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韓食日記

日々食べている韓国料理の記録です。
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久しぶりに仁川のチャイナタウンに行ってみると、
入口のところに石の立派な門が出来ていました。
かつては同じ場所に木製の門が立っていたのですが、
老朽化してきたので、立て替えられることになったそうです。

昨年訪れたときは何の門もなく、寂しい風景でしたが、
こうして入口に門があると気分も盛り上がりますね。
仁川駅を降りてすぐ、チャイナタウンの入口で見られます。

仁川観光公社の方と一緒に3軒の郷土料理店を取材した後、
ほぼ満腹の状態でしたが、どうしても食べたかったのがこれ。

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仁川市が新名物として今後アピールしようとしている、
100年前のチャジャンミョン(ジャージャー麺)です。
チャイナタウンにある、中華料理店が再現をしました。

韓国におけるチャジャンミョンの歴史は19世紀後半に始まり、
確認できるもっとも古い専門店の創業が1905年でした。
仁川市のチャイナタウンにはその建物がボロボロながらも残っており、
修復を進めて、いずれチャジャンミョン博物館にする予定もあります。
大事な観光商品とのことで、仁川市もアピールに力を入れており、
こうした再現料理が誕生する背景にもなっている模様です。

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ポイントとなるのは何よりもまず味噌(炸醤)のようですね。
チュンジャンと呼ばれる黒味噌を、大量のひき肉と一緒に炒め、
甘味など余計な味付けを施さないのが特色だとか。

まずは味噌だけ食べてみましたが、確かに塩気が強く甘味がありません。
油のこってり感はあるものの、汁気やとろみもまったくないですね。
ひき肉と味噌を混ぜただけのような、ぼってりした食感です。

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その味噌を麺に載せ、右上にちらりと見えるスープを少量注ぎ、
全体をあまり混ぜない状態で食べる、というのが作法だそうです。

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まあ、その作法を帰国後にネットで見て知ったので、
食べたときは普段通り、豪快に混ぜてしまったんですけどね。

味噌だけ食べたときは、ずいぶん濃い味に思えましたが、
麺とあわせてみるとひき肉の印象が強く、旨味も濃厚です。
甘味を感じないので、全体に引き締まった印象もありますね。

むしろ、食べての正直な感想ですが、
これが100年前のチャジャンミョンだとしたら、

「100年でずいぶん退化したな……」

とまで思ったぐらい。
普通に食べるチャジャンミョンより、よほどゴージャスです。
まあ、値段も7000ウォンと少し高めですけどね。

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ちなみに提供しているのは、「萬多福」という店。
いずれは地域の名物として他店にも普及させたいそうですが、
とりあえず現在は、この店の裏メニューとしてしか存在しません。
メニューにもないので、行っても食べられる保証はないかも。
どうしてもという方は事前に確認することをおすすめします。

帰り際、お店の方に少し話を聞いてみましたが、
さすがに100年前のレシピが現存する訳ではない様子。
店の社長さんが、中国に出向いて長老のような方に話を聞き、
情報を照らし合わせて、再現したということだそうです。

その過程で、多少現代風にもアレンジしているんでしょうね。
コーンやグリンピース、レタスなどまで具として入っていましたが、
100年前にしてはちょっと豪華すぎる気がします。
いずれ詳しく再現にまつわる話など詳しく聞いてみたいものですね。

ともかくも仁川のチャイナタウンに新たな名物が誕生。

興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。
仁川大橋が開通したので、空港からのアクセスもよくなっています。
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2009.11.30.Mon 22:48 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(5)
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池袋のサンシャインシティで開催されているイベント、
「WINTER RESORT 2010」にB-1グランプリコーナーが出ています。
基本的には冬のスポーツとレジャー情報のイベントですが、
集客要素としてはB-1グルメのほうが上回っていましたね。

岐阜県各務原市が頑張っている各務原キムチ鍋も出店しており、
応援を兼ねつつ初日の昨日、足を運んでまいりました。

なお、各務原キムチ鍋の詳細は下記をご参照ください。

各務原キムチ(公式サイト)
http://www.kakamigahara-kimuchi.com/
各務原キムチ(asahi.com)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200705030067.html
コリアうめーや!!第151号
http://www.koparis.com/~hatta/koriume/koriume151.htm

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ほかにも、八戸せんべい汁(ウニおにぎり付)や……。

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富士宮やきそば。

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横手やきそば。

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厚木シロコロ・ホルモン。

といった各大会の猛者が名を連ねております。
それぞれ、

・富士宮やきそば(第1、2回ゴールドメダル)
・厚木シロコロ・ホルモン(第3回ゴールドメダル)
・横手やきそば(第4回ゴールドメダル、第1回シルバーメダル)
・八戸せんべい汁(第2、3、4回シルバーメダル)
・各務原キムチ鍋(第3回ブロンズメダル)

という結果は非常に輝かしいですね。

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B-1グランプリの会場ではいずれも1時間以上待ちが普通。
にもかかわらず、会場がサンシャインシティのやや不便なところであるせいか、
5種類すべての料理を、待ち時間なしで購入することができました。
B-1グランプリの名前が都内で冠されるのは初めてとのことですが、
その割には、あまり情報が行き届いていないようでもったいないですね。

僕は第2回の富士宮大会にしか行ったことがありませんが、
そのときでも、行列に並ぶ、食べる、また行列に並ぶの繰り返し。
こうして各料理をすべて集める、というのは不可能に近い状態でした。

そのため会場では、

「奇跡のB-1定食!」

などとも呼ばれていたり。
せっかくなので、今日16時30分までの開催ですが、
時間のある方はぜひ足を運んでみてください。

ちなみに来年の第5回大会は9月に神奈川県厚木市で開催予定。
久しぶりに東京から日帰りできる距離で嬉しいですね。
もちろん大混雑必至でしょうが、ぜひ足を運びたいと思います。
2009.11.29.Sun 11:13 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
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韓牛ブーム第2章。

思わずそんなフレーズが頭に浮かびました。
昨年の夏頃から、韓国では空前の韓牛ブームが到来。
米国産牛肉の輸入解禁問題から火がついたデモ騒動後、
国産の韓牛がもてはやされるようになりました。

ブログやメルマガでもずいぶん書いてきたテーマですが、
その熱は1年以上が経過しても、まだまだ継続中。
加えて新しい話題も出てくるとなると、しばらくはまだ続きそうですね。
いまの韓国は韓牛を使ったユッケ専門店が急増しています。

とりあえず韓牛ブームの詳細は過去記事を見て頂くとして……。

コリアうめーや!!第179号(いまの韓国は国産の韓牛ブームだ!!)
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=584450
韓食日記(2009年は韓国の牛肉事情が面白い。)
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-902.html
コリアうめーや!!第203号(焼肉でマッコリ飲んで何が悪い!!)
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=628625

冒頭の写真は、ユッケとユクサシミの盛り合わせ。

これまで僕はユッケを「韓国式の牛刺身」と訳してきたのですが、
ユクサシミが流行すると、少しややこしい話になってきますね。
直訳すると「肉刺身」。いわゆる「牛刺し」といった感じの料理です。
生の牛赤身肉を薄切りにして、ゴマ油や唐辛子酢味噌につけて食べます。
場合によって、センゴギ(生肉)という言い方もしますね。

写真手前に見える、牛細切り肉をまとめたものがユッケ。
こちらは甘い醤油ダレで味がついており、隣にある梨の千切りと、
その奥にある卵黄と混ぜ合わせてから食べるのが作法です。

真ん中に3列並んでいるのがユクサシミ。

しゃぶしゃぶに使うようなゴマダレが用意されており、
塩を混ぜたゴマ油か、そのタレで味わうようになっています。
別に頼めばワサビ醤油なども持ってきてもらえました。

さらに奥に並んでいるのはセンマイ刺し、レバ刺し、アワビ刺し。
その手前に見える黄色い三角はスライスチーズでした。
一通りまとめた盛り合わせで、4万ウォンという値段設定です。

まわりはユッケを単独で頼んでいる人が多かったですけどね。
活きたテナガダコをぶつ切りにして混ぜたユッケなどもありました。

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ちなみにコチラ。今回別の韓牛焼肉専門店で食べたものですが、
普通のユッケとは別に、特ユッケなるメニューがありました。
写真手前、甘酢に漬けたギョウジャニンニクの葉が添えられており、
古漬けのキムチとともに、ユッケを包んで味わうという趣向です。

ギョウジャニンニクは韓国語でサンマヌル(山ニンニク)、
またはミョンイナムルというのですが、韓国では鬱陵島の特産品。
ここしばらく焼肉店で見かける率が、ぐっと増えたような気がしますね。
お店の方が胸を張りつつ、

「ウチの店は鬱陵島からこいつを仕入れてて……」

と語っているのをよく聞きます。

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ユッケを頼んだら、ユクサシミがサービスで出てきました。
これもブームの影響なのかなぁ、とも思ったり。

