光客があえて足を運ぶような店ではないが、
ビールによく合う味で、地元民から愛されている。

特にテバサキ餃子の盛り合わせを頼むと、
中から何が出てくるかわからない楽しさがある。

「そっちは何だった?」

とビールを飲みながら盛り上がる。
名古屋と全州をつなぐ、妙な食の文化交流が、
じわじわ根を張っていることを報告しておきたい。

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全州の新名物テバサキ餃子。

09060516.jpg
中に青唐辛子がたっぷり入っていて辛かった。

<お知らせ>
仕事が忙しくHPの更新ができません。
落ち着いたら、まとめて更新したいと思います。
http://www.koparis.com/~hatta/

<八田氏の独り言>
全州は韓国の名古屋です。
全州メシという言葉を提唱したいと思います。

コリアうめーや!!第197号
2009年5月15日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com
2009.06.05.Fri 14:25 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(4)
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コリアうめーや!!第196号

<ごあいさつ>
5月になりました。
すっかり気候もよくなり初夏の趣。
ぽかぽかとした暖かい日々に、
半袖シャツでの外出が増えています。
これでどこか遠出でもできたらいいんですけどね。
世間はゴールデンウィーク真っ盛りですが、
フリー稼業の僕にはまったくもって無関係。
たまった仕事をコツコツ片付けながら、
普段通りの暮らしを続けております。
なので、せめて意識だけでも韓国へ。
第187号で昨年のベスト10に加えながらも、
詳細な報告がまだだった忠清道旅行を取り上げます。
テーマとなるのはとある高級食材。
忠清道で待っていたのは意外な感動でした。
コリアうめーや!!第196号。
値段にも注目の、スタートです。


<こんなに美味しい高麗人参は初めてだ!!>

そこまで積極的なお付き合いはなかった。

仲が悪いというほどではないものの、
自ら歩み寄って仲良くすることもない。
人間関係に例えるならば、顔見知り程度だろうか。

ご近所の人、友人の友人、直接関わりのない仕事関係の人、
同コミュニティだが別グループの人、などなど。

会えばにこやかな笑顔で、

「ああ、どうもー」

と挨拶を交わすものの、
それ以上の話題には発展しない関係。
そういう微妙な間柄の人としばしの間、
会話を交わさねばならない状況はままある。

例えばこんなシチュエーション。

友人の友人を交えて3人で飲みに行く。
真ん中に立つ友人はどちらとも親交があるものの、
友人の友人同士は基本的に他人である。

仮に僕と親交のある友人を中野くん。
中野君が紹介してくれた友人を取手くんとしよう。

3人揃っているうちは話が弾むものの、
その途中で中野くんが、

「ちょっとトイレ」

などと席を外したりする。
この瞬間がつらい。

僕と取手くんはつい先ほど会ったばかりなので、
2人きりになると、話題に困ってしまう。
和やかさを保たねばならぬ、と互いに気を遣いあい……。

「あ、串焼きひとつ残っていますよ」
「あ、そうですね。八田さん、食べちゃってください」
「いえいえ、取手さんこそ、どうぞ」
「いえいえ、そんな。八田さんこそどうぞ」

