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韓食日記

日々食べている韓国料理の記録です。
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食卓にのぼる山のような野菜。

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料理の中にどっさり投入される唐辛子。

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江華島名物のスンムキムチ(カブのキムチ)。

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扶安名物のヤンパキムチ(タマネギのキムチ)。

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20種類以上の具が載るビビンバ……。

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といった内容の話を、対談でさせて頂きました。
お相手は美容ライターの橘亜美さん。
橘さんの主宰する「美容Club」というブログの企画で、
光栄なことに、第1回目のゲストだそうです。

美容Club/第1回 対談 『韓国食材と美の関係』 -八田靖史さんー
http://ameblo.jp/bihada-club/theme-10052460135.html

僕に美容を語らせる、という難易度の高いテーマでしたが、
うまいこと、野菜や食習慣のあたりから話を引き出して頂きました。

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ちなみに橘さんはこんな方。

橘亜美
美容ライター。12年前に初めて韓国へ訪れた際、「美」に対する意識の高さに感銘を受け、韓国化粧品にのめり込む。経路マッサージアドバイザーの資格も取得。ブログ「美肌Club」で、自らのダイエット入院体験記を掲載、何事も自身の良いと体感できた商品やグルメのみを紹介するという、徹底した姿勢を貫いている。2012年3月には、韓国の食材を使ったパンをプロデュースし、ニュースでも取り上げられた。現在は、韓国旅行コーディネーターとしても活躍中。
「美肌Club」:http://ameblo.jp/bihada-club/

僕があまりにも疎い、コスメ業界の話をよく教えて頂いております。

ここ2年ほどで、韓国業界の裾野が急激に拡大し、
ビギナー層が増えたことで、少しずつ仕事に変化が出てきました。
これまではコア需要に応える、専門的な知識が重要でしたが、
最近はもっとライトな需要に、幅広く応える仕事が増えています。

なんというか、

「呑気にメシばっかり食っている場合じゃねぇ!」

という状況になりました。
なので他業界のことを教えてくれる方はありがたいですね。

あとは、韓流のここ10年とか、日韓関係史の要点とか、
K-POPアイドルの見分け方とか、教えてくれる方がいると嬉しいところ。
かいつまんで説明してくれる専門家の方はぜひお声かけください。
僕のほうからはかわりに、

・韓国料理のここ10年
・新大久保コリアンタウンの要点
・コムタンとソルロンタンの見分け方

といった話をさせて頂きます。
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2012.04.25.Wed 16:25 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(5)
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先日、韓国関係のビジネス交流会があり、
そこで、10分ぐらい話をしてくださいと頼まれました。

ここ最近、話をする仕事はだいぶ頂くようになりましたが、
相手がみんな韓国業界のプロ、というのはめったにないことです。
さてどんな話をしたものか、と悩んだあげく選んだテーマが、
タイトルの、

「みなさん、これは韓国料理ですか!?」

という話でした。

けっこうこのテーマはあちこちで使っているのですが、
韓国に詳しい方々には、目先を変えた切り口でいいかなと。
韓国料理業界における最先端の話題も交えてという話だったので、
それなら、ということで選んだテーマでもあります。

その例としてあげた料理をここにも並べますので、
もしよかったら、みなさんも考えてみてください。

まず大前提として……。

・韓国料理は世界を目指した発信に力を入れている
・そのため韓国内では韓国料理の再解釈や新しいアレンジが流行
・韓国に限らず、日本など外国でも新しい韓国料理は生まれている
・韓国料理という枠が広がり、枠自体も曖昧になっている

といった背景を話の始めに伝えました。
これは肯定的にとらえても、否定的にとらえてもかまいません。
むしろ、そこがまさに個々人の解釈であり、

「みなさん、これは韓国料理ですか!?」

という問いかけへの答えとなるはずです。

さて、その第1問目が冒頭の写真。

ソウルの清潭洞にある「L'Atelier Monique」という、
ベーカリーで見つけた焼きネギ入りのクロワッサン(左下)です。
お店では日本語で「ネギワッサン」と呼ばれておりました。

なぜ、日本語かというと開発したシェフが日本人。
韓国野菜の甘さに惚れ込み、それを活かしたパンとして、
クロワッサンに挟む、という形で販売を始めたそうです。

また左上は、ノーマルなタイプのクロワッサンですが、
右にあるのはミスカル(穀物粉)入りの香ばしいクリームパン。
韓国的な素材を、パンの中に取り込むという工夫を行っています。

とりあえず、左上のクロワッサンは置いとくとして、
ネギワッサンと、ミスカル入りのクリームパンを考えてください。

みなさん、これは韓国料理ですか?

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次にあげたのはコチラ。

昨年、大ヒット商品となった白いスープの「長崎チャンポン」。
韓国でチャンポンというと、真っ赤なスープというのが相場でしたが、
白いスープのブームで、その常識がガラガラと崩れました。
日本的な視点から見ると、もとのスタイルに戻ったとも考えられます。

ポイントとなるのは、白いスープだけども「辛い」という点でしょう。
青唐辛子がたっぷり入って、真っ赤なチャンポンと同じぐらいビリビリきます。

商品名に「長崎」と入っていることからも、イメージは日本でしょうが、
味の方向性を考えると、韓国料理の延長線上に落ち着いています。

みなさん、これは韓国料理ですか?

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もうひとつ韓国から。

ソウルの新沙洞にある「ジョン食堂」という店の料理で、
ポッサム(茹で豚の葉野菜包み)にアレンジを加えた一品です。
こちらの店は西洋料理の技法を用いた韓国料理を自慢とし、
従来の韓国料理とは一線を画す「ニューコリアン」を名乗っています。

焼き目をつけた豚バラ肉に、刻んだピクルスを載せ、
ジャガイモ、タマネギのピューレと干しブドウのソースで味付け。
下に敷いた行者ニンニクの葉で包んで食べるという趣向です。

この店では「五感満足テジポッサム」と名乗っていましたが、
ポッサムをこのスタイルで出すのは、まあまずここだけ。

みなさん、これは韓国料理ですか?

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こちらはこのブログでも何度となく紹介している薬膳スイーツ。
東京、広尾にある「薬膳甘味千の花」で作られています。

写真手前から、時計回りに、

・薬膳カップケーキ(高麗人参)
・薬膳カップケーキ(五味子)
・高麗人参モンブラン
・薬膳種タルト

というラインナップ。

いずれも韓国的な素材を使って作った西洋スイーツ。
ただ、いままでの3つと違うのは、「日本で作った」という部分ですね。

みなさん、これは韓国料理ですか?

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お次はコチラ。

僕自身は東京の有楽町にあった店で食べたのですが、
もともとはロサンゼルスで生まれたタコスの一種です。
「KOGI BBQ」と呼ばれる料理で、「KOGI」というのが韓国語で肉。
メキシカンタコスに韓国式の肉料理を載せてあります。

上の写真では、チーズブルダックが載っておりますが、
ほかにも、プルコギ、サムギョプサルあたりが定番とか。

みなさん、これは韓国料理ですか?