ちなみにこの店、横城産の韓牛を格安で食べられるお店。
量はある程度まとめて注文しなければなりませんが、
100グラム、1万ウォン程度で盛り合わせが提供されています。

「るるぶソウル'10」で初めて取材に行ったのですが、
それを見て、ずいぶん多くの方が足を運んでくれたようですね。
お店の方がすごく喜んでくれていて、僕も嬉しかったです。
お手持ちの方は、ぜひ牛焼肉ページを探してみてください。

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本題に戻って、僕らが行ったユッケ専門店はこちら。
先駆的なチェーンのひとつで「ユッケチジョン」といいます。
チジョンというのは、漢字で「至尊」と書くようですね。

全部漢字で表記するなら、「肉膾至尊」ですか。
故事に由来する四字熟語のような店名にも思えます。
あちこちの繁華街にありますが、とりあえずここは新村店。

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近くには「ユッケポチャ」という店もありました。
ほかにもユッケを冠したチェーン店がたくさん出来ています。
どこも出ている料理はほとんど同じ感じでしたけどね。

いろいろな料理がブームとなって急浮上するのが韓国ですが、
まさかユッケにスポットライトが当たるとは思いませんでした。
韓牛ブームから派生した、意外な伏兵という感じでしょうかね。

食べての感想は、やや居酒屋的すぎる気もしましたが、
ユッケが手ごろな値段で食べられる、という点が評価されている様子。
ブームの真っ盛りですので、興味のある人は足を運んでみてください。
2009.11.27.Fri 23:56 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(7)
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昨日夜に韓国から戻ってきました。
長いこと、更新をほったらかして申し訳ありません。
韓国でも一応、ネット環境は整っていたのですが、
取材疲れやら、急ぎの原稿仕事やら、途中体調を崩したりやらで、
結局、ブログの記事を書くまでの余裕はありませんでした。
これまでのぶんを取り戻すべく、頑張って更新したいと思います。

ちなみに今回は前半5日がソウル泊、後半2日が仁川泊。
それぞれ別の仕事でしたが、主にソウル近郊を巡っていました。
京畿道の水原、驪州、板門店と、仁川市内と江華島。
ソウルとも、地方ともまた違う、中間的な旅という感じでした。

仕事に影響しない範囲で、ぼちぼち報告をしていきますが、
とりあえず冒頭の写真は昨日まで泊まっていた松島パークホテル。
ちなみに松島は「まつしま」でなく、「ソンド」と読んでください。
このエリアは海岸部の埋め立てによる新都市が造成されており、
松島パークホテルも、今年7月に新しくオープンしたばかりです。

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従って、ホテルの周辺はあちこち開発中で……。

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とにかくだだっ広い敷地に、高層ビルが点在するのみ。

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いずれもホテルから徒歩10分程度の場所ですが、
これだけの建物が建築中というのは、不思議な光景です。

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全部完成するのが2020年だそうですから、
まだまだ、本来の姿までほど遠いということでしょうね。

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夜になるとホテルの外壁がライトアップされます。

ただ、あまりの僻地にあるせいか、タクシー運転手も知らず、
ナビで検索してもらっても出てこなかったりしました。
仁川メトロ1号線「仁川大入口」駅のすぐ隣にあるのですが、
こちらも延伸されたばかりで、地下鉄駅からしてヒットしません。

路線図も最新版でないと掲載されていないぐらいなので、
宿泊される方は、地図をフロントでもらうことをおすすめします。

ホテルそのものはすごく快適でしたけどね。

早く近隣の開発が進み、ホテルの知名度も上がれば、
そういった苦労も、いずれはなくなると思います。

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ひとつ驚いたのは、そんな果ての果てに宿泊しつつも、
韓国在住の友人に連絡をしたところ、

「え、ウチのすぐ近所じゃん!」

という話になったこと。
ソウルに住んでいたはずですが、結婚して旦那の実家近くに引越し、
それがたまたま松島(新都市ではないエリア)だった模様です。

せっかくなので帰国する直前に会って、一緒に昼ごはんを食べました。
松島はワタリガニが有名で、専門店の並ぶワタリガニ通りがあります。
友人の義理のお母さんが行きつけ、という店に連れて行ってもらい、
名物のコッケタン(ワタリガニ鍋)を盛大に食べました。

ほかにも仁川では宿題だったいくつかの名物料理を解決。

食べれば食べるほど、宿題は増えていくのが相場ですが、
とりあえずめぼしい郷土料理は、ほぼ制覇することができました。
2009年仁川訪問の年はあと1ヶ月ちょっとで終わりですが、
せっかくなので、今後もその魅力を発信したいと思います。

とりあえずコッケタンはそのイントロ。

情報の整理をしつつ、仁川名物をまとめていく予定です。
しばらくは散発的になるかもしれませんが、宜しくお付き合いください。
2009.11.26.Thu 15:55 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(0)
ソウルに来ております。こちらは寒いですね。
今日の最高気温はわずか4度だとかなんとか。
目いっぱい厚着をして、取材に臨もうと思います。

さて、韓国から最新情報もお伝えしたいところですが、
ひとつチンチャトークに関して、大事なお知らせがあります。

これまで2年間、多くの方にご愛顧頂いてきましたが、
あと2回で、いったん休止をすることとしました。
残すところは、今月、来月のあと2回だけになります。
多くの方にご来場頂いたことに深く深く感謝をしつつ、
残りの2回に、精一杯の力を注ぎたいと思います。

以下、公式的なお知らせです。

=========================
「八田りチングのチンチャトーク」カウントダウンのご案内

2009年11月20日(金)

「八田りチングのチンチャトーク」主催者

 2007年10月以来、「八田りチングのチンチャトーク」をご愛顧ありがとうございます。東京・新宿の職安通りを主会場に開催し、延べ入場者数は先月24回目のイベントで1420人となりました。

 さて今回、出演者から「今後もイベントを継続していくために韓国ネタなどを身につける充電期間が欲しい」と提案がありました。

 関係者で話し合いました結果、イベントは、年内11月28日(土)、12月20日(日)の開催をもちまして、お休みをいただくことにいたしました。

 残り2回、関係者一同、精一杯、日韓の話題を提供させていただきます。

 来年以降、充電した新しいチンチャトークをお見せしたいと存じます。

 ご理解とご声援お願い申し上げます。

=========================
2009.11.21.Sat 07:38 | お知らせ | trackback(0) | comment(3)
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16日に開催された全羅北道の広報イベント。
募集定員をはるかに超える大勢の方にご参加頂きました。
最終的には立ち見の方も出てしまっていたとか。
たくさんの方の前で、全羅北道の魅力を語れて幸せでした。
ご来場頂いた皆様に深く感謝をしたいと思います。

全州ビビンバ、淳昌コチュジャン、扶安の塩辛、高敞のウナギ焼き、
また全州に戻ってマッコリタウンと、翌朝のコンナムルクッパプ。
観光地からも益山の弥勒寺、セマングムと古群山群島、高敞の支石墓群。
限られた時間ではありましたが、精一杯魅力を語らせて頂きました。

僕自身、昨年から今年にかけて訪れつつ、おおいにハマった土地。
ぜひ多くの人に興味を持って頂き、訪問して欲しいと願っております。

ちなみに冒頭の写真は、第2部のレセプション。
100人分のビビンバを作って、みんなで食べました。
その際、来賓がビビンバを巨大しゃもじで混ぜる、というイベントがあり、
そこに僕らも加えて頂いたので記念写真を撮ってみました。

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100人前のビビンバ、混ぜる前はこんな感じ。
僕が持っていたしゃもじのサイズから想像してください。
右下に置かれていたコチュジャンもずいぶんな量でした。

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乾杯酒に使われたのは、先月から輸入が始まった全州マッコリ。
奥にちらっと見える黒いラベルは、全州マッコリの黒豆味です。
まずはこの2種類で、日本市場の開拓を目指すそうですね。
将来的にはマッコリをベースに作る全州地域の伝統酒、
母酒(モジュ)の輸入も視野に入れているそうです。

ここしばらく本当に話題豊富で、観光にも力を入れている全羅北道。
僕もまだいくつか行き残したところがあり、宿題山積みなのですが、
それとはまた別に、明日からまた韓国出張に出かけてきます。

7泊8日の日程で、今回はソウル近郊を主に巡る予定です。
京畿道を中心に、終盤は今年同じく力を注いでいる仁川にも滞在。
パソコンは持っていくので、できるだけブログでも報告するつもりですが、
忙しい日程なので、更新が途絶えるようであれば申し訳ありません。

25日の夜には帰国の予定。
美味しいものを目一杯食べてこようと思います。
2009.11.17.Tue 23:14 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(11)
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不況の最中でも、新大久保界隈はまだまだ元気。
新しい店が出来たり、既存店もリニューアルを行ったり。
行くたびに何かしらの話題を見つけられる場所です。

