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韓食日記

日々食べている韓国料理の記録です。
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3月27日に赤坂でオープンしたばかりの新店。

対談形式の取材ということでお邪魔してきたのですが、
ぜひブログでも、とのご要望だったので一足先にまとめます。

お店の名前は「張家」と書いて「チャンガ」。

文字通り、張(チャン)さんの家という意味なのですが、
その張家というのが、なんと俳優チャン・ドンゴンさんの実家。
お母さんの料理を、弟さんが受け継いで提供するという、
おそらくファンにとっては垂涎のコンセプトではないでしょうか。

そんな事前情報を頂いていたので、てっきり店の中は、

「チャン・ドンゴンさんの写真でいっぱい!」

なのかと思いましたが、まったく違いましたね。
言われなきゃ気付かない。むしろ、そのアピール自体が皆無。
赤坂らしく、高級感のある落ち着いた雰囲気の店でした。

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器、盛り付けを見て頂くとより雰囲気が伝わるかも。

手前の板皿に載った3つの皿がナムル盛り合わせ。
というか、前菜の盛り合わせという感じだったんですかね。

・コゴミのナムル
・トマトの浅漬けキムチ
・小カブと京菜のナムル

旬ごとにいろいろな素材で提供するそうです。
ワラビやゼンマイでなく、コゴミを使うのは珍しいですし、
小カブと京菜という組み合わせも斬新ですね。

後ろに見えている3品はパンチャン(副菜)で、

・干しダラの和え物
・韓国カボチャとシメジの和え物
・豆モヤシのナムル

といった感じ。

左の皿は、野菜チャプチェ(春雨炒め)で、
牛肉を使わず、野菜をふんだんに盛り込んであります。
こってりゴマ油を効かせ、甘味も強めでしたが、
野菜が多いので、重たさを感じさせません。

この後もそうでしたが、野菜の使い方が上手ですね。
こういう店に出合うと嬉しくなります。

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切干大根とエシャロットのキムチ。

韓国の切干大根は太めなので、ガリガリとした食感と、
エシャロットのシャクッとした食感の両方を楽しめます。

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古漬けのキムチを使った、キムチチヂミ。
厚めにふんわりもっちりと作ってありました。

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桜エビとニラとチーズのチヂミは香ばしさ満点。

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看板料理のひとつ、張家ポッサム。

お店のコンセプトが張家で食べている料理ですが、
全部が全部という訳ではなく、お母さんのレシピは看板料理の一部。
それらはメニューに、しっかり張家と明記されています。

大皿に盛られた茹で豚は、奥の葉野菜で包んで賞味。

韓国から空輸したサンチュ、エゴマの葉に、茹でキャベツと、
洗って薬味を流した古漬けキムチなどが用意されていました。
豚肉もバラと、肩ロースの2種類を合い盛りにしています。

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大きなジャガイモと豚肉のチム。

大きさにこだわって選んだ北海道産のメークインを、
豚肉と一緒に、ピリ辛の味付けで蒸し煮にしています。

これ、写真で見ると、さほど大きくは見えませんが、
実際に出てきたときは、歓声が上がるほどのサイズでした。
真ん中に置かれた赤唐辛子がかなり大きいんですよね。

店員さんがハサミを持ってきて、目の前でカットするようなサイズ。
このあたりは見せ方、盛り上げ方としても上手です。

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キムチと骨付き肉の蒸し煮。

いわゆる醤油味のカルビチム(牛カルビの蒸し煮)ではなく、
古漬けのキムチと一緒に煮込んで、酸味と辛味の味付けにしています。
キムチとブロックの豚肉を煮込むという料理はよく見ますが、
それを牛肉で作る、となると少し珍しさが出てきますね。

しかも話を聞いたら、カルビではなくTボーンの部位とか。
ということは、骨まわりはサーロインとヒレですか?

確かに脂はとろとろだし、赤身はしっとりでした。

そして地味に効いていたのが、丸ごとのニンジンとタマネギ。
こちらもやはりハサミで豪快にカットしていくのですが、
ちょうどいい箸休めであり、野菜そのものも実に甘いです。

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白い土鍋で出てきたのは、鶏とナスの蒸し煮。
張家に代々伝わる料理だそうです。

縦に切れ目を入れたナスの中に鶏の手羽元を詰め、
ヤンニョム(薬味ダレ)とともに、じっくり2時間蒸し煮にしてあります。
水は一切使用せず、素材から出た水分で煮詰める感じ。

ヤンニョムといっても塩気はごく控えめにしてあるので、
ナスの甘味をそのまま、鶏肉と一緒に楽しめるのがいいですね。

……と美味しく味わいつつも、ひとつ気になったのが、

「この料理、どこの料理なんだろう?」

ということ。
どんな家庭料理でも、ある程度、元になった料理というか、
系統ぐらいは想像つくのですが、こういう感じの料理は正直初めて。
地域が気になったので尋ねてみると、

「もともとはおじいさんが咸鏡北道の出身」

との答えでした。なるほど、納得。
要するに北朝鮮のいちばん東北部にお住まいだったということですね。
調べてみたら、確かにこれ、咸鏡道の郷土料理でした。

するとそれは、朝鮮戦争を経て南に移り住んで、これだけの年月が経過し、
なお、故郷の味を代々受け継いで守っているということ。

なんというか、いまブログを書きながら目頭が熱くなる思いですね。
それを赤坂で食べられる、というのはすごいことです。

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そしてもうひとつ、のけぞるほど驚いたのがコレ。

知らないと、ひからびた魚にしか見えないかもしれませんが、
霊光郡の法聖浦という漁港で作られているイシモチの干物です。
韓国語ではクルビと呼ばれますが、その中でもしっかり乾燥させた後、
麦と一緒に熟成、発酵させたものをポリ(麦)クルビと呼びます。

ブランド価値の高い霊光クルビの中でも希少な存在。
しかも地元の名人が作っているのをわざわざ取り寄せているとか。

僕もソウルのクルビ専門店で、1度食べたっきりですが、
これをメニューに載せている、というのも尋常ではありません。

「なぜこれがココにある!?」

と驚嘆するにふさわしい干物です。

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ポリクルビは、その身をほぐして、ごはんに載せ、
冷茶を注いでお茶漬け風に食べるのが地元のスタイル。