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最後は大阪名物ともいえる、ちりとり鍋(鉄板鍋)。
大阪の在日文化が作り上げた料理のひとつです。

韓国料理としてはコプチャンジョンゴル(ホルモン鍋)が近いですが、
料理の名称にもなった、ちりとり型の鍋を使っているのが特徴。
炒めながら、煮汁も楽しむという発想から生まれたそうです。

大阪の韓国料理店では、これが看板メニューというところも多く、
また東京など他地域では、ちりとり鍋としての専門店もできています。
ただ、少なくとも僕は、まだ韓国で見かけたことがありません。

みなさん、これは韓国料理ですか?


ということで以上、6つの料理を例にあげました。
もちろんこれ以外にも、あちこちでいろいろな試みが行われており、
同じような形で紹介できる料理はそれこそ無数にあるでしょう。

どうですか、なんとなく頭の中で想像して頂けましたか?

境界線の引き方は人それぞれなので、

「こんなの韓国料理じゃない!」
「いや、これも立派な韓国料理だ!」

という両方の意見が成り立つと思います。
この問題に正解はないですし、立場の違いでも意見が割れて当然です。
もっといえば、無理に答えを出すような問題でもないかもしれません。

ただ、それを踏まえた上で、それでも悩むべきなのが、
僕を含めた、韓国業界で仕事をしている人ではないかなと。
未来に向けて、常に新たな可能性は模索していかねばなりませんが、
それが過度であると、本質を見失う結果にもなりかねません。

僕は他の業界のことをあまり知りませんが、

・日本メーカーが開発した日本限定の韓国コスメ

みたいのもあったりするんですかね。
あるいは、

・全員外国人で韓国人がひとりもいないK-POPアイドル

とかがデビューしたらどうなるんでしょう。
たぶん、各業界で悩まなければならない人がいるように思います。
そういう問題提起としては、少し考えてみてもよいかなと。
そんなことを思って、こういう話をさせて頂きました。

「え、僕ですか?」

ちなみに僕は上の6種類、全部韓国料理でいいと思っています。
少なくとも自分が取材に行く可能性があるなら、それはアンテナを立てておくべき。
自分の守備範囲なら、それは韓国料理として考えておこう、という考え方です。

まあ、こういうのって、定義の問題だったりするんですけどね。

境界線をまたぐ料理に出会ってオモシロ悩むというのも、
現代の韓国料理を味わううえで、ひとつの楽しみではないかと思います。
あとは、それをテーマに、みんなであれこれ悩んでみることも。
なので機会があったら考えてみてください。

みなさん、これは韓国料理ですか?
2012.04.22.Sun 18:03 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(14)
ここしばらく、Twitterで韓国料理関連のニュースをつぶやいています。
仕事の合間にやっているので、息抜きと情報収集を兼ねている感じです。

最初はそのまま垂れ流していくつもりでしたが、
最近になって、

「あれ、こないだつぶやいたあのニュース、どんなだっけ?」

と振り返ることがしばしば。
個人的につぶやきにまぎれて探しにくくなったので、
ちょっと試みとして、ブログでまとめてみることにします。

とりあえず、過去1ヶ月分を下記に並べてみました。


三養食品が激辛ラーメン「プルタクポックムミョン」が発売。業界で初めて辛さを測る単位「スコヴィル値」をパッケージに明記(4404SHU)。http://t.co/Xn6SVkKS 2012年は白いラーメンブームの反動で、より赤く、より辛いラーメンがトレンドの模様。(2012年4月21日)

4月15日、ソウルの江南に「大阪王将」韓国1号店がオープン。「大阪王将」の海外進出としては、香港に続いての出店。http://t.co/bZdTqbiH 韓国限定の餃子とかを作ったりもするのかな。(2012年4月21日)

来月初め、ソウルの武橋洞に「スターバックス」のレストラン店舗「スターバックス・フードコンセプトストア」がオープン予定。コーヒーとともにサンドイッチ、サラダ、スープといくつかの麺メニューを店内で調理して販売する。http://t.co/PqML69IF (2012年4月21日)

農心、赤いスープの「チンチャチンチャ」ラーメンを発売。「白いスープのラーメンに押され、一時苦戦していた農心が反撃に出た」 http://t.co/XOTN6p7Z(韓国語) 商品名の下には「맵다, 맵다(辛い、辛い)!」と書いてある。赤いラーメンの巻き返しはいかに。(2012年4月20日)

焼肉「トラジ」プロデュースの「冷麺専門店トラジ」が越谷レイクタウンにオープン。http://t.co/ujqBA675 冷麺の専門店はもっと増えて欲しいので、これは朗報。できれば都内にもはやく作って欲しい。(2012年4月20日)

茨城県発のご当地ヒーロー「時空戦士イバライガー」をラベルに描く「イバライガーマッコリ」が発売に。http://t.co/GewGaH9E うーん、日本のマッコリ業界はなんだかスゴイ方向に突き進んでいますね。ただ、よくよく記事を読んだら、個人的にもお気に入りのあの銘柄でした。(2012年4月18日)

「2PM」 韓国黒酢「フッチョ」で日本TVCMデビュー! http://t.co/CLJWPCH1 4月17日からCMスタートとのこと。いよいよ「紅酢(KARA)VS黒酢(2PM)」の争いが始まりますね。韓国産の飲むお酢ブーム、第2ラウンドの始まりです。(2012年4月14日)

ツイストポテト(ハリケーンポテト)の専門店「ソラド」の1号店が明日(14日)東京、原宿でグランドオープン。同28日には大阪で心斎橋店がオープンし、順次全国に拡大予定とのこと。http://t.co/lAFU5q0h (2012年4月13日)

東京都の条例が緩和され、免許を持ったフグ調理師がいない店でも、有毒部位を除去したフグなら仕入れ販売が可能に。http://t.co/3tZkCaWE 新大久保でポックク(フグのスープ)、ポップルコギ(フグの炒め物)の提供が可能になったということかな。韓国式刺身専門店あたりに期待。(2012年4月12日)

小ぶりな地鶏を丸ごと食べて。静岡県「フジ小軍鶏」お披露目 丸どり料理に適し、味も良し。http://t.co/yMxFnLqx 日本で入手しにくい小さな丸鶏は韓国料理にも不可欠な食材。1.5キロというとサムゲタン用にはまだちょっと大きいけど、タッカンマリにはちょうどよさそう。(2012年4月9日)

韓国のコメディアン、イ・スンファンが経営する豚焼肉店「ポルチプサムギョプサル」が日本進出。韓国で270店舗以上が展開する人気店。http://t.co/7rkXYJdr 以前、取材にも行ったなと思いつつ場所を確認したら、名古屋か……。一宮店と池上店の2店舗が先月オープンした模様。(2012年4月9日)

ペ・ヨンジュンプロデュース「高矢禮・火」監修の「韓国風御膳」がファミリーマートから発売に。4月9日から予約開始。引き渡しは5月11~13日。http://t.co/hSLbgxQw やっぱり弁当もセブンイレブンからファミリーマートに移ったんですね。(2012年4月6日)

4月28日に仁川で「チャジャンミョン博物館」がオープン。http://t.co/mWpcNKpH 韓国最古のチャジャンミョン店とされる、旧「共和春」跡がリニューアルされ博物館となりました。ブラックデーには微妙に間に合いませんでしたね。(2012年4月5日)

エースコックのカップスープシリーズに韓国家庭料理の「タットリタン」が新登場。4月23日より発売開始。http://t.co/OYoOSKoP(リンクはPDF) タットリタンの知名度も少しずつ上がってきたようですね。(2012年3月29日)