ただ、その変化というのもわかりやすい場合があれば、
外から見るだけでは、まったくわからない場合もあります。
店に入って初めて、「あ、変わった!」と気付くことも。
新大久保の老舗冷麺店「オジャンドン」にもそんな変化がありました。

創業が1992年なので、17年の歴史がある訳ですが、
その間にもオーナーは変わっており、現オーナーは3代目。
今年3月に引き継いだので、その意味では1年に満たない新店です。

居抜きでオーナーだけ変わるというのはよくある話ですが、
たいていそんな場合は、味が変わったと客離れが進むもの。
ただ、この店に限っては逆に働いたかもしれませんね。
歴史が古く、マスコミにも多く取り上げられた「オジャンドン」ですが、
ここ数年は評判を落とし、あまりいい話題を聞きませんでした。
僕も最後に行ったのはもう、3年半ほども前のことですか。

現オーナーに変わって、まず行ったのが内装のリニューアル。
店の雰囲気を明るくした上で、料理にもテコ入れをしました。

そして何より力を注いだのが、看板料理である冷麺。

あれこれ変更した部分を聞きましたが、もっとも大きいのは、
打ちたての麺を、たっぷりの湯で茹でるということみたいですね。
麺に対して、最低でも100倍程度の湯が必要になるそうですが、
「オジャンドン」は冷麺を看板としながら、同時に家庭料理も提供。
ほぼ冷麺だけを提供する韓国のような専門店ではありません。

すると、1日に数杯しか出ない冷麺のために、
常時大量の熱湯を用意するのはコスト的にも難があります。
そこを惜しむか、惜しまないか、という分岐点があった模様です。
基本的な部分ですが、話を聞けば、まあなるほどといったところ。
そういった部分をすべて改善していったというのがオーナーの弁です。

冒頭の写真は、エイの刺身を加えたフェネンミョン(刺身冷麺)。

エイの刺身は時間をかけて熟成したもの、ということでしたが、
そこまでの香り、酸味はなく、むしろコリコリの食感を楽しむもの。
麺はサツマイモのでんぷん100%で、1ミリを切る極細スタイル。
歯では噛み切れないぐらいの、模範的な咸興式でした。

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冷麺は看板料理として今後も頑張って欲しいですが、
料理長さんの腕は、むしろその他の料理で光っている印象も。
簡単に話を聞いた限りですが、漢方薬にこだわりがある様子。
ポッサムの豚肉を茹でる際に、桂皮、甘草を用いるというのはともかく、
真ん中に配置されたポッサムヤンニョムが秀逸でした。

生野菜と牡蠣などの魚介を甘辛いタレで和えたものですが、
独特の甘味を感じるな、と思ったらナツメが潜んでおりました。
このボリュームで3000円、というのは決して安くはないですが、
いいものを出そう、という意気込みは感じられる気がします。

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チヂミはすべてハーフサイズで提供、というのも面白い点。
一般的なフライパンサイズのチヂミは少人数だとどうしても余します。
ハーフサイズなら、2種類頼むという選択肢もありますしね。

上の写真は、いちばん人気という580円のチーズ海鮮チヂミ。
他にも、海鮮、唐辛子ニラ、キムチ、チーズキムチという4種類があり、
いずれも500円か、580円というリーズナブルな価格帯です。

といった感じに、苦心しながらもあれこれ工夫を重ねている印象。

実際は取材として仕事で訪れたのですが、
ぜひブログでもということだったので、紹介しました。
仕事で行った場合は、原則としてブログには書かないんですけどね。
編集者さんの了承も得つつ、テキストを新たに書き起こしました。
生まれ変わった老舗店の奮起に期待したいと思います。

店名:オジャンドン
住所:東京都新宿区大久保1-17-3
電話:03-3207-6655
営業:11:00~翌1:00
定休:なし
2009.11.16.Mon 11:47 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(7)
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ちはら台。

京成電鉄、千原線の終着駅です。
ちはら台方面から見れば、もちろん発着駅ですけどね。
うちの近所にある新三河島駅からだと、1時間をちょっと超える距離。
途中、京成津田沼で乗り換えつつ、ようやくたどり着きました。

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駅舎と駅前風景。
印象としては、とにかくだだっ広いなという感じでした。

わざわざ、ちはら台までやって来たのは……。

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海老とチーズの黒カリースンドゥブを食べるため。

ではないんですけどね。
このちはら台で、ちょっとした仕事が1件あったためです。

ちはら台には「ユニモ」という大きな商業施設があり、
そこを訪れたところ、「ペコパ」という韓国料理店を発見。
期間限定でスンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋)のフェアをやっており、
珍しいアレンジがたくさんあったので吸い寄せられた次第です。

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同行した方は、秋鮭の味噌バタースンドゥブを注文。

海老とチーズの黒カリースンドゥブはいわゆるスープカレー風。
秋鮭の味噌バタースンドゥブは味噌汁風の味わいでした。
スンドゥブチゲっぽさからは、ややかけ離れた感もありましたが、
ほかにもマンドゥ(餃子)入りや、海鮮入りなどのメニューもありました。
スンドゥブチゲだけでも、選択肢が豊富なのはいいですよね。

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たこ焼き風に焼いた、海鮮チヂミというユニークなメニューもあり。

店の方に話を聞いたところ、もともとは福岡を拠点とするチェーンとか。
大型ショッピングモールを中心に、関東地域でも展開しているそうです。
韓国料理は本当に、どこでも一定以上のものを食べられるようになりましたね。
スープカレー風のスンドゥブチゲを食べながら、なにか感慨深い1日でした。

店名:ペコパ ユニモちはら台店
住所:千葉県市原市ちはら台西3-4ユニモちはら台1階
電話:0436-76-0276
営業:11:00~10:00
定休:ユニモちはら台に準ずる
2009.11.14.Sat 12:04 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
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「すごい店が出来たぁぁぁぁぁ!!」

と思わず興奮してしまうような大事件です。

池袋の東口、三越跡に先月末オープンしたヤマダ電機。
「LABI1日本総本店池袋」の7階レストランフロアに、
とんでもないコンセプトの韓国料理店が入っておりました。

「KollaBo(コラボ)」という店名が示す通り、
いろいろな店がコラボレーションしてできたのがこのお店。
と書けばシンプルですが、そこに参画した面子が尋常じゃありません。

日韓の7ブランドが単一店舗になっているのですが、
まず、その筆頭として掲げられているのが……。

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1962年創業の「ソゴンドントゥッペギチプ」。

スンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋)をはじめとした、
トゥッペギ(素焼きのチゲ用鍋)料理の専門店。
スンドゥブチゲの歴史を作った老舗のひとつですね。

もともとは明洞エリアの小公洞(ソゴンドン)で生まれ、
現在はチェーン展開して、ソウル各地で見かける有名店。
芸能人が多く訪れることで有名な「三成店」をはじめ、
狎鴎亭洞、ノニョン洞など、現在は約30店舗があるようです。

お店の方からも少し話を聞きましたが、
現在は韓国から現オーナーの2代目が直々に来ているとのこと。
日本進出に際し、日本人向けの改良も提案されたそうですが、

「味付けは絶対に変えない!」

という強いポリシーで却下したとか。
豆腐こそ、日本の有名豆腐店から豆乳を仕入れ、
店で自家製しておりますが、後の味付け、作り方は韓国と同じ。
アサリの味わいを強調した、懐かしい味のするスンドゥブチゲでしたね。
近年流行のLA式とは違う、韓国本土の味付けです。

ただ、味付けは変えない、といっても元が比較的穏やかな味なので、
変えなくても大丈夫、との判断もあったのかもしれません。
辛さが控えめであるかわり、ニンニクはしっかり効かせてありました。

写真では僕がスプーン使いを誤って卵をつぶしてしまいました。
アサリだけでなく、右上には牡蠣も見えるかと思います。

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韓国での味付けを変えない代わりに開発されたのが、
鶏ベースのスープで味わう、サムゲタン風のスンドゥブチゲ。
2日かけてじっくり煮込んだ鶏スープに、豆腐を入れて煮込んでいます。
日本で定着しつつある、白スンドゥブの一種という感じでしょう。

また、この日は食べておりませんが、直火の炒め物もこの店の自慢。

韓国ではチカグイ(直火焼き)と呼ばれているそうですが、
底の深いフライパンで、火を立てながら炒めるスタイルの料理です。
通路に面してキッチンがガラス張りになっているので、
そこから作っているところだけ見学させて頂きました。

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「ソゴンドントゥッペギチプ」だけでも充分なニュースですが、
それに輪をかけて驚いたのが、「トゥクタ」の進出でしょう。

日本での知名度はまだほとんどないにも等しい状態ですが、
韓国では絶賛売り出し中の生マッコリ専門居酒屋。
学生街を中心に、急速度で店舗数を伸ばしているお店です。

今年6月にMBCの取材を受けてマッコリ行脚をした際、
若者のマッコリ回帰を象徴する店、として訪れたのが「トゥクタ」でした。
その直後にも、「るるぶ」の取材で再度訪れているので、
もし手元に「るるぶソウル'10」がある人はぜひ確認してみてください。