もとは保存食なので、そのままでは塩気が強いんですよね。
また、発酵による独特の風味があって、それも好みが分かれるところ。
希少なものではありますが、いわゆる珍味の類です。

とはいえ、噛み締めるとじんわり脂がにじみ出てきて、
お酒が好きな人にとっては、このうえない一品になるはず。
ひとしきり飲んだ後のシメにも、この冷茶漬けはぴったりです。

なお、この料理のみ、仕込みに時間がかかるので、
前日までに要予約ということでした。食べたい人はご注意を。

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ちなみにこの日はウリスルジャパンの社長夫妻も同席。
扱っているマッコリをずらりと試飲させて頂きました。

この日のメインは手前右側にある2本の銘柄。

左にある「3」と書かれたボトルはユズ風味のマッコリで、
アルコール度数を控えめに抑えた「3%」を意味しています。
昨年の下半期から、韓国では低アルコールマッコリが続々と発売され、
スポーツドリンクがわりの感覚でヒットをしました。

その右にある「本生マッコリ」はラベルをこのほどリニューアル。
こちらはアルコール度数8%という本格派の飲みごたえが自慢です。

また、中央から左には梨、木イチゴ、リンゴといったフレーバーマッコリ、
右奥には米マッコリ、おこげ、黒豆のスタンダード銘柄もご用意頂きました。
フレーバー系をまとめて試飲するというのも久しぶりでしたが、
ひと通り飲んだ中では、リンゴの酸味がよく出ていて好印象でしたね。

「張家」&「ウリスル」のコラボイベントも現在企画中とのことなので、
いずれまたもろもろ確定したら、ブログでもお伝えしたいと思います。

店名:張家(チャンガ)
住所:東京都港区赤坂3-13-6国際天野ビル3階
電話:03-6441-2080
営業:11:30~14:30、17:00~23:00(月~金)、17:00~23:00(土)
定休:日曜日、祝日
http://jangga.jp/
※ランチは準備中なので開始時期は確認を
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2013.05.30.Thu 15:34 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(4)
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昨年夏以降、韓国関連のイベントは減少傾向でしたが、
このところまた、少しずつ盛り返しているようです。

また、先週は水、金、土曜と新大久保に繰り出しましたが、
思いのほか人出も多く、こちらもまた復調の気配が感じられます。
特に夜のお客さんが多く、人気店には行列もできていたのが印象的。
一時期ほどでないにせよ、明るい兆しが見えるのは嬉しいですね。

そんな中、6月のお知らせを立て続けに3つほど。

お酒で味わう日本の中の韓国 -マッコリの日韓交流史
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=195651&userflg=0

日程:2013年6月13日(木)
時間:14:00~16:00
場所:ecoてじまぅる大久保本店
料金:会員7,350円、一般7,980円
主催:朝日カルチャーセンター横浜教室

不定期的に行っている韓国料理店での外出講座。
日本におけるマッコリの浸透と定着をテーマとしつつ、
代表的な銘柄を味わって頂こうという企画です。

ただ、カルチャーセンターの講座なので内容はビギナー向け。

上の写真を見れば、詳しい方なら想像がつくと思いますが、
珍しい銘柄というよりは、象徴的な銘柄を選んであります。

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珍しい銘柄を飲みたいという方は、講座とはまた別の話ですが、
会場の「てじまぅる」でオリジナルのマッコリが登場しています。

庄内産のブランド米「つや姫」と、鳥海山の伏流水を使って、
甘味料無添加、70%精米という部分にもこだわったプレミアムな銘柄。
系列各店舗に限定で出ているので、こちらをオススメ致します。

写真は先日開催されたイベントのときに撮影したもの。
後味にほんのり甘酒のような風味が香る、高貴な味のマッコリです。

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続いて、コチラは夏の韓国料理をテーマにしたイベント。

コリ文カルチャー講座「八田・本田の夏の韓食まつり」
http://koribun.com/hattahonda.html

横浜の有名な韓国語学校「コリ文語学堂」の主催です。
僕が夏の韓国料理について蘊蓄を語り、料理研究家の本田朋美先生が、
オイソバギ(キュウリのキムチ)の作り方を教えてくれます。

話を聞いて、料理を作って、みんなで食べて、お土産も充実というイベント。
以前やっていた「韓食ナラ」のようなイメージだと思ってください。

●日 時  6月16日(日) 開場10:30  開演11:00
●参加費  4,500円(税込み) 
      クレジットカード、銀行振込がお選びいただけます
●会 場  ソリマダン MINDAN会館7階ホール(横浜駅より徒歩5分)
●韓食弁当、飲み物、お土産がつきます  ●お楽しみコーナーも
 
<協賛>
エバラCJフレッシュフーズ  
五星コーポレーション 
エスエフシー(マッコリ事業部)  
丸大食品

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そして、マッコリ関連のイベントがもうひとつ。

「八田靖史の韓国マッコリ紀行」~マッコリ試飲あり~
http://www.kjnavi.co.jp/nikan20130517.html

「KJハングル講座コリアンタウン教室」のトークイベント。
タイトルがマッコリ紀行なので、地方のマッコリなどを語りつつ、
試飲もして頂くというイベントです。そして第2部は食事会。
詳細はまたお伝えしますが、次の展開も見据えたイベントです。

◎ゲスト 八田靖史(コリアン・フード・コラムニスト)
◎日程 1)トークイベント/午後3時開演~5時終了
    2)食事会(希望者のみ)/午後5時30分~7時くらい
◎会場 新宿ポジャンマチャ本店 
〒169-0073 東京都新宿区百人町1-2-3 ベストホテル1F、TEL03-3200-8683
◎会費 1)トークイベント/1,500円(定員:55人)
    2)食事会/3,500円
*トークイベント30人未満の場合は開催できないことがあります。
◎申込み KJハングル講座事務局まで
     「マッコリイベント参加」、お名前、人数、ご連絡先、
     食事会参加の有無を記載し
     Eメール office@kjnavi.co.jp
*締切 6月14日(金)
◎主催 ㈱KJナビゲーションズ、㈱モランボンツーリスト
    http://wwww.kjnavi.co.jp
◎後援 マッコリ協会