韓国産の飲むお酢ブームは第2ラウンドに突入。KARAで成功した紅酢(ホンチョ)に対抗し、セムピョの黒酢(フッチョ)は4月から2PMをイメージキャラクターに起用する。紅酢(KARA)VS黒酢(2PM)という図式は話題を呼びそう。http://t.co/uxXLnDXY (2012年3月27日)

4月14日はブラックデー。チャジャンミョンを食べる韓国のイベントデーが、なんと日本にも飛び火した模様。毎日新聞/岩手「盛岡じゃじゃ麺:韓国風習にならい、来月14日記念日に」 http://t.co/8DQpMEzb なんかスゴイ時代になったな。今年は盛岡じゃじゃ麺を食べるか……。(2012年3月26日)


とりあえず、これで1ヶ月分。
リアルタイムで見たい方はTwitterか、Facebookでご覧ください。

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2012.04.21.Sat 15:21 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
コリアうめーや!!第267号

<ごあいさつ>
4月15日になりました。
先週の雨で、東京の桜は散っています。
ピンク色に染まる4月が過ぎ去り、
新緑の5月が近づいてきました。
ゴールデンウィークはすぐそこですね。
連休の過ごし方なども妄想しつつ、
いまがいちばん楽しい時期かもしれません。
さて、そんな中、今号のテーマですが、
個人的にひとつ大きな節目を迎えました。
大多数の方には無関係な節目ですが、
この場を借りて、それを振り返ってみたいなと。
思いっきり、自己満足な内容ですが、
それもいつものことと、お付き合いください。
コリアうめーや!!第267号。
自らの軌跡をたどる、スタートです。


<食の韓流!この5年半を振り返る!!>

先日、とある連載仕事が終了した。

2006年9月のスタートだったので、
ちょうど5年半に渡って続いた計算になる。
僕の仕事としては相当長期の部類に入る。

その媒体というのがアサヒコム(asahi.com)。

朝日新聞社の運営するインターネットサイトで、
その国際ページに韓国料理のコラムを書いていた。
タイトルはこのメールマガジンから流用し、

「コリアうめーや!!」

である。

アサヒコム/コリアうめーや!!
http://www.asahi.com/international/korea/

ちなみにこのタイトルには伏線があり、
もとは朝日新聞九州版での紙面連載が始まりだった。
2005年の「日韓友情年」記念企画で、
タイトルは、

「コリアうまかー!!」

となっていた。

メルマガからとって、博多弁になったものが、
ネットコラムで標準語になり、結局もとに戻った形。
まさか5年半も続くとは思っていなかったが、
せっかくなので、この5年半を振り返ってみたい。

ちなみにこの連載は最終回までに全77本あるが、
そのすべてがネット上に残っていて閲覧できる。

バックナンバーとしてのリンクは2年分だが、
ページそのものは残っており、それを下記にまとめた。
興味のある方は、つまみ食いで読んで頂きたい。

韓食日記/アサヒコム「コリアうめーや!!」記事一覧。
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-1373.html

もちろん情報そのものは古くなっているし、
紹介した店舗も閉店してしまったところは多い。
だが、ここ数年の韓国料理事情を追いかける上では、
手前味噌だが、貴重な資料になっていると思う。


さて、まずは企画の背景から振り返ろう。
この企画がスタートした2006年9月というのは、
日本に韓国料理店が少しずつ増え始めてきた頃。

「冬ソナ」に始まった韓流の勢いが多方面に傾き、
文化面への関心としても広がり始めた頃だ。

当時、僕が書いた企画書を見ると……。

=========================
日韓共催サッカーW杯、韓国映画・ドラマブームを経て、
韓国の文化は着実に日本の暮らしに浸透している。
韓国の食文化も日本に溶け込んでおり、巷には韓国料理店が増え、
韓国料理が食卓に並ぶことも珍しくなくなった。
日本に根を生やし始めた韓国食文化の最新事情を追いかけてみたい。
=========================

というようなことが書かれている。
いま見て、時代を感じるのは、

・巷には韓国料理店が増え
・韓国料理が食卓に並ぶことも珍しくなくなった
・日本に根を生やし始めた韓国食文化

といった部分だろう。
書いている僕の感覚からも「走り」の意識が垣間見える。
韓国料理がこれから盛り上がる、という予感を、
最新事情として追いかけたいというのが狙いだった。

すなわち、フィールドは日本である。

韓国料理をテーマとしつつ、本場韓国ではなく、
日本における韓国料理事情を追いかける。
それは2005年末にブログ「韓食日記」を始め、
日本を意識し始めた僕にとって念願の仕事であった。

ちなみにそれがムックの形で実現したのが、
2007年9月刊行の「東京 本気の韓国料理店」。
アサヒコムでのコラム開始から1年後だった。


第1回目のテーマにはスンドゥブチゲを選んだ。

01-スンドゥブチゲ(2006年09月13日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200609130248.html

その冒頭で僕はこんなことを書いている。

=========================
韓国で生まれ、アメリカで育った韓国料理が、
日本の地で新たに根付こうとしている。
=========================

この時点で、スンドゥブチゲの知名度は、
韓国好きを除くと、一般的にはほぼ皆無だった。

だが、専門店ができ、ドラマとの相乗効果があり、
日本的な食べ方、楽しみ方も登場し始めている。
日本における韓国料理の定着を追いかけるうえで、
第1回は絶対コレ、と意気込んで書いたのを覚えている。

現在、スンドゥブチゲは韓国料理の新定番として、
確固たる地位を築き、知名度も格段に高めた。
その出発点を第1回で取り上げたと思うと感慨深い。

そして、この後も特定料理の専門店を取材し、
定着の兆しを見つける記事はコラムの主軸となった。
以下に印象的な回をいくつか列挙しておく。

10-タッカンマリ(2007年01月31日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200701310225.html
29-キムパプ(2008年3月14日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200803130315.html
51-家庭で楽しむ韓国料理(2010年1月19日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201001190204.html
68-Market O(マーケットオー)(2011年6月29日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201106290275.html
77-ケランパン(2012年3月28日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201203280190.html

追い求めたのが定着の兆しであるため、
必ずしもすべてが日本で定着したとはいえない。
長い目で見た、定着過程の途中といえるものもあるが、
それでも、その瞬間の時代性は見えるかと思う。


そして、第2回はマッコリを取り上げた。

02-マッコルリ(2006年09月27日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200609270193.html

マッコリの銘柄が増え、マッコリバーも登場。
それを踏まえて、僕はこんなことを書いた。

=========================
銘柄を選んで自分好みのマッコルリを飲む。
マッコルリの新しい楽しみ方が、少しずつ日本に定着しつつある。
=========================

まだ、マッコリではなく「マッコルリ」と表記している。
僕がこれを「マッコリ」に変えたのは2009年5月。
そういったことを踏まえても、時代を感じさせる記事だ。

日本におけるマッコリブームの起点を探るのは難しいが、
少なくとも僕が意識し始めたのはこの頃だった。
以来、このコラムでも何度となくマッコリの話題を扱った。

34-生マッコルリ(2008年8月25日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200808250114.html
46-韓国の地方マッコリ(2009年9月1日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200909010158.html
57-ジョンとマッコリ(2010年7月27日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201007270331.html
59-マッコリの免許(2010年9月24日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201009240141.html
76-日本でマッコリを造る理由(2012年2月24日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201202240329.html