この店がすごいのは、京畿道から無形文化財の指定を受けた、
伝統酒造りの名人がマッコリを作っているということ。
無農薬の京畿米を100%使用しているというのも大きなウリです。

いわばこれも、酒蔵と外食産業のコラボなんでしょうね。

そんな名人が造るマッコリが、生の状態で韓国から空輸され、
いつでも東京で飲める、というのは本当にすごいこと。
唯一、賞味期限だけが心配でしたが、やはり長くは持たないようですね。
特別な冷蔵庫で発酵を緩やかにしても、3~4週間が限度とか。

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そして「トゥクタ」のウリは生マッコリだけでなく、
むしろ、新鮮な生フルーツを使用したマッコリカクテルにあります。
学生街で若い世代に受けているのが、まさにこのポイント。
贅沢に生マッコリを使って作る、というのはもったいない気もしますけどね。

感覚としてはジュースっぽさに傾くので、お酒の強くない人向け。
口当たりがよく、飲みやすいので女性の受けもいいでしょうね。

写真はキウイマッコリですが、そのほかにもフルーツ各種。
モモ、巨峰、覆盆子(山イチゴ)、パイナップル&シークァーサー、
マンゴー、ブルーベリー&ヨーグルトといろいろ揃っています。

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「トゥクタ」提供おつまみの、チヂミ盛り合わせ。

おそらく日によって食材の構成はかわると思いますが、
この日は、カボチャ、サツマイモ、エホバク(カボチャの未熟果)、
剥きエビ、トングランテン(ひき肉)の5種類でした。

マッコリに合うおつまみを担当店が用意している、
というのもまた嬉しい心配りのひとつですね。

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そして、もう1店舗。

こちらも韓国で200店舗以上を展開する有名チェーン。
日本では「元祖燻製サムギョプサル」の名前をつけておりますが、
もともと韓国では「ポルチプ」という名前で呼ばれています。

「ポルチプ」というのは韓国語で「ハチノス(牛の第2胃)」のこと。
ブロックの豚バラ肉に包丁目をたくさん入れてハチノス風の見た目にし、
肉質が柔らかくなるように工夫したサムギョプサルの専門店です。
日本ではまだ稀ですが、韓国ではこのスタイルのサムギョプサルは、
ポルチプサムギョプサルとしてだいぶ認知されてきたようですね。

また、この料理は下焼きの段階で、薫香を染み込ませるのも特徴。
包丁目は肉質を柔らかくするとともに、香りも染み込ませる工夫でもあります。
日本では店名からも、その燻製部分をよりアピールしていくようですね。

ちなみにこの店、韓国ではイ・スンファンさんという、
お笑い芸人(同名の歌手ではなく)が経営する店としても有名。
ソウルでは新村、弘大、大学路、江南などに店があるようですね。
僕は新月洞本店を、昨年版の「るるぶソウル」で取材しました。
この店も、まさか日本で出会えるとは! というお店ですね。

といった感じで、まず3店舗の店を紹介してみましたが、
これ以外にも韓国からはサムパプ(ごはんの葉野菜包み)店が1軒。
仁寺洞のカフェが1軒、「KollaBo」に参加しております。

残り2軒は大阪からの東京進出店で、まず炭火焼肉の「高麗屋」。
イ・ビョンホンさんが来店して絶賛したという触れ込みのお店です。
最高級黒毛和牛をリーズナブルな価格で提供しているのが特徴です。

もう1軒は心斎橋で営業する「グラスゴー」という喫茶店。
仁寺洞カフェとともに、ランチタイムからカフェタイムに活躍します。
昼、午後、夜と主役の店が変化していくのも面白いですね。

といった感じに、冒頭から興奮気味に語ってみましたが、
いやはや、本当に話題が盛りだくさんの店で書くのに時間がかかりました。
ただ、内容の大半をどんな店舗かという説明に費やしたように、
このコラボ、本当にすごいことなのですが、ブランドの名前だけを見て、

「すごい!」

と思える人はそこまで多くないと思います。
そこそこのリピーターで、「ソゴンドントゥッペギチプ」を知っているぐらい。
「トゥクタ」、「ポルチプ」は在住者であれば、という程度かと思います。

まだ、オープンして2週間ばかりの新しい店ですが、
今後いちばんの課題は、何がすごいのかを伝えることでしょうね。
特に店の中でブースが分かれているという訳でもないので、
見た目上は、単にメニューの豊富な韓国料理店に過ぎません。

もちろん普通の韓国料理店として行ってもいい店ですが、
これだけの店を集めて、それはあまりにももったいない話。
たくさんの店の思いとこだわりが結集して出来ている店ですから、
それを余すところなく発信し、多くの人に伝えて欲しいと思います。

僕もぐるなびで偶然見つけ、「なんだこれ!?」と慌てて行ったのですが、
これだけ目立つ場所にあって、まだ取材もほとんど入っていないとか。
ネットにもほとんど情報がなく、おかげで僕個人は特ダネ気分ですが、
それ以上に、もったいない! という思いでいっぱいです。

あと、もうひとつ。

ぐるなびを見て頂ければ、わかるかと思いますが、
これだけの店を揃えておいて、心配になるほど安いです。

もちろん激安! という訳ではなく、標準価格より少し下程度ですが、
スンドゥブチゲは単品980円。ランチは石釜ごはんなどがついて1000円。
生マッコリはひと甕(500ml)900円。サイズが小さいので少なく思えますが、
倍の1リットルにしても1800円なら、充分お得なお値段かと。

池袋という立地条件も影響しているのかもしれませんけどね。
韓国好きな方には、ぜひ1度足を運んで頂きたいと思います。

店名:KollaBo(コラボ)
住所:東京都豊島区東池袋1-5-7LABI1日本総本店池袋7階
電話:03-5944-9211
営業:11:00~17:00、18:00~23:00
定休:なし
2009.11.12.Thu 12:22 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(11)
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11月11日はペペロデー。
数字の「1」とペペロ(ポッキーに似たお菓子)が似ていることから、
11月11日にペペロを贈りあう習慣が生まれました。
家族、恋人、友人らにペペロをプレゼントする1日です。

もともとは釜山の女子高生が始めたもので、
ペペロのようにスマートになろう、との意味があったとか。
現在はそれが加熱し、第2のバレンタインデー化。
シーズンになると街中には豪華なペペロセットがあふれます。

といった話は昨年も書いたのでそちらをご参照ください。

11月11日はペペロデー。
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-833.html

ちなみに冒頭の写真のペペロは一昨日妻がくれたもの。

09111102.jpg

中が粉々だったのは、何か意味があるのでしょうか……。
あまり気にしないことにして先ほど、美味しく頂きました。

ちなみに日本では「ポッキー&プリッツの日」だとか。
今からでも遅くありませんので、親しい方にぜひプレゼントしてみてください。

09111103.jpg

<追記>
昨日、アップしたペペロは妻の友人が僕ら夫婦にくれたものとか。
仕事を終えて家に帰ったら、ラッピングされたものをもらいました。

「きちんと追加しとけ!」

と怒られたので報告します。
2009.11.11.Wed 11:24 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
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先日も雰囲気だけ紹介した軍隊コンセプトの「DMZ」。
店内ディスプレイは予想以上に凝った造りになっていますね。
座敷席の壁側には、軍人が生活するロッカースペースがあります。

仮名だとは思いますが、それぞれの名前と担当が明記されており、
家族の写真だとか、本だとかの私物までもが置かれています。
その上には太極旗と、愛国歌、李明博大統領の写真まで……。
いやはや、軍隊コンセプトもここまでやるというのはすごいですね。

09111002.jpg

できれば料理も軍隊式にこだわって欲しいところですが、
らしさが出るのはプデチゲ(ソーセージ鍋)と飯盒ラーメンぐらい。
他はサムギョプサル(豚バラ肉の焼肉)や、鍋料理を中心とした、
居酒屋と家庭料理の中間をゆくメニュー構成です。

この日は簡単に食事をしながらの打ち合わせ。
せっかくなので、飯盒ラーメンを注文してみました。

運ばれてきた飯盒のフタを取ると……。

09111003.jpg

中にラーメンが入っています。
溶き卵、野菜が入るぐらいのシンプルな韓国ラーメンですが、
飯盒という器に盛られるだけで雰囲気が出ますね。

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一緒にキムパプ(海苔巻き)などもつつきつつ。

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パンチャン(副菜)は弁当箱に入って出てきました。
こういう細かな雰囲気作りはぜひ大切にして欲しいですね。