などという間抜けな会話が展開される。
なんとか打ち解けた雰囲気で会話をと思うのだが、
そう簡単にはいかないのが悩ましいところだ。

また、話はこれだけで終わらない。

3人での飲み会が終わって、
じゃあ、解散しようかと駅に向かう。
するとその途中でこんな会話が出てくる。

「どうやって帰ります?」

ちなみに飲んでいたのは新宿だったとしよう。
JR線だけでなく、地下鉄、私鉄の可能性もあるため、
適当な場所で、解散をするのが望ましい。

「僕は中野だから中央線で帰るよ」

と中野くん。

なお、中野くんはダジャレでいっているのではなく、
話の都合上、本当に中野に住んでいるのである。
同様に取手くんは茨城県の取手に住んでいる。

従って、

「僕は日暮里まで出て常磐線に乗ります」

と取手くんはいう。
ここで僕がギクッと衝撃的な事実に気付くのだ。

僕が住んでいるのは三河島なので、まったく同じルート。
日暮里乗換えで、常磐線に乗らねばならない。

「あ、じゃあ僕と同じ方向ですね!」

などと快活な合いの手を打つとともに、
じゃあ、一緒に帰りましょうと話がまとまる。
これまたよくある話だが、これがしんどい。

中野くんのトイレはせいぜい5分程度だが、
帰りの電車は30分以上も一緒である。
共通する話題をかき集めて、必死に会話をつなぎ、
三河島で別れる頃には、もう疲労困憊。

「ああ、くたびれた……」

という状況は書いていてもしんどい。

09060402.jpg
取手駅の写真がなかったので水戸で代用。

09060403.jpg
水戸駅前の風景。こんなことなら水戸君にしておけばよかった。

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真ん中が中野君、左が取手君、右が僕のつもり。

と、ここで僕は気付くのだが、
本来の話題から大幅に脱線してしまった。

書きたかったのは高麗人参の話。
メルマガの冒頭で凝ったことを書こうとして、
収集がつかなくなるのはいつものことだが、
今回はそれが特にひどかった気がする。

高麗人参をこれまであまり好んで食べなかった。
でも嫌いというほど、嫌いな食材ではない。
むしろサムゲタンに入った高麗人参は喜んで食べる。
だが、せいぜいその程度でほかにお付き合いがない。

「そこまで積極的なお付き合いはなかった」

ということで冒頭の書き出しにつながるのだが、
なぜここまでエスカレートしたのかまったくもって不明。
中野くんも、取手くんもモデルすら実在しない。

ということで強引に本題へと戻る。

昨年5月に忠清道方面を旅行してまわった際、
沃川、大田などとともに、錦山(クムサン)へも足を運んだ。
忠清南道の錦山市は韓国でも有名な高麗人参の産地。
市内には高麗人参の畑が至るところに広がる。

そこで僕が目指した料理はふたつ。

ひとつは高麗人参の本場で食べるサムゲタン。
もうひとつはインサムオジュクという料理だった。
韓国語でインサムが高麗人参、オジュクは魚粥。
すなわち高麗人参入りの魚粥である。

忠清道は内陸部に位置するため川魚料理が多く、
オジュク自体も、さまざまなところで食べられる。
錦山ではそこに名産品の高麗人参を入れたというわけだ。

僕は錦山のバスターミナルに到着してすぐ、
タクシーで、楮谷里(チョゴンニ)という集落を目指した。
楮谷里には川内江という川が流れており、
ここでとれた川魚料理の専門店が多く集まっている。

到着してみると、目の前は一面の高麗人参畑。
その脇を川が流れるという、実にうららかな場所であった。
これぞ韓国の田舎! と感動してしまう景色である。

09060405.jpg
錦山市郊外に広がる高麗人参畑。

09060406.jpg
黒いネットで太陽光をさえぎっている。

09060407.jpg
周囲は川と山に囲まれた自然豊かな土地。

僕はタクシーを降りて1軒の食堂に入る。

店名はその集落の名前から取って「楮谷食堂」。
オープンは1968年と、一帯ではもっとも歴史が古い。
インサムオジュクだけでなく、川魚の鍋料理や、
トリベンベンイ(オイカワの揚げ焼き)もある。

店に入ると、強烈な高麗人参の香りに包まれた。

瞬間的に大地を連想させる土っぽい香り。
特有のほろ苦い味わいが、香りだけで口に広がるようだ。
インサムオジュクを注文し、やがてそれが運ばれてくると、
店内に満ちていた香りは、よりいっそう増幅された。

インサムオジュクは見た目どろどろの液体。
味付けに唐辛子を使用しているため全体に赤く、
米だけでなく、ウドンやすいとんも一緒に入っている。

ただし、オジュク(魚粥)といえども、
どろどろのスープに、魚の姿は見当たらない。

チュオタン(ドジョウ汁)などの場合でもそうだが、
韓国では魚をすりつぶしてスープに入れる習慣がある。
この手法だと魚の姿形が見えなくなってしまうが、
魚の栄養分を、骨まで余さず摂取できる。