マッコリの多銘柄化から、生マッコリの普及、
韓国の地方マッコリと国産マッコリの増加。
日本におけるマッコリの歩みがここに凝縮されている。

もちろん、こうした定着から進化という流れは、
マッコリに限った話ではなく、ほかにも例がある。
例えば、サムギョプサル、サムゲタンという料理は、
初期に取り上げた後、アレンジ版もテーマにした。

04-サムギョプサル(2006年10月27日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200610270172.html
52-サムギョプサルの個性(2010年2月26日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201002260143.html

14-サムゲタン(2007年04月15日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200704150063.html
70-サムゲタンのアレンジ(2011年8月30日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201108300208.html

このあたりからも時代性が見えてくる。


そして、第3回……を語ろうと思ったが、
このままひとつずつ取り上げては話が長すぎる。
いくら自己満足の振り返り企画とはいえ、
ものには限度というものがあるだろう。

次の振り返りを最後としよう。

このコラムでやりたかったひとつが地方取材。
僕が東京にいるため、どうしても東京の取材が多かったが、
出来る限りで地方の話題も取り上げるようにした。

15-各務原キムチ(2007年05月03日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200705030067.html
32-大阪のスンドゥブチゲ事情(2008年6月26日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200806260138.html
33-ちりとり鍋(2008年7月28日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200807280145.html
62-鶴橋のB級グルメ(2010年12月29日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201012290114.html
65-韓国料理と郷土の食(2011年3月29日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201103290223.html
72-済州島のテールスープ(2011年10月31日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201110310201.html

やはりというか地域は大阪が多かったが、
その土地ごとに、違った韓国料理の姿が見えて面白かった。
日韓というよりも、地域と異文化の融合だろう。

このテーマはむしろこれからが重要である。

東京、大阪以外の地域でも韓国料理が普及し、
土台ができたことで、新たな試みも増えてきている。
アサヒコムでの連載は終わってしまったが、
今後の課題として、さらに追いかけてみたい。

そして、それはもちろん地方の話題だけではない。

日本における韓国料理の定着は現在進行中であり、
日本だからこそできる韓国料理の取材はまだまだ多い。
コラムとは関係なく、これは自分の仕事。
アンテナを立てて、しっかり追いかけたいと思う。

今回、連載が終わったことで初期の原稿を読み返し、
文章の拙さに悶絶しながらも、いろいろ感慨があった。
おそらくいまこの2012年に振り返ったことも、
数年後に見れば、また違った発見があるだろう。

そのときのために。

いま現在の発信を頑張らねばならない。
新たな道を模索しつつ、まずはこれでひと区切り。
貴重な場を与えて頂いた関係者の方々と、
お付き合い頂いた読者皆様に深く感謝致します。

<リンク>
ブログ「韓食日記」
http://koriume.blog43.fc2.com/
Twitter
http://twitter.com/kansyoku_nikki
FACE BOOK
http://www.facebook.com/kansyokunikki

<八田氏の独り言>
見ていくと懐かしい人の写真もあります。
取材させて頂いた方々にも深く感謝ですね。

コリアうめーや!!第267号
2012年4月15日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com

メールマガジン購読・解除用ページ
http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=000669
2012.04.16.Mon 00:11 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
2006年9月から2012年3月にかけて、
アサヒコム国際ページに書いたコラムの一覧です。

アサヒコム/コリアうめーや!!
http://www.asahi.com/international/korea/

<2006年>
01-スンドゥブチゲ(2006年09月13日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200609130248.html
02-マッコルリ(2006年09月27日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200609270193.html
03-チャジャンミョン(2006年10月13日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200610130239.html
04-サムギョプサル(2006年10月27日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200610270172.html
05-プデチゲ(2006年11月15日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200611150209.html
06-冷麺(2006年11月30日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200611300138.html
07-屋台料理(2006年12月16日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200612160170.html
08-ソルロンタン(2006年12月29日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200612290154.html

<2007年>
09-餅(2007年01月17日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200701170217.html
10-タッカンマリ(2007年01月31日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200701310225.html
11-トックク(2007年02月17日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200702170203.html
12-韓国の粥(2007年03月09日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200703090183.html
13-ヘジャンクク(2007年03月24日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200703240180.html
14-サムゲタン(2007年04月15日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200704150063.html
15-各務原キムチ(2007年05月03日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200705030067.html
16-ブルダック(2007年05月23日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200705230052.html
17-伝統茶(2007年06月11日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200706110080.html
18-夏の韓国料理(2007年06月25日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200706250100.html
19-サムパプ(2007年07月09日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200707080179.html
20-韓国式焼酎の飲み方(2007年07月24日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200707230477.html
21-韓国料理のランチ(2007年08月11日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200708110142.html
22-韓国料理とチーズ(2007年08月25日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200708240243.html
23-韓国の刺身(2007年09月19日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200709180298.html
24-出前で味わう韓国料理(2007年10月17日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200710170164.html
25-トッカルビ(2007年11月12日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200711120057.html
26-済州島料理(2007年12月15日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200712150094.html

<2008年>
27-コリアンタウンの年末風景(2008年1月9日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200801090058.html
28-韓国式たい焼き「プンオパン」(2008年2月19日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200802180262.html
29-キムパプ(2008年3月14日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200803130315.html
30-トッポッキ(2008年4月26日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200804260120.html
31-コリアンタウンのチキン事情(2008年5月26日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200805260101.html
32-大阪のスンドゥブチゲ事情(2008年6月26日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200806260138.html
33-ちりとり鍋(2008年7月28日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200807280145.html
34-生マッコルリ(2008年8月25日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200808250114.html
35-おひとり様歓迎の韓国料理店(2008年9月25日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200809250189.html
36-トースト(2008年10月29日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200810290098.html
37-フードコートの韓国料理(2008年11月25日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200811250212.html
38-パッチュク(2008年12月19日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200812190140.html

<2009年>
39-アンコウ料理(2009年1月28日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200901280134.html
40-チヂミ(2009年2月23日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200902230277.html
41-コリアンタウンの原点(2009年3月24日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200903240174.html
42-海鮮料理(2009年4月29日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200904290088.html
43-鶏肉料理(2009年6月1日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200906010220.html
44-韓国食器(2009年6月25日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200906250231.html
45-パッピンス(2009年7月28日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200907280216.html
46-韓国の地方マッコリ(2009年9月1日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200909010158.html
47-全国に展開する韓国料理店(2009年9月30日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200909300082.html
48-韓国菓子(2009年10月30日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200910300221.html
49-豚肉料理(2009年11月30日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200911300165.html
50-韓国料理店の融合(2009年12月25日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY200912250165.html

<2010年>
51-家庭で楽しむ韓国料理(2010年1月19日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201001190204.html
52-サムギョプサルの個性(2010年2月26日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201002260143.html
53-キムチチゲ(2010年3月30日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201003300224.html
54-江原道料理(2010年4月15日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201004150224.html
55-カルビ(2010年5月28日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201005280134.html
56-カンジャンケジャン(2010年6月29日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201006290272.html
57-ジョンとマッコリ(2010年7月27日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201007270331.html
58-冷麺
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201008250151.html
59-マッコリの免許(2010年9月24日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201009240141.html
60-韓流スターが来る店(2010年10月27日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201010270204.html
61-韓国式の餃子鍋(2010年11月29日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201011290251.html
62-鶴橋のB級グルメ(2010年12月29日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201012290114.html