09103004.jpg

さて、この日の打ち合わせの主役がこの方。

昨年も新大久保で年末にファンミーティングを行っていましたが、
今年もこの「DMZ」を舞台にして開催するとのことです。

「八田くんも一緒に出てくれない?」
「ええ、いいですよ」
「じゃあ、MCをお願いね」
「MC!?」

というやり取りがあったりして。
まあ、司会業のプロではないので、進行はともかくとして、
横で相槌を打つ係、というものに任命されたようです。

イベントの概要は以下の通りです。

=========================
ヒョンギと楽しむ韓流忘年会2009

<概要>
日程:2009年12月 5日(土)
時間:16:00~19:30(終了予定)
場所:新宿区大久保 韓国軍隊風居酒屋「DMZ」
費用:¥6,800-
定員:60名

<ファンミーティングの主な内容>
第一部:ヒョンギのトークショー
第二部:お食事タイム

<お申し込み方法>
ヒョンギホームページからお申し込みください。
(参加費は前払いとなります。予めご了承ください。)
ヒョンギ イベントホームページ
http:// hyunsama.com/event2009/

【問い合わせ】
event@hyunsama.com

<トーク内容>
・ヒョンギ2009の活動を振り返る
(映画、テレビ、司会など)
・ヒョンギ司会のイベント裏話大公開
(クォンサンウ/ソンスンホン/リュウシウォン/東方神起など)
・日本で出版予定の本
(「3泊4日・・・」について紹介)

<会場>
韓国軍隊風居酒屋 DMZ
東京都新宿区大久保1-12-4 ASS第2ビル
03-6457-3265

<チラシ>
下記より詳細情報の載ったチラシをダウンロードできます。
http://www.koparis.com/~hatta/chirashi091205.doc
=========================

ご興味のある方はぜひご来場ください。
食事タイムにはヒョンギさんが、

「僕が自らサムギョプサルを焼きます!」

と意気込んでおります。
ビュッフェ形式で「DMZ」自慢の韓国料理を約20種類。
ドリンクも飲み放題となっているそうです。

店名:DMZ
住所:東京都新宿区大久保1-24-4ASS第2ビル
電話:03-6457-3265
営業:11:30~翌3:00
定休:なし
2009.11.10.Tue 11:31 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(3)
先週末から記事にしている韓国料理のカタカナ表記。
僕も自分なりに一定の法則を作って対応しているつもりでしたが、
改めて見直してみると、単語ごとにだいぶ揺れていますね。
韓国農林水産食品部の表記は一部、違和感を覚えるものの、
統一感を持たせるために、かなり工夫されているのがわかります。

韓国料理に限らず、ルビを振るときはいつも悩むので、
この際、どんなことを考えればよいのかまとめてみました。

とりあえず以下にあげる10の要素を最初に確認しておけば、
カタカナ化、ルビ振りが統一できるのでは、との試みです。
主に本や雑誌を作る際の、目安になればと考えております。
まだ試案の段階ですが、ご意見など頂ければ幸いです。

=========================
1、濁音化(有声音化)の扱いを決める
 A:語頭の文字を清音で表記する
 B:語頭の文字を濁音で表記する
(韓国農林水産食品部表記では「A」、八田表記では「A」)

2、「k」「r」「m」「p」パッチムの扱いを決める
 A:「ク」「ル」「ム」「プ」と表記する
 B:文字のサイズを小さくして「ク」「ル」「ム」「プ」と表記する
 C:文字を半角にして「ク」「ル」「ム」「プ」と表記する
 D:文字を半角にしてカッコでくくり「(ク)」「(ル)」「(ム)」「(プ)」と表記する
 E:アルファベットを用い「k」「r」「m」「p」と表記する
<追加要素>
 a:「k」の表記を「ッ」と表記する
 b:「r」パッチムの後に「ㄹ」が続く場合にのみ省略して表記する
 c:「m」の表記を「ン」と表記する
 d:「p」の表記を「ッ」と表記する
(韓国農林水産食品部表記では「A-ad」、八田表記では「A」)

3、「ㄴ(ニウン)」「ㅇ(イウン)」パッチムの扱いを決める
 A:両者とも「ン」と表記する
 B:「ㄴ(ニウン)」は「ン」、「ㅇ(イウン)」は「ング」と表記する
 C:アルファベットを用い「n」「ng」と表記する
 D:アルファベットと発音記号を用い「n」「ŋ」と表記する
 E:「ㄴ(ニウン)」は「ン」、「ㅇ(イウン)」は「ンg」と表記する
(韓国農林水産食品部表記では「A」、八田表記では「A」)

4、激音および激音化の扱いを決める
 A:平音と同様に表記する
 B:激音を別の記号で表記する(太字にする、「h」をつけるなど)
(韓国農林水産食品部表記では「A」、八田表記では「A」)

5、濃音の語頭での扱いを決める
 A:平音と同様に表記する
 B:「ッ」を頭につける
 C:濃音を別の記号で表記する(太字にする、「?」をつけるなど)
(韓国農林水産食品部表記では「A」、八田表記では「A」)

6、濃音化の扱いを決める
 A:濃音化した文字の前に「ッ」を加えて表記する
 B:濃音化した文字を清音にして表記する
<追加要素>
 a:パッチムのない文字の次が濃音化する場合に「ッ」を加えて表記する
(韓国農林水産食品部表記では「B」?、八田表記では「B」)

7、二重母音の扱いを決める
 A:促音の「ァィゥェォャュョ」を使って表記する
 B:母音字を除き、清音に吸収させて省略する(例:「クェ(괴)」→「ケ」)
 C:子音字によって促音使用と清音への吸収を使い分ける
<追加要素>
 a:子音「ㄱㅋㄲ」の場合に促音を使って表記する
 b:子音「ㄴ」の場合に促音を使って表記する
 c:子音「ㄷㅌㄸ」の場合に促音を使って表記する
 d:子音「ㄹ」の場合に促音を使って表記する
 e:子音「ㅁ」の場合に促音を使って表記する
 f:子音「ㅂㅍㅃ」の場合に促音を使って表記する
 g:子音「ㅅㅆ」の場合に促音を使って表記する
 h:子音「ㅈㅊㅉ」の場合に促音を使って表記する
 i:子音「ㅎ」の場合に促音を使って表記する
(韓国農林水産食品部表記では「C-ai」?、八田表記では「C-ai」)

8、発音変化を伴う合成語の扱いを決める
 A:発音変化を採用して表記する
 B:発音変化を採用せずに表記する
 C:任意の発音変化のみ採用して表記する
(韓国農林水産食品部表記では「A」?、八田表記では「C」)

9、長音の扱いを決める
 A:長音を用いて表記する
 B:長音は省略して表記する
(韓国農林水産食品部表記では「B」、八田表記では「B」)

10、例外を決める
=========================

なんか、自分で作った割りに、訳がわからない内容になりました。
たぶん実際に使おうとすると、さらなる例外が続出しそうですけどね。
とりあえず頭の中にあったモヤモヤの要素がいくらかでも抽出できたので、
ここから実際に単語を当てはめて、確認してみたいと思います。

ていうか、こういうのって専門家の研究はないのでしょうか。

韓国語の発音を日本語で書く、ということそのものに無理はありますが、
これだけ韓国に触れる機会が増えたら、本格的に取り組まれてもよいはず。
料理名表記だけでなく、人名表記、地名表記など悩む要素は盛りだくさん。
なんとかならないものかと、本気で悩みに悩んでおります。

興味のない人には、ややこしいだけの話題で恐縮です。
次の記事あたりからは、普通の内容に戻したいと思います。
2009.11.09.Mon 13:20 | 考察 | trackback(0) | comment(3)
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話はちょっとさかのぼって秘境駅ナイトの終了後。
イベント中も簡単に飲んだり食べたりはしていたのですが、
きちんと食事をしていなかったので、お台場から新橋に移動しました。
訪れたのは、ここ数年で店舗数が急増している「チェゴヤ」。

このブログでは3年前に神保町店に行った話を紹介しましたが、
そのときの記事を見ると、店舗数は「東京に10店舗」とあります。

それが、いまホームページを見てみると……35店舗?