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最後はオマケ。

先日、突然自宅に宅配便が届いたと思ったら、
中から大量の「韓さん生マッコリ」が出てきました。

新刊「韓国料理には、ご用心!」の中で紹介したのと、
報告がわりに本を送った、お礼ということだったみたいですね。
冷蔵庫に入りきらないぐらいの量だったので、近場の友人に声をかけ、
発作的な宴会を行うことで、ありがたく消費致しました。

なお、そのとき同梱されていたのが右のノーラベルボトル。
なんと「韓さん生マッコリ」の上澄みだけを集めたものでした。

これはきっと、そのうち販売するということでしょうねぇ。

白ワインのような色合いですが、飲むと韓国の伝統酒風で、
キリッとした爽やかさの中に、米らしさと麹の風味が生きています。
甘味もほどほど。食前酒などにもいいかもしれません。

韓国ではこうした上澄みを、清酒(チョンジュ)と総称し、
もともとマッコリのほうが清酒を作るときの副産物でした。
それが現代では逆転してしまったのは面白いですね。

ここはぜひ商品化をするなら、

「マッコリの上澄み!」

とストレートなネーミングで勝負でして欲しいですね。
日韓における新たなマッコリ文化の提案になると思います。

ということで、以上直近のイベントなどお知らせ。

来週からは10日間と少し長めの韓国出張に出るので、
今週は久しぶりに、超のつくド修羅場となる予定です。
2013.05.27.Mon 15:54 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(7)
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先日、大阪の「ほうば」に足を運んだことで、
なにかスイッチが入ったのか、またも高級店に出かけました。

こちらもやはり、ミシュランで1つ星を獲得。
もうずいぶん前から行こう、行こうとは思いつつ、
なかなか機会に恵まれず、縁のないお店でした。

韓国料理通の友人とふたりで以前から、

「勉強のために高級韓国料理を食べに行こう!」

という会を不定期的に開いており、それでようやく実現。
ただ、この店を予約する直前、「モランボン神宮前」に、

「あいにくその日は予約で埋まっております」

と断られていたのは内緒です。
そちらもいずれ、リベンジに出かけねばなりませんね。

こちら、神楽坂「松の実」は一軒家風の家庭的な店舗。
座敷のイメージでしたが、昨年にリニューアルしたようですね。
全席、椅子席のスタイルに変わっておりました。

料理はコースで決まっており、1人前6800円(税込)。

冒頭の写真が1品目で……。

「白胡麻のお粥」。

ポタージュ風に作る滑らかな舌触りのお粥で胃を刺激します。
このあたりは、定石通りというスタートですね。

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「十二種類の野菜のサラダ」

味付けは韓国風のヤンニョムジャン(薬味ダレ)でした。

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「豚のコラーゲンロール 辛子酢味噌を添えて」

チョッパル(豚足)をオシャレに仕立てたという感じですかね。
左下にはオジンオムチム(裂きイカの和え物)が添えられています。

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「キムチ三種盛り合わせ」

白菜、キュウリ、大根という定番の顔ぶれ。
ショウガを効かせてさっぱりさせたキムチという印象でした。
シンプルですが、手造り感と上品さが感じられます。

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「チャプチェ 韓国春雨の炒め物」

このあたりで気付いたのですが、この店の料理はどれも、
韓国料理の真ん中をゆくオーソドックスなスタイルですね。
薬膳、宮廷といったキーワードをコンセプトに含みつつも、
軸になっているのは、やはり家庭料理なのではないかと。

高級店! とか、ミシュランの1つ星! といった先入観から、
特別な何かを想像しましたが、むしろ基本に忠実なお店との印象。
いわゆる家庭料理店を洗練させた形といえましょう。

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「トッカルビ 牛挽肉のエリンギ巻き」

トッカルビは牛カルビを骨から外し、叩いて味付けをした後、
もう1度骨を戻してから焼く、というのがもっとも基本的な調理法。
その骨をエリンギにしました、というのはシャレていますね。

骨が入っている場合は、知らずにかじりつくと大変なことになりますが、
中がエリンギなので、丸ごとかぶりつけるのは面白いアイデアです。

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「鮪のユッケ」

ユッケ風の味付けに仕立てたマグロの刺身。
ぷちぷち食感のチョンサチェ(海藻春雨)が敷いてあります。

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「蔘鶏湯 サムゲタン」

ネギの甘味を効かせたサムゲタンという感じでした。
煮詰まっていたのか、汁気が少なく、ほとんどお粥風の感じ。
もうちょっとスープの部分も楽しみたかったですね。

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「とうもろこし茶」と「スジョンカのゼリー仕立て」

ぷるぷる食感とともにシナモンの香りを楽しんでいると、
中からドライプルーンが顔を出すという仕掛け。
新しい発見という意味では、これがいちばん印象的でしたね。

そんなデザートを食べてしまったがために思うのですが、
全体にもっとお店ならではの個性が見えてもいいのかなと。
丁寧、繊細、上品といった要素はおそらく充分すぎるほどなので、
せっかくの高級店、アイデアを魅せる部分があってもとは感じました。

まあ、そんなことをついつい考えてしまうのは、
普段から韓国料理ばかりを食べすぎているからですね。

※5月25日追記
写真1点、およびそれに関わる文章3行を削除しました。



店名:松の実
住所:東京都新宿区神楽坂4-2
電話:03-3267-1519
営業:17:30~22:30(月~金)、17:30~22:00(土、祝)
定休:日曜日
2013.05.23.Thu 12:06 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(5)
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今年2月、丸大食品から発売になった「トマトスンドゥブ」。

韓国料理とトマトという、一見意外な組み合わせですが、
食べてみると相性がよく、順調に売れているそうです。

イタリアンをイメージしてチーズなどを入れてもいいですし、
シーフードを加えたり、洋風の野菜を加えてもなかなか。
トマトの酸味をどう活かすかが、アレンジの面白さです。

……というところまでが建前。

この商品、確かにトマト風味で洋風テイストなのですが、
僕が個人的に期待しているのは、まるで別の路線だったりします。
以前にもこちらの記事に書いたのですが……。

丸大食品「トマトスンドゥブ」新発売&推薦文執筆。
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-1484.html

=========================
この商品には、ちょっとユニークな二面性があるんです。

普通に食べれば、スンドゥブにトマトを加えた味なのですが、
酸味と辛味のコラボは、ときに熟成キムチの味に似るんですよね。

しっかり発酵の進んだ、酸っぱいキムチチゲを食べて、
ふとイタリアンの香りを思い出す、あの感覚を逆手にとったもの。
ストレートにトマトスンドゥブとして楽しむのもいいですし、
コアな韓国ファンなら、熟成キムチチゲにも感じられるはずです。
=========================

ええ、これこそが僕のもっとも期待する部分。
身勝手な超理論を展開させて頂くと……。

日本のスーパーではなかなか酸っぱいキムチを買えない。
 ↓
酸っぱいキムチがないので、本格的なキムチチゲを作れない。
 ↓
酸味の効いたトマトスンドゥブで代用しよう!