<2011年>
63-ホットク(2011年1月28日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201101280343.html
64-合鴨料理(2011年2月25日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201102250370.html
65-韓国料理と郷土の食(2011年3月29日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201103290223.html
66-丸鶏料理(2011年4月28日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201104280192.html
67-韓国料理とスイーツ(2011年5月30日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201105300112.html
68-Market O(マーケットオー)(2011年6月29日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201106290275.html
69-韓国料理とハーブ(2011年7月28日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201107280252.html
70-サムゲタンのアレンジ(2011年8月30日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201108300208.html
71-ソンピョン(2011年9月11日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201109100383.html
72-済州島のテールスープ(2011年10月31日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201110310201.html
73-キムチの地方差(2011年11月28日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201111280215.html
74-テジカルビ(2011年12月27日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201112270186.html

<2012年>
75-韓国料理と百貨店の催事(2012年1月20日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201201190201.html
76-日本でマッコリを造る理由(2012年2月24日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201202240329.html
77-ケランパン(2012年3月28日)
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201203280190.html
2012.04.15.Sun 23:24 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(0)
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今週は月、火、水と3日連続で新大久保に通いました。
人通りはますます活発化しており、新店も続々誕生しています。
職安通りには観光バスが連なり、すっかり有名観光地の様相。
旗を振っているガイドさんが、ずいぶんと忙しげです。

おそらく来月のゴールデンウィークがピークでしょうね。
道を歩けないほどの混雑は、まだまだ続きそうな気配です。

さて、そんな新大久保の話題も含みつつ直近のお仕事紹介。

まず、冒頭に掲げた本ですが、4月3日に出た新刊で、
中国語と韓国語による、接客用フレーズをまとめたものです。

もともと『接客の英会話』という英語バージョンの本があり、
それを中国語と韓国語に翻訳しつつ再構成したという感じ。
僕は韓国語部分の翻訳とコラムの執筆を担当しました。

読者ターゲットは中国人、韓国人客が多く訪れる、
ショップ、またはレストランなどで働く店員のみなさま。

「これがいちばん売れているデジタルカメラです」とか。
「すでに通常価格の2割引きでございます」とか。
「お飲み物のおかわりをお持ちしましょうか」とか。

実際に使うであろうフレーズが状況ごとにまとまっています。
フレーズだけでなくシチュエーションごとの単語集があったり、
予想されるお客様からのセリフや会話例なども用意しました。
巻末には切り取って使える、POPも付録でついています。

もちろん実際に接客で使うという方以外でも、
シチュエーションごとの学習としてはお役に立つはず。
中国語と韓国語を両方やっている人にも面白いでしょうね。
ご興味のある方は、ぜひ書店などで眺めてみてください。

接客の中国語&韓国語
http://www.amazon.co.jp/dp/4053035600/
books.rakuten.co.jp/rb/item/11596820/

12041302.jpg

こちらは4月6日の朝日新聞夕刊。

「女性ひきつける観光地」というタイトルで新大久保を紹介しています。
僕は案内人として取材に同行し、新大久保の魅力を解説しました。
この記事はネットにも上がっており、下記アドレスから見られます。

朝日マリオン・コム/まちあるき
http://www.asahi-mullion.com/column/tokushu/index.html

12041303.jpg

4月号の「cocofun」も先週末から店頭に並び始めました。
新大久保「ソウル市場」のレジ後ろにて無料配布しています。

僕は「コリチャプキ」というコラムで、ハンドリフレクソロジーの、
イケメンです、ネー!」という店を体験取材をしました。
先日来、イケメンに手を握ってもらったと騒いでいたのがこの記事です。

また、「今月の食材」というページも担当しており、
「ソウル市場」の新商品、サムゲタンの卵をレポートしました。
写真の右上に見えている、白い団子状のものがサムゲタンの卵。
もちもちすべすべの生地に、餃子風の具が入っています。

サムゲタンのスープに浮かべて食べるのが基本ですが、
下茹でしたものを焼いたり、揚げたりしても美味しく頂けます。
ちなみに写真で、巣のようになっているのはゴボウの素揚げ。
けっこう本物の巣と卵っぽく見えませんか?

12041304.jpg

そして、ここからは僕の仕事ではないのですが、
お世話になっている方々の新刊も紹介させて頂きます。

4月13日に5冊同時発売となった「ポケットスッカラ」は、
ソウルを地域ごとに紹介した、ピンポイントニーズのガイドブック。
タイトルにあるように、月刊誌「スッカラ」の姉妹シリーズです。

スッカラ東京編集部ブログ/スッカラ発!新タイプのガイドブック
http://sukkarat.exblog.jp/17416338/

そのラインナップは……。

vol1.「ソウルてくてく散歩」
vol2.「やっぱり明洞!」
vol3.「韓屋のある街 三清洞&仁寺洞」
vol4.「雑貨とカフェの旅 弘大」
vol5.「母娘で江南!」

こんな感じ。

文庫本サイズなので気軽に持ち歩けますし、
620円(税込)というお手頃価格も嬉しいですね。
次回、散策したいところだけ、サクッと手に取ってもよさそうです。

ちなみにこれ、この後もどんどん続いていくんですかね。

「ほろ酔いマッコリ酒場 鍾路裏通り」
「学生街でハシゴ酒 新村」
「本場の爆弾酒を嗜む 江南ビジネス街」

なんて、企画があったらぜひ参加したいもの。
ここは「酔いどれスッカラ」の企画書でも書いてみますか。

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こちらは、大阪のコリアタウンを紹介したガイドブック。
ソウルのガイドブックでもお馴染みのあんそらさんの作です。
発売は昨年11月なので、最新情報という訳ではないのですが、
先日、他ブログで紹介したので、ここでもお伝えします。

大阪コリアタウンまるわかりガイド―韓流を100%楽しむ
http://www.mates-publishing.co.jp/?p=15180

この本が嬉しいのは鶴橋周辺と生野コリアタウンのみならず、
なんば、日本橋あたりもしっかり取り上げてあること。
大阪の韓国事情を、これ1冊で情報収集できます。

ちなみに、本のどこかには僕もちらっと写真に写っていたり。
ご購入された方は、ぜひ探してみてください。


それと最後に来週のお知らせをひとつ。

テレビ朝日の「東京サイト」というお昼の番組で、
来週、17日(火)に新大久保コリアンタウンが取り上げられます。
13時55分から14時までという、5分間の短い番組ですが、
新大久保の案内人として、僕も出演させて頂く予定です。

確か、関東エリアだけの放映だったと思いますが、
もしその時間に見られる方は、ぜひチェックしてみてください。

東京サイト
http://www.tv-asahi.co.jp/t-site/
2012.04.13.Fri 13:17 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(0)
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春の嵐によって大風が吹き荒れた3月31日。
交通が乱れる中、なんとか日暮里から京成線に乗って、
「とんいマッコリ醸造場見学ツアー」に参加してきました。

先日も、酒造を訪ねた記事を書きましたが、
それ以外にも、こんな記事としてお仕事にもつなげました。

アサヒコム/日本でマッコリを造る理由
http://www.asahi.com/international/korea/TKY201202240329.html

国産マッコリは着実に増えており、僕が数えただけでも30社以上。
地元産の米を使ったり、特産品を加えたフレーバーマッコリを造るなど、
ご当地の個性とマッコリのコラボが、少しずつ見えてきました。