ホームページで確認できるだけなので、正確ではないかもしれませんが、
店舗数の増加だけでなく、全国的な展開も進んでいるようです。
東京以外に、北海道、群馬、千葉、埼玉、神奈川、静岡、岐阜、愛知、沖縄。
いやはや、ずいぶん短期間で全国に広まったものです。

僕が行ったことがあるのは神保町店と新宿店だけでしたが、
東京だけでも、主な繁華街はほとんど制覇されている感じです。
あくまでも僕の個人的な印象ですが、料理の価格とボリュームを抑えつつ、
注文の選択肢を多めに設定しているのが、こちらの店の持ち味かと。
居酒屋的であるとともに、店舗によってはファミレス的な雰囲気もあり、
韓国料理店にありがちな敷居の高さをだいぶ軽減していますね。

ただ新橋店は場所柄もあってか、店内はずいぶん居酒屋寄り。
グランドメニューに加え、新橋店オリジナルとおぼしき料理があったので、
まずはそのあたりから、いくつか頼んでみることにしました。

冒頭の写真、正式名は忘れましたがウナギを使った和え物料理。

生野菜を辛いタレで和えた後、ウナギの蒲焼きを載せています。
かなり独創的なオリジナル料理ですが、味はまあ、想像した通り。
和え物にするよりも、炒めたほうが一体感が出るかもですね。

09110802.jpg

同じく和え物料理からもう1品。

イカとタイの刺身を生野菜とともに辛いタレで和えています。
ウナギ焼きよりは、こちらのほうが好印象でしたね。
見た目、真っ赤なので野菜と刺身の区別がつきにくいですが、
口の中に入るとプリッとした身で、

「あ、タイ!」
「ん、タイ!」

と思わずつぶやいてしまう料理でした。

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一緒に行った方が、この店の社長と知り合いで、
ニラチヂミをサービスで出して頂きました。

09110804.jpg

本当はもっとあれこれ食べようかと思っていたのですが、
お台場からの移動もあり、店に入った時点でラストオーダー15分前。
スンドゥブチゲとライスで、この日のシメとしました。

会計を済ませたら、小雨の中、終電を逃すまじと新橋駅までダッシュ。
駅構内、車内は酔客のみなさんでごったがえしておりました。

店名:チェゴヤ新橋店
住所:東京都港区新橋4-22-7
電話:03-3431-8080
営業:11:00~24:00
定休:なし
http://www.chegoya.com/
2009.11.08.Sun 15:54 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
昨日からの続きです。
韓国料理の外国語表記を韓国農林水産食品部が発表した件で、
とりあえず、送ってもらった資料のうち日本語部分を抜粋しました。

276MBもある巨大な資料で、ダウンロードするにも一苦労。
しかも「hwpファイル(アレアハングル)」で作成されているので、
ビューアーしかない環境では、コピーペーストすらできません。
ひとつひとつ手打ちしたので、打ち間違いがあったらすいません。

資料には韓国語読みの英文表記(ルビ的なもの)と簡単な説明。
その英語訳、日本語訳、中国語訳がセットになっています。
日本語訳の部分にはカタカナ表記と、料理の簡易説明もあります。

以下に124種類のカタカナ表記と簡易説明を抜粋してみます。
このほかに、3行ほどの料理説明がそれぞれ加えられています。

=========================
<飯(パッ)>
キムパッ(韓国式のり巻き)
キムチポックムパッ(キムチチャーハン)
トルソッピビムパッ(石焼ピビムパッ)
パッ(ご飯)
プルコギトッパッ(プルコギ丼)
ピビムパッ(ビビンパ)(混ぜご飯)
サンチェピビムパッ(山菜ピビムパッ)
サムパッ(葉野菜包みご飯)
ヨンヤントルソッパッ(栄養釜飯)
オジンオトッパッ(甘辛いか炒め丼)
コンナムルクッパッ(豆もやしのスープご飯)

<粥(チュッ)>
チャッチュッ(松の実のお粥)
※1:アワビ粥の写真が入っているもテキストがチャッチュッと共通
ホバッチュッ(かぼちゃのお粥)
フギムジャチュッ(黒ごまのお粥)
<麺(ミョン)/餃子(マンドゥ)>
マンドゥ(韓国式餃子)
ムルネンミョン(水冷麺)
ピビムクッス(甘辛混ぜそうめん)
ピビムネンミョン(甘辛混ぜ冷麺)
スジェビ(韓国式すいとん)
チャンチクッス(韓国式にゅうめん)
チェンバンクッス(大皿辛味そば)
カルクッス(韓国式うどん)

<スープ(クッ)/鍋(タン)>
カルビタン(カルビの煮込みスープ)
カムジャタン(豚背骨肉とじゃがいも鍋)
コムタン(牛肉の煮込みスープ)
テンジャンクッ(韓国式みそ汁)
トックッ(韓国式お雑煮)
トッマンドゥクッ(餃子入り雑煮)
マンドゥクッ(餃子スープ)
メウンタン(魚の辛味鍋)
ミヨックッ(わかめスープ)
プゴクッ(スケトウダラのスープ)
サムゲタン(参鶏湯)
ソルロンタン(牛骨肉の煮込みスープ)
ウゴジカルビタン(白菜とカルビの煮込みスープ)
ユッケジャン(牛肉の辛味スープ)
ヘムルタン(辛味海鮮鍋)

<鍋(チゲ)>
キムチチゲ(キムチ鍋)
テンジャンチゲ(みそ鍋)
プデチゲ(ソーセージの辛味鍋)
スンドゥブチゲ(おぼろ豆腐の辛味鍋)
チョングッジャンチゲ(納豆みそ鍋)
ヘムルスンドゥブチゲ(魚介とおぼろ豆腐の辛味鍋)

<寄せ鍋(チョンゴル)>
コッチャンチョンゴル(牛もつ辛味鍋)
クッスチョンゴル(麺入り寄せ鍋)
トゥブチョンゴル(豆腐の寄せ鍋)
マンドゥチョンゴル(餃子の寄せ鍋)
プルナッチョンゴル(牛肉とたこの寄せ鍋)
シンソルロ(神仙炉鍋)

<蒸し煮(チム)>
カルビチム(牛カルビの煮込み)
タッチム(鶏肉の辛味炒め煮)
タッペッスッ(鶏肉の水炊き)
ポッサム(ゆで豚肉)
スユッ(ゆで牛肉)
アグチム(あんこうの辛味蒸し煮)
チョッパル(豚足のしょうゆ煮)
ヘムルチム(海鮮の辛味蒸し煮)

<ナムル類(ナムルリュ)>
クジョルパン(8種のクレープ包み)
ナムル(野菜の和え物)
トトリムッ(どんぐりこんにゃくの和え物)
オイソン(飾りきゅうりの甘酢がけ)
チャッチェ(野菜と春雨の炒め物)
タンピョンチェ(ところてんの和え物)
ヘパリネンチェ(クラゲの冷菜)

<煮物(チョリム)/炒め物(ポックム)>
カルチチョリム(太刀魚の煮付け)
コドゥンオチョリム(さばの煮付け)
トゥブチョリム(豆腐の煮付け)
ウンデグチョリム(銀だらの煮付け)
クンジュントッポッキ(宮廷もち炒め)
※2:たこ炒めの写真が入っているもテキストがクンジュントッポッキと共通
トゥブキムチ(豆腐キムチ)
トッポッキ(もちの甘辛煮)
オジンオポックム(いか甘辛炒め)
チェユッポックム(豚肉甘辛炒め)

<焼き物(クイ)>
コッチャンクイ(牛もつ焼き)
トドックイ(つるにんじんの辛味焼き)
テジカルビクイ(豚カルビ焼き)
トッカルビ(粗挽きカルビ焼き)
トゥッペギプルコギ(土鍋プルコギ)
ロースピョンチェ(牛ローススライス)
プルコギ(韓国式すき焼き)
サムギョッサル(豚の三枚肉焼き)
センソンクイ(焼き魚)
ソカルビクイ(牛カルビ焼き)
オリクイ(鴨肉焼き)
チュンチョンタッカルビ(鶏肉の辛味鉄板焼き)
ファンテクイ(スケトウダラ辛味焼き)

<チヂミ(チョン)>
カムジャチョン(じゃがいものチヂミ)
ケランマリ(韓国式卵焼き)
キムチチョン(キムチのチヂミ)
モドゥムチョン(チヂミの盛り合わせ)
ピンデトッ(緑豆のチヂミ)
パチョン(ねぎのチヂミ)
ヘムルパチョン(海鮮とねぎのチヂミ)

<刺身(フェ)>
センソンフェ(魚の刺身)
ユッフェ(ユッケ・牛刺し)
ホンオフェムチム(えいの和え物)

<キムチ>
コッチョリ(浅漬けキムチ)
カットゥギ(角切り大根キムチ)
ナバッキムチ(大根と白菜の水キムチ)
ペチュキムチ(白菜キムチ)
ペッキムチ(白キムチ)
ポッサムキムチ(白菜の包みキムチ)
オイソバギ(きゅうりキムチ)

<漬物(チャンアチ)/塩辛(チョッカル)>
チャンアチ(漬物)
カンジャンケジャン(かにのしょうゆ漬け)
チョッカル(塩辛)

<餅(トッ)/菓子(ハングァ)>
キョンダン(韓国式団子)
クルトッ(蜂蜜もち)
ペッソルギ(白蒸しもち)
ヤッシッ(韓国式おこわ)
ファチョン(花びらの焼きもち)
カンジョン(韓国式おこし)
タシッ(韓国式らくがん)
ヤックァ(揚げ菓子)

<飲物(ウムチョンニュ)/韓定食(ハンジョンシッ)>
ノッチャ(緑茶)
メシルチャ(梅の実茶)
スジョングァ(しょうがとシナモンの飲み物)
シッケ(韓国式甘酒)
オミジャファチェ(五味子の飲み物)
ユジャチャ(柚子茶)
インサムチャ(高麗人参茶)
ハンジョンシッ(韓定食)
=========================