また魚の大きさがあまり揃わない場合でも、
それぞれ不公平がないよう、分けられるメリットもある。

ちなみに錦山近辺でとれる川魚は、
主にオイカワ、フナ、ドイツゴイ、ギギなど。
これらを全部一緒に煮込んだあと、ミキサーですりつぶし、
塩、唐辛子、味噌などを混ぜて味付けをする。

ごはんを入れればオジュクになり、
かわりに麺を入れればセンソングクスという料理になる。
オジュク同様、忠清道の内陸部では一般的な料理だ。

インサムオジュクは香りこそ高麗人参の印象が強いが、
食べてみると、川魚の豊かな旨味が溶け出ていた。
素朴ながらも郷愁を誘う、穏やかで懐かしい味付け。

川の恵みと里の恵みを重ねて作る、
地元ならではのよさが料理に満ち溢れていた。

09060408.jpg
インサムオジュク。湯気とともに高麗人参の香りが漂う。

09060409.jpg
うどん、すいとん、米が一緒に入っている。

09060410.jpg
バス通り沿いに位置する「楮谷食堂」。

インサムオジュクを楽しんだ後、
ふたたびタクシーに乗って市内中心地に戻る。
次なる目的料理はサムゲタンだ。

ソウルでもどこでも食べられる料理だが、
高麗人参の本場で食べれば、また印象が違うはず。
と意気込んで有名店を目指したのだが……。

こちらの印象はあまり芳しくなかった。

なので割愛。
むしろ大きな感動はその後に待っていた。

サムゲタン専門店を出た直後、
その向かいに、屋台風の店舗が並んでいるのを見つけた。
各店の店頭には大きなフライヤーが設置されており、
そこで高麗人参を揚げているようだった。

店の看板には、

「高麗人参の天ぷら 1本 1000ウォン」
「高麗人参マッコルリ 1杯 1000ウォン」

と大きく書かれている。
どの店もメニューはこの2つしかないようで、
その専門性も驚きだが、値段が極端に安いのも気になる。
日本円にすれば、100円にもならない値段である。

そもそも高麗人参は漢方薬の中でも高級な存在。
高麗人参の天ぷらは宮中料理のひとつにも数えられる。

それが1000ウォン。

産地とはいえあまりの値段だ。
インサムオジュクとサムゲタンを食べ、
おなかはいっぱいだったが、話の種にと入ってみた。

09060411.jpg
サムゲタンは高麗人参をもっと前面に出してもいいかもしれない。

09060412.jpg
インサムティギム(高麗人参の天ぷら)の専門店。

「天ぷら1本とマッコルリ1杯!」

店の人にを声をかけて2000ウォンを払う。
どちらも注文から、ほとんど間をあけずに運ばれてきた。
値段が値段なのであまり期待していなかったが、
出てきた天ぷらは、なかなかに見事なサイズであった。

後で聞いたところによると3年物の高麗人参。
最高ランクの6年物に比べるとやや細いものの、
頭からひげ根の先まで10センチ以上はある。
宮中料理店で食べたら、ずいぶんな値段になるだろう。

その見事さにしばし見とれていると、

「これにつけて食べてね」

と小皿がひとつ追加で出てきた。
ちょっと粘り気のある、紺色の液体。
舐めてみると、濃厚な甘さが口に広がった。

これは高麗人参の蜂蜜漬けを作ったときに残った蜜とのこと。

蜜の中には高麗人参のエキスがたっぷり溶け出ており、
さらなる薬効が期待できるうえ、味の相乗効果も見込める。
宮中料理店などでは塩をつけて食べることも多いが、
蜜をつけたほうが、苦味も和らいでよさそうだ。

「サクッ!」

揚げたての天ぷらはさすが食感も軽やか。
アツアツを噛み締めると、その豊かな味わいに驚いた。
宮中料理店で出てくる天ぷらとは次元が違う。

高麗人参をここまで美味しく食べる料理があったのか!