あくまでも個人的な感想ですが、国産マッコリの魅力として、
ひとつ「振り幅の大きさ」があるのではないかと感じています。

本場ではないがゆえに、独自の解釈で造られたマッコリが生まれ、
いい意味でも、悪い意味でも、個性的なマッコリがたくさん登場しています。

それを、「本場とは違うからダメ!」と斬って捨てるのか、
それとも、「これはこれで面白い!」と喜んでみるかは飲む人次第。
そもそもの酒として美味しいかどうか、というのは大前提ですが、
日本に住む僕としては、後者の喜びを享受したいと思います。

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ちなみに、ここ千葉県富里市で造られいる「とんいマッコリ」は、
千葉県産の多古米を、尚州産の麦麹と、高敞産の甕を用いて作る本格派。
温度管理された醸造室に、マッコリの入った甕が並んでいます。

最近は韓国の醸造場でも、ステンレスのタンクを使うところが多いので、
なかなか、こうした甕の並ぶ光景というのは見ることができません。
こんな醸造風景を日本で眺められるというのは貴重ですね。

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見学とともに、その場でいっぱいやれるのも酒造見学の醍醐味。
とんいマッコリを飲みながら、心づくしの手料理を頂きました。

白身魚、ひき肉、肉詰めピーマンという3種類のジョン(衣焼き)に……。

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茹で豚。

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ナムルの盛り合わせ。

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山盛りになったチャプチェ(春雨炒め)。
この盛り方が韓国らしいもてなしの気持ちを象徴していますね。
料理の品数自体も、予定よりたくさん出して頂いたのだとか。

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キムチジョン(キムチ入りのチヂミ)。

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トッポッキ(餅炒め)。

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メインの鍋はヘムルタン(海鮮鍋)でした。
ホタテやワタリガニなどがゴロゴロ入ってスープが濃厚。
これでだいぶ満腹になったところへ……。

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最後はチャンチククス(温麺)まで。

韓国には「先酒後麺(ソンジュフミョン)」という言葉がありますが、
飲んだ後に食べる麺のうまさは、万国共通の喜びではと思います。

帰り際には、とんいマッコリをお土産で各自1本ずつ頂きました。
これを冷蔵庫で3、4日寝かせてから飲んだのですが、
それでももう発酵が進み、ほんのり酸味を帯びていました。

キムチでもマッコリでも、酸味が出たほうが旨いと思っているので、
酒造で飲んだときよりも、さらに好印象でしたね。
日本でなかなか、これだけしっかり発酵するマッコリは飲めません。

ブランド米を使っているため、値段はちょっとお高めですし、
足も早いですが、本格を求める方にはおすすめのマッコリです。

店名:木川工房
住所:千葉県富里市日吉台3-24-2
電話:0476-85-8708
http://makkoli.biz/
2012.04.09.Mon 11:18 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
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このブログでも何度か書いてはきましたが、
韓国料理の大きな弱点に、スイーツという分野があります。
日本の韓国料理店が必ずぶち当たる、

「デザートに出す定番料理がない!」

という部分にも直結する問題です。
例えば、中華料理における杏仁豆腐のような存在ですね。
手軽に最後を締めくくるものがありません。

そのため韓国料理店のランチでは、韓国とは無関係に、
マンゴープリンなんかが、よく出てきたりします。

伝統餅や韓菓を用意するには手間がかかりますし、
ホットク(蜜入りお焼き)などの粉物系はデザート向きではない。
あとはド派手にパッピンス(カキ氷)を用意してみるか、
あるいはナシやリンゴなどの果物でお茶を濁すか。

僕も仕事柄、

「韓国的なスイーツやデザートはありませんか?」

とよく聞かれるのですが、
これがまた悩ましく、たいていはビシッと答えられません。

唯一、日本でも韓国でも少しずつ増えているのが、
既存の西洋スイーツに、韓国要素を足すという手法ですね。
高麗人参プリンとか、五味子のカップケーキとか。
この方法であれば、組み合わせ次第で可能性は無限に膨らみます。

そして、もうひとつ。

今回、新たな可能性を感じてネットで購入したのが、
冒頭の写真、京都「足立音衛門」の栗のテリーヌ山清です。

決して、コンビニで買った恵方巻きじゃないっすよ!

12040302.jpg

見ての通り、きちんとハングルも書かれています。

ちなみに山清(サンチョン)というのは慶尚南道山清郡のこと。
そこでとれた栗を使っているため、商品名も山清になっています。
僕も初めて知りましたが、山清郡は韓国でも栗の名産地なのだとか。

また、栗のテリーヌとなっておりますが、実際はパウンドケーキ。

=========================
パウンドケーキから今にもあふれ出しそうな栗。
一切れに、その存在感・満足感を得られることから、
このパウンドケーキをフランス料理にちなんで
テリーヌと名付けました。
=========================

という説明がお店のページにありました。
ほかにも丹波産、イタリア産、韓国の扶余産といった栗が使われ、
それぞれの商品名で販売されているようです。

12040303.jpg

包みを開いてみると、中はこんな感じ。
たっぷり栗が入っているので、ずっしりと重たいです。

12040304.jpg

どうですか、このゴロゴロ具合。

パウンドケーキの具として栗が入っているというよりは、
大量の栗をケーキの生地でつなぎとめている感じですね。
ラベル表示を見ると、イタリア産も一部使われているようですが、
この栗が韓国から来たと思うと、なかなか感慨深いです。

低糖度のシロップ煮にされた栗は自然な甘味でホクホク。
ケーキの部分はブランデーが効いており、甘さも強めですが、
それがどっしりとした食べごたえにつながっています。

また、栗以外の素材にも、ずいぶんこだわっている様子。
讃岐和三盆糖とか、ラヴィエット社のAOC認定発酵バターとか
粟国の塩とか、いろいろなブランド素材が使われているそうです。

従って、これ1本のお値段……。

「なんと、5980円(税込)!」

いやあ、気軽にほいほい買えるような金額ではないですね。
自宅用というよりは、贈答用などに活躍するのかもしれません。

また、山清産とは別に、丹波栗を使った別銘柄もありまして、
そちらなんかはサイズがほぼ同じで10500円でした。

あとは扶余産を使ったものが、2880円だったので、
そちらだといくらか手が伸ばしやすいかもしれません。
いや、2880円でも充分すぎるほど高級品ですが。

というところまで書いて、ようやくまとめですが、
どんな可能性を感じたのかというと、こういうことです。

・西洋スイーツに「韓国産のブランド食材」を使う

高麗人参のように、それ自身が韓国を主張する素材だけでなく、
質の高い韓国産素材を見つけ、スイーツに応用する道があるなと。
もちろんこの場合の栗が、まったく韓国を主張しない訳ではないですが、
産地までをも全面に出し、ブランド化しているのは驚きでした。

栗のほかに、どのような素材があるかはまだ未知数ですが、
こういう切り口は、もっと模索できそうだなと思った次第。
けっこうな出費でしたが、おかげでいい勉強をさせて頂きました。