という感じ。
まあ、鼻で笑う方も多いかもしれませんが……。

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実際に作ってみたのがコレ。

どうですか、けっこうらしい感じに仕上がってません?
絹ごし豆腐でなく、木綿豆腐を使って市販のキムチを投入するだけ。
トマトの酸味が効果的に働き、熟成キムチチゲ風の味になります。

まあ、あくまでも「風」であるのは偽らざる本音ですが、
少なくとも僕が食べた限りでは、いい線いっているんですよ。
ひと口食べて、目を見開いて、

「!」

ってなるほど興奮しているのです。

キムチは本場風の美味しいものを使うのが理想ですが、
逆転の発想で、適当なキムチを水で洗ってリセットしても可。
どころか僕がいろいろ試したところ、

「市販の白菜の浅漬けを洗って塩気を抜いたもの!」

が意外に扱いやすいことも判明しました。
上の写真も、白菜の浅漬けを使って作ったもの。
柚子とか入っていないシンプルなものがオススメです。

で、この熟成キムチチゲ風がうまくいったので……。

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調子に乗って、さらに作ったのがピジチゲ(おからチゲ)風。

洗った白菜の浅漬けに、豚バラ肉、おからを加えてあります。
おからがスープを吸って、どろどろになるぐらいが適量。

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続いて、キムチチム(キムチの蒸し煮)風。

洗った白菜の浅漬けに、サバの水煮缶、木綿豆腐を加えました。
鍋ではなくフライパンで、スープを具にかけまわしながら煮詰める感じ。
白菜の浅漬けは、4分の1カットの株を縦半分に割って使用しました。
根元のあたりは塩気が強いので、しっかり洗うのがコツです。

食べるときは、白菜でサバと豆腐をくるっと巻いてください。

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さらには、キムチバプ(キムチ炊き込みご飯)風。

米3合に対して、トマトスンドゥブ1袋をどぼどぼっと注ぎ、
足りないぶんの水を足して、キムチ、油揚げ、豆モヤシを加えます。
このキムチだけは、白菜の浅漬けでなく、普通のカットキムチ。
炊き込みごはんモードに設定し、あとは炊飯器にお任せです。

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いろいろやりましたが、コレがいちばんうまかったです。
ゴマ油をちょっとかけまわして食べると、悶絶するほどの出来でした。

もう「トマトスンドゥブ」のラベルをかえて、

「キムチ炊き込みご飯の素!」

にしたほうが、いいんじゃないかと思ったぐらい。
その後、シーフードミックスとベーコン入りも試しましたが、
洋風テイストの炊き込みご飯としても美味しかったです。

ということで、いろいろ試した結果、僕は胸を張って……。

「トマトスンドゥブは熟成キムチチゲの素である!」

との理論を主張するのであります。
興味のある人は、騙されたと思って試してみてください。
2013.05.20.Mon 23:34 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(3)
コリアうめーや!!第293号

<ごあいさつ>
5月15日になりました。
ここ数日、暖かいどころか暑い日もあり、
すっかり春から初夏に向かっています。
数日前には今年初の素麺も味わって、
気持ちの上での夏仕度も万全です。
どころか今年はあちこちから頂き物が多く、
韓国の冷やし麺ばかりを食べています。
仕事と役得の境目でなんとも幸せな日々。
満喫しながら、夏を乗り切りたいと思います。
さて、そんな中、今号のテーマですが、
久しぶりに出張ネタから外れてみました。
そろそろ書き飽きたというのが本音ですが、
おそらく読むほうにとっても同じかなと。
少し切り口を変え、ぐっと身近な話題です。
コリアうめーや!!第293号。
ワガママ放題を前置きする、スタートです。


<近所のスーパーにアレがない!!>

先日、近所のスーパーへ買い物に出かけ、
あるたいへん衝撃的な事実に気付いた。

「なんと!」
「なんと!」
「なんとぉっ!」

などとジラす必要はまるでないのだが、
そうでもせねば、僕の衝撃は伝わるまい。

「近所のぉっ!」
「スーパーにはぁっ!」
「韓国ならぁっ!」
「ごく当たり前にあるぅっ!」

「あの食材がぁっ!」
「ないっ!」
「ないっ!」
「ないのだぁぁぁぁっっっ!!」

あー、行数稼ぎ?

という疑問が湧くかもしれない。
だが、僕の衝撃は極めて些細な発見であり、
効果的な前フリなしには伝わりにくいと思われる。
なので、これはあくまでも必要な前置き。

「その食材とはぁぁっっ!」
「とはぁぁ……」

いいや、もう飽きた。

いえね、こないだスーパーに行ったら、
缶詰コーナーにサンマの水煮缶が見当たらなくて。
サバの水煮缶は普通に置かれているんだけど、
サンマは見事なまでに蒲焼きしかない。

「なぜ水煮缶も置かないのかと!」

韓国だったら、ツナ缶やランチョンミートと並び、
サバの水煮缶、サンマの水煮缶は必ずある。

缶詰の定番! という先入観があったため、
日本でもサンマの水煮缶は売っていて当然と思っていた。
だが、近所のスーパー5軒を回ったにもかかわらず、
サンマの水煮缶を置いている店はひとつもない。