と思わず目を見開いてしまったぐらい。
これまであまり好ましいものではないと思っていた、
土の香りが、魅力的なものとして鼻をくすぐった。

間髪入れずマッコルリをグビリとやると、
その香りがさらに奥行きを持って広がる。

「これが高麗人参の真価……」

わずか1000ウォンの天ぷらとマッコルリが、
高麗人参の魅力、そして産地の実力を知らしめてくれた。

09060413.jpg
わずか2000ウォンの高麗人参セット。

錦山の高麗人参料理はさすがだった。

かつて不老不死の妙薬とされた高麗人参は、
薬としてだけでなく、食材としても充分に美味しい。
そう実感できたことは大きな幸せであった。

僕はそれまでの距離を置いた付き合いを改め、
今後は高麗人参と積極的に仲良くなっていこうと思った。
その決心が、冒頭の書き出しにとつながっている。

だが、僕は思う。

僕はもう高麗人参と仲良くなっているのではないか。
すでに深い関係でお付き合いができているのではないだろうか。

仮にいま高麗人参と帰りの電車が一緒になったとしても、
話題を探してあせったりすることもないはず。

「いやあ、ご出身の錦山に行きましたよ」
「名物のインサムオジュクも食べに行ったんですけどね」
「それよりも天ぷらとマッコルリがよかったですなぁ」

という会話で盛り上がれる。

高麗人参は人型に近いほど薬効が高いという。
実際に会話ができるぐらいの高麗人参が見つかったら、
ぜひ僕のところまで持ってきて欲しい。

09060414.jpg
博物館に飾られていた高麗人参の人型オブジェ。

<お知らせ>
仕事が忙しくHPの更新ができません。
落ち着いたら、まとめて更新したいと思います。
http://www.koparis.com/~hatta/

<八田氏の独り言>
微妙な関係の人とも困らずに会話ができる。
そんな話術を身につけたいものです。

コリアうめーや!!第196号
2009年5月1日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com
2009.06.04.Thu 22:32 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(4)
09060301.jpg