ちなみにこの「足立音衛門」はネット通販のほかに、
東京では「銀座松屋店」、また「そごう横浜店」にも出店しているようです。
5月に「エネルギッシュコリア韓流美・味展」のついでで寄れますね。
次は、扶余産を狙うかどうか、真剣に悩みたいと思います。

店名:足立音衛門
住所:京都府福知山市内記44-18
電話:0120-535-400
営業:9:00~19:00
定休:元旦
http://www.otoemon.com/
2012.04.03.Tue 19:14 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
コリアうめーや!!第266号

<ごあいさつ>
4月になりました。
今年も新学期、新年度の始まりです。
みなさんの周囲にも新入生や新入社員が、
緊張した面持ちで歩いているのでは。
所属先を持たない浮草稼業の僕にとっては、
そんなフレッシュな姿が眩しいですね。
せめて気持ちだけでもフレッシュにと思いつつ、
いつも通り自宅で仕事を頑張っております。
さて、そんな中、今号のテーマですが、
最近さらに人気の新大久保を取り上げます。
寒い時期はさすがに人も減りがちだったのですが、
春休みに入った頃からはもう大混雑の様相。
マスコミの取材も大挙して入っており、
当面はまだまだ熱気が続いていきそうです。
そんな新大久保の状況を経験談をもとに、
少しアレンジして書き起こしてみます。
コリアうめーや!!第266号。
改札を抜けたところから、スタートです。


<新大久保の案内人はかく語りき!!>

JR山手線、新大久保駅の改札を出ると、
そこはすでに大勢の人でごったがえしていた。
見ると待ち合わせの人がほとんどのようで、
何人かのグループがそれぞれ輪を作っている。

「午前中からこの熱気か……」

噂には聞いていたが、正直予想以上だ。
身をよじりながら、人の間をすり抜けていく。
と同時に携帯をかけて目的の人を探すと、
ちょうど目の前の男性が電話を取った。

「あ、八田さんですか?」
「はい、八田です。はじめまして!」

雑踏の中で名刺を出そうか迷ったが、
ちょっとこの状況では難しそうであった。
それを見て、八田氏が口を開く。

「では、どうしましょう?」
「まず、町をざっとご案内しましょうか?」
「それとも喫茶店でも入りますか?」

せっかくなので街の案内から頼むことにする。
事前にある程度の下調べはしてきたつもりだが、
まずはこの熱気に触れておくのがよさそうだ。

八田氏に導かれて山手線の高架をくぐると、
そこからもうハングルの看板が折り重なっていた。

「新大久保はよくいらっしゃいますか?」
「いえ、最後に来たのは7~8年前だと思います」

「それだともうまったく違う町でしょう」
「そうですね、予想以上の変貌ぶりで……いやはや」

歩きながら、八田氏が解説をしてくれる。

「この目の前の通りが大久保通りです」
「これと並行して、新宿方面に職安通りが走っていまして」
「そこに挟まれたエリアをコリアンタウンと呼びます」

「東西は山手線の線路を基準とする場合もありますが」
「広く見るなら東は明治通り、西は小滝橋通りまでですね」
「職安通りを超えるとすぐ歌舞伎町になるのですが」
「ちょっと入ったあたりまでは韓国のお店も多いです」

「で、まず駅前のこのあたりがですね……」

八田氏がぐるっと指差したのは道の両脇。

「韓流グッズ店の集まる人気エリアです」
「韓流百貨店、芸能人ひろばなどが代表的ですが」
「最近はさらに店が増える傾向にありますね」

韓流ショップの前もすごい人だかりだが、
中をのぞいてみると、もっとすごい状態だった。
すれ違うのも難しいぐらいの大混雑である。


セブンイレブンを越えたところで、
いったん八田氏が足を止めた。

「コーヒープリンスはご存知ですか?」
「ああ、はい。イケメンの……」

イケメン韓国人スタッフのいるカフェがある。
その情報は事前に仕入れていたので、
デジカメを取り出して外観写真を撮った。

「さっき通り過ぎたあそこに1号店があって」
「ここに2、3、4号店が固まっています」
「隣にとんちゃんという人気の豚焼肉店があるので」
「この一帯はいつも行列ができていますね」

「新大久保で行列の絵を撮るならここか」
「またはこの先の路地を入った、おんどるのどちらかです」
「特に土日のランチタイムはすごい行列ですね」

「で、この先にビルが3つあるんですが……」

八田氏が道路の向かいを指差す。

「昨年末にオープンしたK-PLAZA1、2、3です」
「韓国系の商業ビルが3棟並んで一挙にオープンして」
「大久保通りの勢いがますます活発化しました」

「特に真ん中のビルは1階に韓国スーパーがあって」
「地下に韓流ショップ、2階がコスメショップ」
「いずれも規模が大きいので目立っています」

「奥のビルには飲食店が集まっているんですが」
「にっこりマッコリっていうお店の看板がありますよね」
「マッコリの販売会社が作ったコリアンダイニングで」
「自社のマッコリとそれに合う料理を出しています」

大久保通りの混雑度はさらに増してきた。
ほとんどが女性だが、カップルや家族連れの姿もある。
ちょうど春休みだからか中高生の姿も多い。

「若い子たちがずいぶん多いですね」
「前からこんな雰囲気でしたか?」

私の質問に八田氏が答える。

「若い子が増えたのは2010年の夏頃からです」
「夏休みに地上波で韓国ドラマが放送され……」
「また、その秋にKARAや少女時代がデビューしました」
「相乗効果で若い韓国ファンがぐんと増えましたね」

「それ以前は、主婦の方々がほとんどでした」
「前は新大久保を『原宿と巣鴨の間』っていったんです」
「地理的にもそうですが、主に年齢層を指してですね」
「いまはもう原宿から巣鴨までって感じですが」

「あとは時間帯でも少しずつ年齢層が変わります」
「土日は別ですが、平日の午前から夕方までは主婦の方」
「夕方になると制服姿の女子高生が目立ち始めて」
「その後は仕事が終わったOLさんの時間です」

「全年齢の女性が入れ替わり立ち替わりでやってきて」
「新大久保を盛り上げているイメージですね」

なるほど、そして土日はその全世代がやってきて、
そこにカップルや家族連れがさらに加わるということか。


「こちらも人気店のソウル市場です」
「韓国スーパーはここと職安通りの韓国広場」
「向かいのK-PLAZAにあるチョンガーネ」
「いまのところこの3つが代表的ですね」

「食品系で人気なのは、白いスープの辛いラーメン」
「そして赤いお酢、紅酢(ホンチョ)ですね」
「あとトウモロコシのひげ茶。このあたりは鉄板」
「菓子類もみんな買っていかれます」

「最近は総菜系に力を入れる店も増えました」
「このソウル市場も冷凍のサムゲタンが人気ですし」
「飲食店でもデリカの店を併設する店がちらほら」
「みなさん晩のおかずを買って行かれますね」

そこまで語って、また八田氏が止まる。

「えーと、大久保通りはまだまだ続くんですが」
「ほとんどの人が、ここのスリーエフで曲がります」
「職安通りとつながる、この路地に店が増えていてですね」
「しばらく前からメインストリート化しています」

車1台通れればやっとという細い路地だが、
そこに大勢の観光客が集まって行き来している。
道の両側からは呼び込みの声も激しい。

「韓国人イケメンのいる店がたくさんあることから」
「最近はイケメン通りって呼ばれることが多いですね」
「あとはドン・キホーテがあるので、ドンキ脇通りとか」
「新大久保の竹下通りなんて呼ばれ方もします」