もちろんネットで検索すれば作っている会社はある。
店によっては常備しているところもあるだろう。
だが、ウチの近所で気軽に買えないのでは意味がない。

「サンマチゲを作れないじゃないか!」

と僕は憤慨しているのである。


さて、ここでサンマチゲなる単語が出てきた。

韓国語でいうならばコンチチゲが正しい。
コンチがサンマを意味するので、半分直訳でサンマチゲ。
日本の韓国料理店などでもたまに見かける。

この料理はいわゆるキムチチゲの亜種で、
キムチチゲの具としてサンマの水煮を用いたもの。
サンマのかわりにサバの水煮を使ってもよく、
その場合はコドゥンオチゲと名前がかわる。

同様に、

・コンチキムチチゲ(サンマキムチチゲ)
・コドゥンオキムチチゲ(サバキムチチゲ)

という呼び名も一般的だ。

さらにはツナ缶入りのキムチチゲもあり、
チャムチチゲ、チャムチキムチチゲと呼ばれる。

韓国の家庭ではポピュラーなアレンジで、
ごく普通のキムチチゲが、ぐっと豪華に感じられる。
とはいえ、生のサンマ、サバを使ってしまうと、
骨が邪魔になるので、これはあまりよろしくない。

「水煮缶を使うのがいちばん!」

ということなのだが、最近はよく出来たもので、
キムチチゲ用のサバ缶、サンマ缶も発売されている。
キムチチゲと缶詰は切っても切れない関係だ。


ちょっと長くなったが、上記をひとつの例として、
本題はタイトルにもある、

「近所のスーパーにアレがない!!」

という問題を語りたい。

もちろんアレがない、コレがないというのは、
ニーズによるものなので一概にワガママはいえない。
だが、韓国料理を家庭で楽しむために、

「これを置いてくれ!」

という主張はしてもバチは当たらないはずだ。
自宅で快適な韓食ライフを送るためにも、
全国の関係者に向けて要望は出しておきたい。

ということで以下、近所のスーパーに欲しいもの。

とはいえ、現実的でないものは除いてある。
6年物の高麗人参とか、カムジャタン用の豚の背骨とか、
内子(未成熟卵)を抱えたメスのワタリガニとか。

あくまでも常識的な範囲内にとどめたうえで、
ありそうなのにない、という商品に焦点を置いた。

また、

「ウチの近所のスーパーにはあるよ!!

というものもあるかもしれないが、
これは地域性もあるし、単純にゴメンということで。
要は個人的不満を発露したいだけである。

問答無用で、さあいこう。


1、サンマの水煮缶
理由は上記の通り。ここでは割愛。

2、熟成の進んだ酸っぱいキムチ
どのスーパーでもキムチは種類豊富にあるが、
買ってすぐ鍋や炒め物にできる商品がなくて困る。
例えば、賞味期限ギリギリみたいなキムチでもいいので、
少量を用意しておいてくれるとたいへん助かる。

3、水キムチ
白菜以外のキムチが少ないのも不満だが、
それでも大根、キュウリは用意しているところは多い。
個人的に欲しいのは水キムチで、主に冷麺用。
鶏肉の茹で汁などに混ぜ、自前でつるつるやりたい。

4、海苔巻き用のハム
海苔の長さに成形した専用のハムが欲しい。
魚肉ソーセージではイメージした味にならないし、
韓国スーパーで買おうにも、これが意外に高い。
検疫の問題があるので韓国からも買って来られない。

5、青唐辛子
テンジャンチゲに少し刻んで入れたいのに、
たいてい少量の使用なので常備しておくほどでもない。
また、保存も効かないだけに近所でなんとかしたい。
シシトウじゃダメだし、万願寺トウガラシも違う。

6、皮むきニンニク
韓国のスーパーでいつも便利だなと思うのがこれ。
皮をむいた粒状のものや、みじん切りにしたものも買える。
いちいち皮をむいて、フードプロセッサにかける手間を、
できればスーパーで担当してもらえないものか。

7、韓国カボチャ
親戚筋のズッキーニとはやはり似て非なるもの。
チヂミも作りたいし、テンジャンチゲにも入れたい。
エビと一緒に炒めておかずの1品にするのもいい。
どうしても韓国カボチャがダメならシロウリでもいい。

8、エゴマの粉
エゴマの葉も欲しいけど、それより僕の場合は粉。
すりゴマの隣に、エゴマの粉をぜひ常備して欲しい。
辛い鍋料理のコク出し、風味付けに使うほか、
トゥルケタン(エゴマスープ)もよく作る料理。

9、季節外れの梨
韓国料理では秋以外の季節でも年中必要。
プルコギをはじめとした甘味のある薬味ダレは、
すりおろした梨でないとやはり味が違う。
あと、季節外れの栗もごく稀に必要。

10、生マッコリ
流通の難しさは充分承知の上で心からの願い。
冷蔵庫に溜めておけないので、急なお客さんが来たとき、
韓国的なお酒でもてなそうと思っても難しい。
そろそろなんとか。お願いだからどうにか。ね!

以下、次点を兼ねたボツネタ。

・包み野菜各種(焼肉、サムパプなどに使用)
・乾燥ワラビ(ユッケジャンなどに使用)
・料理用の水飴(韓国の水飴はさらっとしている)
・黄身と白身を分けた錦糸卵(飾り用)
・イシモチの干物(個人的に好物なので)
・皮付きの豚バラ肉ブロック(ポッサム用)

まあ、どこまでいってもワガママだよね。


ただ、そんなワガママばかりを貫いて、
文句ばかりいっているのもフェアではないだろう。
最後に、

「近所のスーパーにアレがある!!」

という部分を褒め称えて終わろう。
最近は近所のスーパーにもこんな商品がある。

・韓国料理の素全般
・トッポッキ、トックッ(雑煮)用の餅
・チヂミの粉
・焼肉用のサムジャン(包み味噌)
・柚子茶
・ホットク(お焼き)の粉

さらに、店によっては、

・サムギョプサル用の厚切り豚肉
・チャプチェ用の韓国春雨
・スンドゥブチゲ専用の豆腐

などを用意しているところも。

昨今のスーパーが韓国に向けるアンテナは高い。
僕のワガママが、ワガママでなくなる日は、
意外に近いのではと密かに思っている。


<新刊情報>
韓国料理には、ご用心!
http://www.amazon.co.jp/dp/4883205800/
http://books.rakuten.co.jp/rb/12257440/