とにかくパフォーマンスに命をかける韓国料理店。
美味しいとか、ボリュームたっぷりとか、飲み物豊富とか、
そういった普通の褒め言葉がすべて無駄になる店。

それらをごくごく当たり前のようにクリアしつつ、
そこからお客さんを、どう楽しませるかが本当の勝負。
そんな粋なお父さんがいる日夜ダミ声を張り上げる店です。

09060302.jpg

丸ごと1尾出てくるキンメダイの刺身。
要予約ではありますが、とにかく座が盛り上がります。
ただし、全員が揃うまで出してもらえませんので、

「遅刻厳禁!」

と幹事さんはメンバーに伝えておくこと。
早くテーブルに運んで驚かせたいお父さんとの、
微妙な心理戦が、幹事との間で繰り広げられます。

「もう揃った? まだ?」
「あ、すいません。もうちょっとかかります……」

「もうそろそろかな?」
「えーと、向かっている最中なんですが……」

「もう来るころでしょ」
「えーと……」

09060303.jpg

イイダコの炒め物が絶妙の甘辛さだったり。

09060304.jpg

チャプチェ(春雨炒め)がいい感じの甘こってりだったり。

09060305.jpg

スンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋)がほどよい辛さとコクだったり。

どれも普通の店だったら、充分すぎるほど魅力的。
でも、これらをついつい流してしまうのは、
冒頭で出てきたキンメダイの刺身が迫力ありすぎるのと……。

09060306.jpg

1メートルのソーセージが入ったプデチゲ(ソーセージ鍋)。
などという驚愕のメニューがどっさりだからです。

わざわざスープの中に沈めておいたものを、
全員の注目を集めてから、引きずり出すというパフォーマンス。
テーブル全体どころか、店全体が釘付けになります。

後は下からハサミでカットし、食べやすい大きさに。
その一部始終を鑑賞するのが、この店における最高の喜びです。

09060307.jpg

後入れシコシコで、ラーメンを入れるなど。
そもそものクオリティも充分なんですけどね。

「美味しかったね!」

という褒め言葉を忘れ、ついつい、

「楽しかったね!」

といいながら帰ってしまう店。
それもすべてお父さんのサービス精神によるものです。

09060308.jpg

ちなみに冒頭の写真、キンメダイの頭は鍋になります。
刺身を食べた後のアラでつくるメウンタン(アラ鍋)。
赤羽の夜はいつも大盛り上がりのままふけてゆきます。

店名:松花(そんふぁ)
住所:東京都北区志茂2-48-10
電話:03-3902-1115
営業:11:30~14:00、17:00~22:00
定休:水曜日、第3火曜日

<過去の関連日記>
(07月07日)赤羽「松花」で牛スジビビンバ。
▲(2007年)
▼(2008年)
(02月24日)赤羽「松花」で北区オフ会。
2009.06.03.Wed 20:59 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(4)
01.jpg
来蘇寺三層石塔(全羅北道扶安郡)

韓国の石が好きです。

4日続けて難しい話を書いてしまったので、
ややこしい話は抜きに、お気に入りの写真だけを貼ってみます。
韓国各地に散らばる、魅力的な石をお楽しみください。

02.jpg
慶州南山茸長寺谷三層石塔(慶尚北道慶州市)

03.jpg
皇龍寺九層木塔の礎石(慶尚北道慶州市)

04.jpg
三姓穴のトルハルバン(済州特別自治道済州市)

05.jpg
弥勒寺址石塔脇の石像(全羅北道益山市)

06.jpg
竜宮寺の得男仏(釜山広域市機張郡)

07.jpg
高敞邑城の外壁(全羅北道高敞郡)

08.jpg
仏国寺の下り坂に沿った石垣(慶尚北道慶州市)

09.jpg
文武大王陵(慶尚北道慶州市)

10.jpg
晋州城の義岩(慶尚南道晋州市)

11.jpg
柱状節理帯(済州特別自治道西帰浦市)

12.jpg
牛島の石垣(済州特別自治道済州市)

13.jpg
石器工場での裁断風景(全羅北道長水郡)

14.jpg
石器工場で石釜を作った残骸(全羅北道長水郡)

15.jpg
ドジョウ料理店前の石像(全羅北道南原市)
2009.06.02.Tue 18:40 | 個人日記 | trackback(0) | comment(7)
09052701.jpg

3日前からの続き物です。

前編はコチラ。
中編はコチラ。
後編はコチラ。

土日の間にダラダラと続けていましたが、
これをもって、いったんの区切りとさせて頂きます。
たぶん月曜日にまとめ読みという人も多いでしょうけどね。
なので一応、あらすじを書いておきます。

発端となったのは先週の水曜日に書いた下記の記事。
冒頭の写真は、そのトップページで使ったものです。

新大久保「武橋洞」で発売前の済州マッコリ。
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-958.html

この中で僕はこれまで「マッコルリ」と書いてきた表記を、
「マッコリ」に改める、ということを宣言しました。
僕自身にとっても、ずいぶん悩んだうえでの方針転換でしたが、
意外なことに、けっこうな反響を頂きました。

他の韓国語表記と統一をはかるなら「マッコルリ」なのですが、
世間一般では「マッコリ」という表記がだいぶ浸透してきました。
市販される銘柄や、飲食店なども「マッコリ」を使うケースが目立ちます。
韓国ブーム、韓国料理ブームとともにマッコリブームが沸き起こり、
韓国語ではなく、日本語として認知されてきたと僕は判断しました。