「以前は飲食店が目立っていたんですが」
「昨年の春頃から、一気にコスメショップが増えました」
「人が多いので、屋台料理も充実してきましたね」
「いまはワゴン車での販売なども増えています」

「そして、カントンの思い出を過ぎたこのへんが」
「ちょうどコリアンタウンの中心になります」
「雑踏の絵が欲しいときはここがベストですね」
「いつ来ても賑やかで活気が伝わります」

「それで、あそこの屋台で売っているのがホットク」

目を向けると大勢の女性が屋台に集まっている。
その場でかじっているのは、お焼きのようなものか。

「ホットクは中に黒砂糖の蜜が入ったお焼きです」
「韓国では蜜だけなんですが、新大久保は具も増えまして」
「チーズ、アンコ、キムチ、チョコレート……」
「もう、独自の進化を遂げている感じですね」

「それとこちらのわくわく広場で販売している」
「ケランパンという屋台料理も最近評判です」
「今川焼きの中に、アンコではなく目玉焼きが入っていて」
「昨年11月の発売以来、人気急上昇中です」

大久保通りの喧騒も目を見張る思いだったが、
この路地の盛り上がりと店舗数はそれ以上。
しかも、あちこち工事をしているところを見ると、
現在進行形で店が増えているのだろう。


路地の出口で八田氏が振り返る。

「路地を出たところの大通りが職安通りで」
「越えると向こうの住所は歌舞伎町です」

職安通りの姿は、少しだけ昔の印象に近かった。
夜中にタクシーを走らせて韓国料理店を目指した頃は、
職安通りこそがコリアンタウンの入口だった。

「昔はコリアンタウンというと職安通りでしたよね」

八田氏は頷いてさらに語る。

「新大久保は歌舞伎町のすぐ裏にありますからね」
「歌舞伎町で働く韓国人たちのベッドタウンが新大久保」
「ちょうどその境目になったのが職安通りです」
「ここからコリアンタウンの歴史が始まりました」

「1988年にソウル五輪が開催された頃は」
「まだ韓国料理店も10軒ほどだったと聞いています」
「新大久保で生活する韓国人相手の店がほとんどで」
「増えていったのは90年代に入ってからですね」

「1989年に海外渡航が自由化されたのと」
「90年代後半の経済危機が大きかったみたいです」
「新天地を求めて日本に来た人が新大久保で商売を始め」
「コリアンタウン化が加速度的に進みました」

「そこに2002年のサッカー日韓共催W杯があり」
「2003~4年からの冬ソナブームで観光地化が進行」
「チャングムの誓いで韓国料理店がぐんと増えて」
「そこにいまのK-POPブームが重なった感じです」

八田氏の話を聞きながら職安通りを歩く。

人の流れはいくらか穏やかになったものの、
今度は観光バスの一団が目に飛び込んできた。
名札をつけた観光客が、先ほどの路地に入っていく。
後ろではガイドが、再集合の時間を叫んでいる。

「道路の向かいが韓国広場というスーパーです」
「この店のオープンが1994年だったのですが」
「それを機に韓国食材の入手がぐんと容易になりました」
「店を始めるインフラが整ったような感じですね」

「新大久保がコリアンタウンとして広がったのは」
「韓国広場ができたから、という人もいるぐらいです」

そこで八田氏は足を止める。

「えーと、これで主要な通りは以上です」
「もう少し街をご覧になるなら、別の路地に入るか」
「外れのほうにもいいお店はありますが……」

そういって八田氏が私を見る。

「そうですね、もう街歩きはこれで大丈夫なので」
「あとはどこかで座って、もう少し話を伺えますか」
「教えて頂いた情報も整理させて頂いて……」

「じゃあ、いったん大久保通りに戻りますか」
「はい、どこか適当なところへ……」

「……」
「……」
「……」

舞台はこのあと新大久保のカフェへと移り、
企画に沿った、新大久保情報をさらに詰めていく。
場合によってはお店のオーナーを紹介し、
またある時は一緒に飲食店を巡る。

僕は新大久保の案内人。

必要であればいつでもお声かけください。
街の魅力を誠心誠意、お伝え致します。


<案内人からの提案>
新大久保を訪れる人が格段に増えたことで、
最近は観光客のマナーも問われるようになりました。
もともと新大久保はごく普通の住宅地であり、
多くの人が韓国とは無関係に生活をしています。

・そのへんにゴミを捨てない!
・夜中に住宅地で大声を出さない!

といった基本的なマナーは大前提ですが、
大久保通りの歩道も、イケメン通りと呼ばれる路地も、
混雑によって、いろいろな問題が出てきています。

・韓国とは関係ない店の入口を塞いでいないか
・車椅子の方や、お年寄りの歩く道を塞いでいないか
・スペースを求めて、私有地に立ち入っていないか
・何人かで固まって歩いて、後ろが詰まっていないか

そんなことを頭の片隅に置いておくだけでも、
だいぶ違うのではないかなと思います。
自分自身への戒めと反省でもあるんですけどね。
よかったら周囲の新大久保仲間にも声をかけてみてください。

<リンク>
ブログ「韓食日記」
http://koriume.blog43.fc2.com/
Twitter
http://twitter.com/kansyoku_nikki
FACE BOOK
http://www.facebook.com/kansyokunikki

<八田氏の独り言>
僕のしゃべっている部分はほぼ実録。
一緒に歩くと、まったく同じ話を聞けます。

コリアうめーや!!第266号
2012年4月1日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com

メールマガジン購読・解除用ページ
http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=000669
2012.04.02.Mon 08:28 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
20120401.jpg

春休みに突入して、混雑度合いの増す新大久保。
新しい店もどんどん増え続けており、その勢いは留まるところがありません。
昨年、一昨年と『新大久保コリアンタウンガイド』を2度に渡って改訂し、
その最新情報をお届けするよう頑張ってきたのですが……。

「新大久保の変化するスピードに追い付かない!」

ということで、このほど月刊化に踏み切ることとしました。
タイトルはそのまま「月刊」をつけただけですけどね。

先月からすでに取材を始めており、これまでのグルメだけでなく、
僕にとって不慣れな「イケメン」系店舗の取材も行っています。
冒頭の写真は、Twitterでもちらっとつぶやきましたが、
イケメンのお兄さんに、手を握ってもらっているところ。

その心地よさに、思わず何かに目覚めるところでした。
いずれ発売日など、詳細が確定したらまたご連絡しますね。

乞う、ご期待です!

※追記(2012.4.2)
エイプリルフール企画で月刊化の予定はありません。
本当に月刊化できたらいいぐらいの盛り上がりですけどね。
期待して頂いた方は、申し訳ありません。

なお、写真の取材は実際に行ってきました。

通称「イケメン通り」にある「イケメンです、ネー!」という、
ハンドリフレクソロジーのお店で、4月号の「cocofun」に載ります。
もうそろそろ「ソウル市場」店内に並びますので(無料です)、
買い物がてら、ぜひ探してみてください。
2012.04.01.Sun 10:47 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(5)






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八田 靖史(八田氏@K・F・C)
美味しい韓国料理を探す毎日。コリアうめーや!!管理人。コリアン・フード・コラムニスト。ブログは2005年12月開設。