ざっと見る限り、町中の韓国料理店で見るよりは正確です。
かなりの部分で僕が普段使う表記と共通するのですが、
やはりいくつかは違和感のある表記もありますね。

昨日の記事にも書きましたが、

1、基本となる料理法の表記は発音変化と関係なしに統一
2、パッチムのうち「k」と「p」の音は「ッ」で表記
3、一部の発音変化は無視

という特徴が見られるようです。

例えば1は「チヂミ」を「チョン」と表記することにしたため、
その前に「なんたらチヂミ」としたときも、濁音化が適用されません。
ネギ入りのチヂミを「パ(ネギ)+チョン(チヂミ)」で「パチョン」。
耳にする音として近いのは、「パジョン」、または「パヂョン」ですけどね。
このあたり、実に難しい問題で僕もときおり悩みます。

例えば、白菜キムチのことを「ペチュキムチ」と僕は書きますが、
これも「パジョン」と統一するなら、「ペチュギムチ」とすべきところ。
でも、キムチの一種として文中で把握しにくいがために、
「ペチュキムチ」のほうをこれまでは採用してきました。
発音用のルビとして書くときのみ「ペチュギムチ」を使います。

そして、いちばん違和感があるのは、やはり2ですか。

「k」のパッチムを「ッ」とする立場は納得しやすいのですが、
「p」のパッチムも「ッ」としてしまうんですね。

ごはんを「パプ」とせず、「パッ」とするのはまだしも、

・チャッチェ(野菜と春雨の炒め物)
・サムギョッサル(豚の三枚肉焼き)

語中に登場する「p」パッチムは印象がかなり違います。

あと、3については、1と共通する部分がありそうですね。
料理法や食材名の元単語を活かすために濁音化を無視していたり、

・ムルネンミョン(水冷麺)

のように、流音化(n+rの結合でrrに変わる)が無視されていたり。
これは僕も表記が揺れており、「ムルネンミョン」とすることがあれば、
「ムルレンミョン」と書いている場合もあったりします。

ただ、その一方で、

・シンソルロ(神仙炉鍋)

は流音化を適用していますね。
合成語と、それ以外という分類もあるのかもしれません。

もうひとつ、

・チョングッジャンチゲ(納豆みそ鍋)

では濃音化も適用しないんですね。
テンジャンチゲの「ジャン」でも統一を図ったのでしょうか。
他のケースは違和感がありつつも、納得ができるのですが、
唯一、これだけはなんでこう表記したのか不思議です。

そのほか料理の簡易説明も、何これ? 的なものがあり、
いろいろ指摘したいことはありますが、とりあえずそれはまた今度。
ちょっと自分のカタカナ表記も、全面的に見直してみたいと思います。
僕自身もいつかは取り組もうとしていた問題なので。

それと、ひとつ指摘しておきたいのは……。

公的な文書なのに、内容の重複があるのはいただけません。
たぶんコピペしたまま、修正するのを忘れたんでしょうね。
アワビ粥と、タコ炒めの部分、前のページと内容が一緒です。
韓国語部分はきちんとしているので、たぶんチェック漏れですね。

とりあえずは考察に必要な部分だけを抜粋しましたが、
こういう資料はできるだけ多くの人の目に触れたほうがいいはず。
農林水産食品部のページからは見つけられませんでしたが、
もしどこかアップされているところをご存知の方は教えてください。
データを送ってくれた担当の方にも、ネット上での公開可否など確認中です。
2009.11.07.Sat 16:09 | 考察 | trackback(0) | comment(9)
いやはや、とんでもないニュースが飛び込んできました。
これまで韓国料理の統一表記がない、というのは大きな問題でしたが、
韓国料理の世界化を掲げる韓国がいきなり統一表記を発表しました。

とりあえず124の代表的な韓国料理をピックアップし、
英語、日本語、中国語の料理表記と簡単な解説を作った模様です。

まずは新聞報道をいくつかリンクで張っておきますね。

聯合ニュース/韓国料理の外国語表記を統一、標準案を策定
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091106-00000018-yonh-kr
朝鮮日報/韓国料理の外国語表記を統一へ
サムギョプサルは英語で「コリアン・スタイル・ベーコン」
http://www.chosunonline.com/news/20091106000008

韓国農林水産食品部のホームページを確認したところ、
英語版は確認できたのですが、日本語版が見当たりませんでした。
仕方ないので、担当部署まで電話で問い合わせたところ、
実に手際よくメールで、全部の資料を送ってもらえました。
慌てて電話をしたので、韓国語は超しどろもどろでしたけどね。

んで、いまその膨大なファイルを見ているのですが……。

「うーん、やっぱり違和感……」

いくつかの特徴が見られるようですが、

・基本となる料理法の表記は発音変化と関係なしに統一
・パッチムのうち「k」と「p」の音は「ッ」で表記
・一部の発音変化は無視

といった特徴が、僕が見る限りあるようです。
いくつか特徴的な例をあげてみると……。

・チャッチェ(チャプチェ)
・サムギョッサル(サムギョプサル)
・パチョン(パジョン)
・ユッフェ(ユッケ)

カッコ内は僕が普段使っている表記です。
これを統一表記といわれると、ちょっと悩ましいですね……。

韓国料理店などでも、思い思いの表記で書いているため、
どこかでなんらかの統一を、というのは僕の願いでもありました。
そういった意味では、大変大きな一歩ではありますが……。
もう少し、じっくり各用語の表記を分析してみたいと思います。
2009.11.06.Fri 18:04 | 考察 | trackback(0) | comment(6)
09110501.jpg

昨日、四ツ谷で「全羅北道イベント」の打ち合わせをしました。
おかげさまで200名の定員に対し、見事に満員御礼。
締切直前になって、大量の申込みがあったとのことです。
トークイベントに出演する僕らにとっても、大変喜ばしいことであり、
また頑張らねばならないと、気を引き締めております。

さて、その打ち合わせ後に関係者で食事をしたのですが、
その席でご紹介頂いたのが、なんと慶尚南道東京事務所長。

いつの間にやら慶尚南道も東京事務所が出来ていたんですね。
10月15日のオープンなので、ちょうど2週間ぐらい前の新しい話。
これまでは関係性の深い下関に事務所があったそうですが、
それを東京に移して、経済協力や観光に力を入れていくようです。

せっかくなので関連ニュースもリンクを張っておきますね。

聯合ニュース/慶尚南道が東京に事務所開設、輸出拡大の足掛かりに
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091016-00000004-yonh-kr
聯合ニュース/慶尚南道、日本から年1万6千人の観光客を確保
http://news.nifty.com/cs/world/koreadetail/yonhap-20091016-63334/1.htm

所長さんとは慶尚南道の話で盛り上がりました。
冒頭の写真は南海郡にあるタレンイマウル。
山肌を切り開いて作った棚田が美しい村です。

09110502.jpg

慶尚南道というと、広域市の釜山、蔚山こそ含まれませんが、
日本からの観光客にも人気のエリアがいくつもあります。

例えば、晋州市などはその代表格かと。

ユッケビビンバの本場であり……。

09110503.jpg

また近年は晋州冷麺の存在もクローズアップされました。


09110504.jpg

晋州城の脇を流れる南江沿いはウナギ料理が有名。
食の魅力という意味では、かなり充実した地域です。

09110505.jpg

チュンムキムパプが有名な統営もいい街ですね。
具を入れず小さく作った海苔巻きに、イカの和え物を添えた料理。
漁の合間に食べられる弁当として作られたのが発祥だそうです。

ほかにも冬場は牡蠣が美味しく、春先はカレイが自慢。
いずれも食べ逃しているので今後の大きな宿題ですが、
魚介類を中心に美味しいものがたくさんあるところです。

09110506.jpg

その統営と隣接する巨済島を中心とした島嶼地域の巨済市。
釜山からもフェリーで行けるため、多くの観光客が訪れます。
「冬のソナタ」のラストシーンに使われて有名になった外島もここ。
釜山旅行からのショートトリップにはちょうどいいエリアです。

僕は2003年に友人を訪ねて巨済島に行きました。
ここで食べたヒラメの刺身はうまかったですね。

09110507.jpg

そしてもうひとつ忘れられないのがトルモンゲ。
日本語ではカラスボヤというホヤの仲間だそうですが、
普通のマボヤに比べて、より甘さが際立っていましたね。

09110508.jpg

僕が訪れたのは5月で、ちょうどイワシ漁のシーズンでした。
市場に行くと、手開きにしたイワシがたくさん売られていました。
おばちゃんに食べ方を聞くと、

「コチュジャンつけて食べるとうまいよ」

とのこと。
味見などをさせて頂いたときの写真が……。

09110509.jpg

こんな感じ。

この頃はプサンナビで記事を書いておりましたので、
その取材ということで、巨済島を訪れました。

プサンナビ/K・F・Cの巨済島を食べ尽くそう
http://www.pusannavi.com/blog/blog_top_view.php?blog_id=5000746
プサンナビ/K・F・Cの市場探検 巨済島編
http://www.pusannavi.com/blog/blog_top_view.php?blog_id=5003733