韓国語として書くならマッコルリ。より忠実に書くなら「ル」は小さく。
日本語として書くならマッコリ、という区別で統一するつもりです。

ただ、韓国語を知る多くの人にはまだ違和感があるようで、
コメント欄から言葉を借りると、「ら抜き言葉」に近い感覚。

「マッコルリ」を「マッコリ」にするのであれば……。

・ソルロンタン(牛スープ) → ソロンタン
・シンソルロ(神仙炉) → シンソロ
・ムルレンミョン(冷麺) → ムレンミョン
・シルラ(新羅) → シラ
・ハルラサン(漢拏山) → ハラサン

といった表記で統一せねばなりません。
正直言って、なんとも気持ち悪い現象です。
まあ、新羅は「シーラホテル」が使われますけどね。

ただ、その一方でこの発音は非常に難しいのです。

韓国語を知らない人には「小さいル」など想像もつかない音ですし、
大きく「ルリ」と書いても、Rの音が重なって舌が回りにくい。
発音のしやすさと、語感のかわいさも手伝って、
「マッコリ」が主役を奪ったのは、よく理解できます。

僕が「マッコリ」を使おうと判断したのは2009年5月27日でしたが、
メーカー、飲食店などは、もっと早い判断を下していたのでしょう。

では、それがいつ頃なされたのか。

それを調べてみたいと思って始めたのが今回の企画。
言葉の問題だけでなく、「マッコリ」が日本語化し、
世間に認知されていった時期を確認しようという試みです。

まあ、自分が方針転換したことへの小さな心のモヤモヤを、
他の事例を確認し、塗りつぶそうということでもありますけどね。

09020903.jpg

写真は三河島あたりで見かける「不老どんどん酒」。
イメージカットとして挿入しましたが、これは大邱の地酒です。
輸入品であるにもかかわらず、まだ発酵が止まっておらず、
フタのてっぺんに小さな穴を開けて、ガス抜きをしています。
自宅では最近のお気に入りとしてこれを愛飲しております。

この美味しさも熱く語りたいところですが、
それは他の機会に譲るとして、まずはマッコリの日本定着時期。
前編、中編、後編でピックアップした事象を、
時系列に沿って、一覧として書き出してみたいと思います。

=========================
2005年12月28日……韓食日記スタート
2006年04月28日……西新宿「マッコリバーてじまぅる新宿店」オープン
2006年07月25日……銀座「どぶろくバーTORAJI」オープン
2006年11月頃………百歳酒ジャパンが純米マッコリ「米夢」発売
2007年03月22日……中央日報が日本のマッコリブームを報じる
2007年05月09日……新大久保「はるばん」がマッコリの酒造免許取得
2007年08月09日……鄭銀淑著『マッコルリの旅』刊行
2007年09月05日……読売新聞が新大久保の地マッコリを報道
2007年11月頃………東亜トレーディングが「本生マッコリ」発売
2007年11月16日……実業之日本社『東京 本気の韓国料理店』刊行
2008年02月頃………二東ジャパンが「マッコルリ」を「マッコリ」に改称
2008年02月09日……第1回「利きマッコリ選手権」開催
2008年04月頃………二東マッコリがテレビCMを開始
2008年07月頃………新大久保「生マッコリ家」オープン
2008年07月22日……上野「韓国食菜二東マッコリ」オープン
2009年02月23日……焼肉天国.comプロデュース「東京マッコリ」発売
2009年03月28日……高矢禮から「高矢禮マッコリ」発売
2009年05月27日……韓食日記が「マッコルリ」を「マッコリ」に変更
=========================

手持ちの資料だけで作成していますので、
もし間違いなどありましたら、ぜひご指摘ください。

まず、象徴的なのが、

2006年04月28日……西新宿「マッコリバーてじまぅる新宿店」オープン
2006年07月25日……銀座「どぶろくバーTORAJI」オープン

こちらの2つでしょうか。
2006年は日本にマッコリ専門のバーが誕生した年。

ちなみに、それ以前では高円寺にも「白&黒」という写真バーがあり、
ここのマスターが大のマッコリ好きで、マッコリバー化しておりました。
「マッコリEXPO」、「マッコリ試飲会」と称してみんなで集まり、
利きマッコリ大会のようなことを、いち早く実施していましたね。
僕も2003年に開催された第2回には参加させて頂きました。