<リンク>
ブログ「韓食日記」
http://koriume.blog43.fc2.com/
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FACE BOOK
http://www.facebook.com/kansyokunikki

<八田氏の独り言>
逆に韓国の大型スーパーを見て回ると、
意外に日本の商品が充実していたりします。

コリアうめーや!!第293号
2013年5月15日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com

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2013.05.16.Thu 07:41 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
13051101.jpg

オープンから約3年半。

お客さんの要望に合わせていろいろ料理を追加した結果、
新大久保「美名家」のメニューは現実とずいぶんかけ離れました。

人気料理、看板料理の多くはメニューに載っておらず、
壁の貼り紙を見るか、または店の人にオススメを聞かねば頼めません。
常連客などは、そもそもメニューを見ることすらしません。

「メニュー、なんとかしたほうがいいんじゃない?」

というセリフを何度となく口にしていたところ、
このほどママさんが一念発起、無事リニューアルされました。

真っ赤な表紙に、どどーんと大きく出ているのは、
いちばんの看板料理であるポッサム(茹で豚の葉野菜包み)。

んー、「美名家」らしいメニューが出来ましたねぇ。

13051102.jpg

このメニューの見どころは何よりも写真です。

僕と一緒に、「るるぶ」などの取材をしているカメラマンさんが、
何度も「美名家」に通って、1点ずつ丁寧に撮影しました。
僕も一部、制作にかかわったので裏側を見ていましたが、

「労作!」

という言葉がいちばんよく似合うと思います。
カメラマンさん、デザイナーさんが何度もやり取りを交わし、
ああでもない、こうでもないと、試行錯誤を繰り返していました。

13051103.jpg

全部の料理は載せられないので、どの料理をピックアップするか、
なんていうのも、いろいろ悩ましい問題だったんですよね。

ぜひみなさん、メニューを見るときは背筋をピンと伸ばし、
静かに両手を添えて、1ページ1ページじっくり鑑賞してください。
酔っ払ってビールをこぼしたりしたら、容赦なくゲンコツです。

13051104.jpg

ちなみに僕が担当したのは、料理名などのテキスト起こしと、
扉ページに書かれた、「美名家」からのメッセージ部分。

13051105.jpg

あと、光栄なことに、僕の推薦メニューも載せて頂きました。

もはやメニューなのか、僕の宣伝なのかもわかりませんが、
普段よく食べている4品を、推薦メニューに選びました。
これをみなさんが注文すると、

「価格の●%がリベートとして僕のフトコロに!」

……ということは一切ないのでご安心ください。

そもそもテキスト起こしから、メッセージ部分の執筆、
メニューの推薦など、すべてひっくるめて僕はタダ働きです。
店のママさんを韓国的な意味での「姉(ヌナ)」と呼ぶ以上、
そのあたりはタダ働きが当たり前なんですけどね。

まあ、そのぶん、

「ビール1杯飲んでいきな!」

という役得があったりもするのですが。

13051106.jpg

自動的に出てきたつまみは何故か目玉焼き(醤油)。
ほのぼのとしたイラストが、まかない気分を増幅させます。

13051107.jpg

おすそ分けとして頂いたチゲでごはんを食べて……。

13051108.jpg

まかない用のメロンがデザート。

「ぜんぜん推薦メニューと違うじゃないか!」

という批判はご容赦頂くとして。
まあ、そのぐらい馴染みで通っている店ということです。

メニューのために、わざわざ足を運ぶ必要はないですが、
店に行くなら、ぜひメニューには目を通して欲しいですね。
あと役得の一環として、僕の新刊、

韓国料理には、ご用心!

も「美名家」のレジ前で販売しております。
こちらのほうもぜひ宜しくご贔屓ください。

最後にひとつ訂正のお知らせ。

先日書いた新大久保「くるむ」の記事に2点誤りがありました。
取材で詳しく話を伺ったところ、大きな勘違いに気が付いた次第。
該当箇所を赤字で訂正させて頂きました。申し訳ありません。

新大久保「くるむ」でウサムギョプと15種類の新鮮野菜。
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-1524.html
2013.05.11.Sat 12:25 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(3)
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飲食店の方からお声かけ頂いて、食べに行くことがあれば、
その店の常連さんから、

「1度招待するから食べにきてよ!」

とお誘い頂くこともあります。

「あまり知られていないけど、いい店なんだよ!」
「料理は美味しいし、居心地もいいし、値段も手ごろだし!」
「だからブログでどーんと宣伝してあげてね!」

なんて感じに。

いいお客さんがついているなぁ、と思いつつ、
それもまた取材になるので、喜んでホイホイ行きます。

まあ、それだけ褒める以上、いい店であることが多いですが、
この日足を運んだ店は、またずいぶん気合いが入っていましたね。

冒頭の写真は、ずいぶんボリュームたっぷりな特製ランチ。

人気メニューと、新メニューをいっぺんに試食できるよう、
定食スタイルにしてどーんと出してくれたとのことです。

実際のメニューにはない定食なので、ご注意を。

13050702.jpg

ランチの看板メニューでもあるテンジャンチゲ(味噌チゲ)。

ちょっと甘め、濃厚、具だくさんというあたりを特徴としつつ、
全体の量もかなりあるので、これだけでもごはんがガッツリいけます。

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小皿にはコドゥンオジョリム(サバの煮付け)。
サバもさることながら、一緒に煮た大根に味が染みていましたね。

13050704.jpg

そして、ちょっと珍しかったのがこのチキン。

ヤンニョムチキン(甘辛ソースのフライドチキン)かと思いきや、
ソースの味が、ヤンニョムチキンとはまったく違いました。

なんだろう、と思いつついろいろな料理を連想したのですが、
ポークソテーに絡めるようなケチャップ風味のソースに近い感じ。
あるいはチキンナゲットに使うバーベキューソース……。

ええい、聞いちゃえ。

「すいません、このソースはなんでしょう?」
「東豆川(トンドゥチョン)スタイルのバーベキューソースです!」
「東豆川スタイル!?」

東豆川といえば京畿道の北部にある米軍基地で有名な町。
トッカルビ(叩いた牛カルビ焼き)が有名なのは知っていましたが、
東豆川スタイルのバーベキューソースというのは初耳でした。