いやはや、まだ記事が残っているんですね。

ちなみにこのとき、取材をしている僕を取材しているメディアがおり、
後ろにテレビクルーの一行が、撮影をしておりました。
韓国文化を日本に伝える日本人、ということで取材を受けたのですが、
結局、それが放送になったかどうかは聞いていないんですよね。

放送予定が延期になった後、ずいぶん経って放送されたようですが、
もし何か記録が残っているのであれば見てみたいものです。

09110510.jpg

あと、先日「食客トーク」で紹介した三千浦の煮干も慶尚南道の名物。
僕が見たのは1.5キロで12万ウォンという値段でしたが、
所長さん曰く、

「いいものなら1.5キロで50万ウォンはするよ」

とのこと。
韓国はときおり、妙なものがブランド品になっていて驚きますね。
ほとんど贈答用にしか使われない特別な煮干ですが、
いつの日か、機会があればぜひ食べてみたいものです。

といった感じに慶尚南道の美食話で盛り上がりました。

こうして東京事務所が開設されたということは、
今後、広報などにもより力を注いでいくということでしょう。
慶州、安東という2大観光地を有する慶尚北道に比べると、
どうしても慶尚南道は足を伸ばす人が少ないですからね。
いいところがたくさんある道だけに、ぜひ頑張って欲しいものです。
2009.11.05.Thu 11:47 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(5)
09110402.jpg

お台場の「東京カルチャーカルチャー」で行われた秘境駅ナイト。
出演者の栗原景さんに誘われ、見に行ってきました。
「秘境駅」という単語からして、かなり特殊な響きですけどね。

「深い山中や断崖絶壁、無人の原野に存在する駅など、
列車以外では到達困難な駅」ということで定義されているようです。
栗原さんと親交が出来て依頼、なんか鉄道用語が身近になりました。

09110401.jpg

出演者は秘境駅訪問家の牛山隆信さんと、フォトライターの栗原景さん。
そしてお2人が共著で出した写真集『秘境駅』シリーズの編集をした、
メディアファクトリーの江守敦史さんの3人で秘境駅の魅力を語ります。
「東京カルチャーカルチャー」店長のシンスケ横山さんが司会を担当。

写真左から、横山さん、栗原さん、牛山さん、江守さんの順。

紹介された秘境駅については、

ソウルに通いながら、こう考えた。(栗原さんのブログ)
http://kageri.air-nifty.com/seoul/2009/11/post-32eb.html

を見ると、その一部が写真入りで紹介されています。
その魅力をもっと知りたくなったら、

秘境駅へ行こう!(牛山さんのウェブサイト)
http://hp1.cyberstation.ne.jp/hikyoueki/

を見ると、すべての情報が詰まっています。
トークの中では、ほとんど朽ち果てかけたような駅の写真だとか、
けもの道にしか見えない駅前通りや、駅前交差点など。
もはや笑うしかないような駅がずらりと紹介されておりました。
鉄道の知識がまったくなくても、充分楽しめるインパクトです。

個人的には、僕が唯一行ったことのある……。

09110403.jpg

土讃線の坪尻駅(徳島県)が紹介されていて嬉しかったです。
行ったことがあるといっても、駅には到達していないんですけどね。
遠く離れた国道を歩いているときに撮影したものです。

ちなみにこの写真、大学1年生だった1995年当時に撮影したものです。

まだ若くて元気があり余っていた頃で、高知駅から坂出駅まで、
1週間近くをかけて、四国縦断ウォークをしていた途中です。
見ても、どこに駅があるのか、さっぱりという写真ですけどね。

09110404.jpg

拡大すると、なんとなく線路らしきものが見えるかと。
こうなってくると、いつかは本当に駅まで行ってみたいですね。
牛山さんのサイトには、きちんと駅舎まで掲載されておりました。

秘境駅へ行こう!(坪尻駅)
http://hp1.cyberstation.ne.jp/hikyoueki/tsubojiri.htm

うーん、改めてすごい駅ですね。
秘境駅の魅力、存分に楽しませて頂きました!
2009.11.04.Wed 15:20 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
先日もお伝えしましたが、NHKのラジオに出演しました。
ネット上にもアップされましたので、紹介させて頂きます。

NHKワールド
http://www.nhk.or.jp/nhkworld/korean/top/index.html
音声ファイルへの直リンク
http://www.nhk.or.jp/nhkworld/korean/radio/asx/sunday.asx

ほぼ全部、韓国語で進行しております。
11:33頃からは元祖スンドゥブ節も流れました。
へたくそな韓国語で恥ずかしい限りですが、
興味のある方は、ぜひ聴いてみてください。
公開されているのは、1週間だけとのことです。
2009.11.02.Mon 17:24 | お知らせ | trackback(0) | comment(2)
09110101.jpg

先月、有楽町でオープンしたコチラの店。
入口は別にあって、なかなかに広いお店なのですが、
脇にテイクアウト専用の窓口が用意されています。

09110102.jpg

1個300円のタコス。

これだけ見れば普通のタコスですが、
どうしたことか、僕の守備範囲に入っているのです。

このタコス、正式には「KOGI BBQ」と呼ばれており、
「KOGI」というのが、なんと韓国語の「コギ」。
プルコギなどというときのコギで、「肉」という意味です。

直訳するならば、肉バーベキュー。

上の写真も、ごく普通のタコスに見えますが、
料理名は「チーズブルダックタコス」。
激辛で知られるブルダックを、タコス風に仕立てた料理です。

ほかにも、

・プルコギビーフタコス
・サムギョプサルタコス

の2種類が同じ値段で販売されています。

と、ここまでだったら、かわったアレンジのタコスだな、という話ですが、
なんと「KOGI BBQ」はロサンゼルスでのヒット商品なのだとか。
メキシカンタコスを韓国風にアレンジしたものがアメリカで受け、
その料理が日本にも進出してきた、となると話が少し変わってきます。

先日、メキシカンバンというイギリス式のパンがマレーシアで生まれ、
シンガポールを経由して韓国でヒットし、韓国生まれの企業が日本進出。

という頭がおかしくなりそうなパンの話を紹介しましたが、
どうやら、この「KOGI BBQ」もそれに匹敵するぐらいのややこしさです。

09110103.jpg

「KOGI BBQ」はテイクアウト専門で、ランチ時の店内注文は不可。
テイクアウトしたものを持ち込むのはOKということだったので、
外で買ったあと、中に入って他のランチメニューも頼んでみました。

石焼きビビンバ、温卵プルコギライスといったメニューがある中で、
ふとピンときたのが写真の「たっぷり野菜のビビンバ・タコライス」。
ひき肉、トマトといったタコス風の具に加え、生野菜がたっぷり。
そこに温泉卵が載り、コチュジャンをかけてよくかき混ぜて食べます。

ビビンバか、タコライスか、というとタコライスに近いと思いますが、
韓国料理らしさを考えなければ、充分美味しく頂けました。
ニンニク、ゴマ油の香りがないのが、韓国らしさを感じない点でしょうね。
タコスと一緒に食べたので、その点では非常に調和のとれた昼食でした。

ちなみに他のディナーメニューを見ると、そちらはほぼ韓国料理。
ロサンゼルスで人気のスンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋)をはじめ、
アレンジされたチヂミ、トッポッキ(餅炒め)などが並んでいます。
それらを見る限り、店としての軸は韓国料理にあるのでしょうね。

「ロサンゼルスで人気のメキシカンタコスを看板料理にする韓国料理店」

これだけ聞いたら、何がなんだかさっぱりわかりませんが、
今後、僕の仕事にはこうしたジャンルの料理も入ってくるのでしょう。
それと食べ終えた後に気付いたのですが……。

タコライスって沖縄料理ですよね。

なんとなくタコスつながりで調和が取れたと思っていましたが、
僕はこの日、

「ロサンゼルスで人気のメキシカンタコスを看板料理にする韓国料理店で沖縄料理を食べた」

というますます訳のわからない食事をしていたことになります。
ここ数年、急速度で進化してゆく韓国料理の世界。
コリアン・フード・コラムニストの仕事もワールドワイドになってきました。

店名:RED HOPPER
住所:東京都千代田区有楽町2-1-1
電話:03-6206-1955
営業:11:30~23:30
定休:なし
http://www.red-hopper.com/
2009.11.01.Sun 16:34 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(3)






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八田 靖史(八田氏@K・F・C)
美味しい韓国料理を探す毎日。コリアうめーや!!管理人。コリアン・フード・コラムニスト。ブログは2005年12月開設。