アジアンパラム/マッコリEXPO
http://www.asianpalam.com/makkolri/index.html

マッコリとバーの関係を語るには欠かせないお店ですが、
とりあえず専門店、ということでは2006年を基軸に致します。

で、ここで注目したいのが……。

「マッコリバー」と「どぶろくバー」という2種類の言葉。
マッコリを日本語にすればどぶろくなので同じ意味なのですが、
銀座という場所柄、わかりやすさで「どぶろく」を選択したのでしょう。
経営母体の大きな店なので、より一般性のある単語を求めたかなとも。
裏を返せば、マッコリという単語に一般性がなかったことの証明です。

また……。

06100401.jpg


こちらももう1度掲載しておきましょう。
マッコリ販売の最大手である、二東の黒豆味。
ラベルには「マッコルリ」と記載されております。
現在は「ル」の字が取れて、マッコリで統一されました。

二東ジャパン/商品紹介
http://www.e-dong.co.jp/jp/produt/pro_intro.aspx

先ほど、電話で問い合わせて聞いてみたのですが、
「マッコルリ」から「マッコリ」への転換は2008年2月頃だそうです。
そして、

「にっこり、まっこり、いーどん、まっこり!」

のフレーズでお馴染みのCMは2008年4月頃からの放送。
二東ジャパンの転換はこの時期に行われた模様ですね。

08082601.jpg

一方、2006年11月頃に出た「米夢」はマッコリ。

07080904.jpg


韓国料理店として2007年5月に初めて酒造免許を獲得し、
自家製マッコリを造った「はるばん(現、生マッコリ家)」もマッコリ。

08021801.jpg


2007年11月頃に出た「本生マッコリ」もマッコリ。

ということから考えると、二東ジャパンのマッコリ転換は、
ずいぶん情勢の流れを見極めたうえでの判断に思えます。
CMソングのインパクトが強いため、なんとなく、

「大手がマッコリにするから、みんな引きずられて……」

と思ってしまいがちですが、そうではないようですね。
大手ならではの悩みが、あったのではないかと推測します。

とはいえ、それが世間的な広い浸透を促したのは事実。

二東のCMはスカパーの韓国チャンネルのみならず、
地上波でも放映されておりましたからね。

07080901.jpg


さて、このあたりでいったんの結論。

マッコリブームが始まった2006年あたりでは、
まだ、マッコリという呼称に強い一般性はないようです。
ただ、2006年下旬あたりから2007年にかけては、
大手メーカーも参入し、ブームが本格化します。

このあたりから「マッコリ」の定着と日本語化が始まり、
2008年に二東ジャパンが「マッコルリ」から「マッコリ」に転換。
CM放映などを通じて、「マッコリ」の浸透を後押ししました。
このことから、僕が考える「マッコリ」の日本語化は……。

「2007年から2008年を核としつつ、現在も進行中」

としてみたいと思います。
長く引っ張ったわりには幅広い結論ですけどね。

進行中としたのは、今年発売の「東京マッコリ」、「高矢禮マッコリ」。
そして自分のことで恐縮ですが、先の時系列一覧に掲載した、

2009年05月27日……韓食日記が「マッコルリ」を「マッコリ」に変更

もごくごく極地的ですがひとつの転換期になるかと。
今後もそのような事例がいくつも出てくるでしょうし、
あるいは「マッコルリ」派の逆襲もあるかもしれません。
それらすべてをひっくるめて進行中ということです。

そして、それはすなわち、マッコリブームも進行中であるということ。

今後もますますそのブームが加熱し、広まることを願いつつ。
以上で4回に分けて書いた長話のまとめとさせて頂きます。
お付き合い頂き、本当にありがとうございました。
2009.06.01.Mon 13:28 | 考察 | trackback(0) | comment(9)






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八田 靖史(八田氏@K・F・C)
美味しい韓国料理を探す毎日。コリアうめーや!!管理人。コリアン・フード・コラムニスト。ブログは2005年12月開設。
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