まあ、先日も松炭ハンバーガーの話を書いたばかりですが、
基地の周辺では、洋風のアレンジ料理が発達しますもんね。

なんでも、店のママさんは東豆川近くの議政府(ウィジョンブ)出身で、
そのチキンが食べたいあまり、よく東豆川に通っていたのだとか。
今回、新メニューを考えるにあたり、

「よし、じゃああれだ!」

ということでレシピを学んできたのだそうです。
なるほど、そういうエピソードがあるのは面白いですね。

個人的には議政府と聞いたらプデチゲ(ソーセージ鍋)ですが、
それもどうやら材料集めから、試行錯誤中でいらっしゃる様子。
本場と同じに作るには、ソーセージやランチョンミートも、
アレでなければ、という確固たる理想があるそうです。

まあ、メニューを見るとすでにプデチゲもあるんですけどね。
議政府式の、となるとまた話がまったく違うようです。

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こちらも特別メニューのトトリムクムチム(ドングリ寒天のサラダ)。

お店の常連さんが、自家製のトトリムク(ドングリ寒天)と、
自家栽培のサンチュを差し入れ。それを調理してもらったものです。

なので、これもメニューにはありませんので、ご注意を。

って書くと、なんのための記事かわかんないですけどね。
どーんと宣伝したくても、これじゃあまりお役に立たないかも。
まだオープンから1年という新しいお店ではありますが、
意欲的なママさんがいる、という点だけはお伝えしておきましょう。

13050706.jpg

お店の外観はこんな感じ。

田端駅北口を出て、左にずーっと歩くと右手にあります。
繁華街でもないので、基本的には地元の方々に向けたお店。
カウンター席もあるので、ひとりでふらっと食事にも行けます。

13050707.jpg

いつの間にやら、田端も駅ビルが出来て華やかになりましたね。

僕が田端あたりで大衆酒場巡りをしていたのは2007年頃の話。
その頃はまだ、駅ビルもなくひたすらに地味な駅でした。
懐かしさに浸りつつ、思わず撮った写真を最後に載せておきます。

店名:NODAJI
住所:東京都北区田端2-7-27ナリキビル102号
電話:03-5842-1136
営業:11:30~14:00、17:00~24:00(月~金)、11:30~14:00、17:00~23:00(土、祝)、17:00~23:00(日)
定休:なし
2013.05.07.Tue 22:11 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
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佐野師匠の声かけで毎年連休に開催されるツツジの花見。

2009年
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-946.html
2011年
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-1284.html
2012年
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-1380.html

過去記事を見ていただくとよくわかりますが、
毎年、大雨大風にたたられ、とても花見どころじゃありません。
戸山公園に集合し、しばらく意地を見せて頑張るものの、
結局、諦めて近くの「南陽屋」に避難するのが毎年の流れです。

ところが、今年は頼りの「南陽屋」が長期休業中。

これは大変なことになるぞと、参加者一同がおおいに慌て、
何日も前から避難場所に頭を悩ませるという事態でした。

青ざめる参加者一同の心配をよそに……。

13050602.jpg

なんと、今年は真っ青な空を見ることができました。

雨もなく、風もなく、ツツジもしっかり咲いているという、
ごくごく当たり前の花見に、一同が涙を流して喜びました。

いやぁ、奇跡だ。

13050603.jpg

そりゃあ、座も盛り上がって高歌放吟の嵐。

アルコールが入るにつれて、声も自然と大きくなり、
ご近所様に迷惑をかけてしまったのは反省点でありましょう。
例年の雨風はやはり天の意思だったのかもしれません。

まあ、それでも……。

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「南陽屋」のママさんが作るチャジャンミョン(炸醤麺)をすすり。

13050605.jpg

「てじまぅる」GPのオリジナルマッコリを飲み。
なんとも連休らしい、幸せな時間を過ごすことができました。

ちなみに、このオリジナルマッコリ。

5月11日(土)に開催のイベントでも飲むことができます。
ecoてじまぅる8周年&マッコリバーてじまぅる7周年記念イベント。
僭越ながら、僕もパネラーのひとりとして参加致します。

詳細はお店のブログをご確認ください。

「庄内マッコリてじまぅる」を堪能する会のお知らせ♪
http://ameblo.jp/teji-maul/entry-11516345946.html

上記、記事からの抜粋ですが、

*原材料全て山形庄内産!「つや姫」使用!
*水は鳥海山伏流地下水使用
*甘味料無添加
*70%精米の吟醸濁酒!!

という超こだわりのマッコリです。

花見の席でひと足先に飲ませて頂きましたが、
味よし、香りよし、そして後に香る風味もよしという代物。
アルコール度数10%を、ほとんど感じさせない喉のすべりと、
ほんのり甘酒にも似た、甘い香りがなんともたまりません。

マッコリ全体の消費量は日本でも韓国でも右肩下がりですが、
こういった国産マッコリの奮闘は明るい材料のひとつ。

なんて話は……。

下記、新刊「韓国料理には、ご用心!」の第3章にも、
国産マッコリの歴史を含めて、しっかりと詳述しました(宣伝)!


<新刊情報>
韓国料理には、ご用心!
http://www.amazon.co.jp/dp/4883205800/
http://books.rakuten.co.jp/rb/12257440/
2013.05.06.Mon 23:06 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(6)
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僕の肩書きはK・F・C(コリアン・フード・コラムニスト)ですが、
韓国で食べに行くのは、主にロッテリアだったりします。
日本だと朝はマクドナルドで、昼はモスバーガーというのが定番。
連休の中日にふらっと立ち寄ったのも、やはりモスバーガーでした。

注文したのはモス野菜バーガーの菜摘(なつみ)をオニポテセットで。

菜摘というのは、バンズをレタスに切り替えるというオプションで、
僕は初めて食べましたが、5年ぶりの復活ということのようですね。
4月23日から始まり、9月上旬までの予定で販売されるそうです。

13050502.jpg

アップにするとこんな感じ。

レタスの中にハンバーグやトマトがずぼっと埋もれており、
野菜! という主張が前面に出たインパクトの強いビジュアルです。

で、実際に食べてみて思ったこと。

・いざ食べようと思うと、最初はひたすらレタスオンリー
・中央部に達すると、バンズはなくても味はしっかりハンバーガーだ
・野菜の瑞々しさが強調され、後味もすっきりしていて美味しい
・ただバンズがないぶん、あっという間に食べ終えてしまう
・ダイエットにはいいかもしれないけど、正直もう1品欲しい

13050503.jpg

同じく期間限定のイタリアンチキンを頼んでおいて大正解でした。

肉をレタスで包むという工夫から、

「これ、ハンバーグをプルコギに替えたら韓国料理でも出来るな!」
「ちょっとオシャレなカフェ風店舗のランチにいいかも!」
「セットのチキンも韓国風の味付けで、アレコレ、どうのこうの!」

なんて妄想を爆発させる幸せなランチ。
モスバーガーにいても、僕の思考はいつも平常運転です。

MOS BURGER|「モスの菜摘」特設ページ
http://www.mos.co.jp/cp/natsumi/130423/
2013.05.05.Sun 22:00 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(0)
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大久保通り沿いで4月18日にオープンしたばかりの新店。

目立つ場所なので工事中から気になっていたところ、
オープンの知らせをFacebook経由で社長さんから頂きました。

「ぜひ一度ご招待させて頂きたいのですが、いかがでしょうか?」

というなんともありがたいご提案だったので、
韓国料理のプロ総勢4名でホイホイと伺ってきました。
その全員が、

「この店はいいなぁ!」

と口を揃えたことをまずお伝えしておきます。
写真でも伝わるかと思いますが、この店の売りは……。

「15種野菜で包む韓国焼肉」

たくさんの包み野菜を用意して牛、豚、鶏焼肉を味わう、
野菜をコンセプトとした焼肉店ということです。

冒頭の写真にあるお肉はウサムギョプ(牛バラ肉の焼肉)。
カシス果実を使った特製のソースで味付けがなされています。

※5月11日追記
後日、取材をした結果、果実をカシスと聞き違えていました。
下記、もう1点とともに訂正致します。申し訳ありません。


13050102.jpg

これを鉄板でチリチリと焼き……。

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間髪入れず、葉野菜に包んでガブリ。

サンチュ、エゴマの葉、水菜というオーソドックスな面々ですが、
ほかにも名前のよくわからない珍しい野菜がたくさんあります。
メニューの中で図鑑のように紹介されているので、

「えーと、これはなんだろう……」
「デトロイトっていう野菜みたいですね」
「鉄分が豊富で、食べる輸血との別名があるとか」
「へー!」

なんて会話で盛り上がれます。

この手の料理を食べるときに、いつも思うのですが、
野菜の食べ方、使い分けに対するアピールが少ないなと。
どれがどの野菜かを教えてくれるのは非常にありがたいですし、
欲を言うなら、味や香りに関するアナウンスも欲しいですね。

包むのに適した野菜、香りのよい野菜、苦味や酸味を加える野菜。

肉の種類ごとに、どれとどれを組み合わせるとよいのかとか、
そういったオススメがあると、より楽しみの幅が広がります。

往々にしてたくさん野菜があっても、結局は食べ慣れた、
サンチュとエゴマの葉ばっかり消費してしまうんですよね。
気に入ったものがあっても、次のときにはもう忘れているとか。

あとは、野菜の種類もどんどん開拓して欲しいもの。

こうした包み野菜の種類でいくと韓国は確かに種類豊富ですが、
日本も京野菜、加賀野菜など地域ごとの野菜がたくさんあります。
中国野菜、西洋野菜なども、どんどん使っていいと思いますし、
発信の場としても、韓国料理の範疇に留まらない活躍ができそうです。

13050104.jpg

味付け用のカンテンジャン(濃く煮詰めた味噌)も好評でした。

15種類の野菜とメインの肉、6品の副菜とこの味噌がセットで、
1人前1980円(税込2079円)なら、まあ悪くない値段かと。
全部は写っていませんが、僕らが食べた冒頭の写真で2人前です。

13050105.jpg

第2ラウンドはBBQチキンのコチュジャン味。

タッカルビ(鶏肉の鉄板炒め)に近い味かと想像しましたが、
食べてみると、むしろプルタク(激辛のグリルチキン)風でした。
ただプルタクほどの辛さはなく、ほどよい辛さですどね。

13050106.jpg

僕らが食べた以外に、鶏がもう1種と、豚肉が3種。

醤油味のBBQチキンと、サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉)、
コチュジャンサムギョプサル、テジカルビ(豚カルビ焼き)。
しっかりツボを抑えたメニュー構成です。

13050107.jpg

というか、全体的にメニューの組み方が上手ですね。
新店にしてはこなれている、という表現がいいかもしれません。
サイドメニュー、ドリンクメニューなども定番を抑えつつ、
ちょっと気になるメニューをしっかり配置しています。

チヂミなども、自慢とするのは定番のニラチヂミですが、
名前を「涙のニラチヂミ」としたことで気になる度がアップ。
何度も試作を繰り返して、シェフが涙をしたというのが理由ですが、
たった一言でニラチヂミにストーリー性を持たせました。

緑色の鮮やかなチヂミは店のイメージにもよく合いますし、
表面がさっくり仕上がっていて、こだわりの跡がうかがえます。

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食事メニューにスンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋)と……。

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オジンオトッパプ(イカ炒め丼)。
タコ石焼きビビンバ。


ひとしきり胃を落ち着かせたところで、
ここからさらに……。

13050110.jpg

スイーツがどーん、というのも嬉しい部分ですね。

・ゆず茶ロールケーキ
・マッコリロールケーキ
・唐辛子フォンデショコラ

というラインナップ。
以前、僕がどこぞの韓国料理イベントで、

「韓国料理はスイーツが弱い!」

と偉そうに語っていたのを社長が聞いてくれていたとか。
それをしっかり汲み上げて頂き、それこそ僕が涙する思いでした。

この日、食べてきたものはこれで全部ですが、
雰囲気も居心地もよかったので、また個人的にも伺おうかと。
あとはしっかり取材としても足を運ぼうと思っています。

ネット上での反応を見ても、よいスタートを切ったようなので、
この後、どのように成長させていくのかなどぜひ伺ってみたいところ。

新大久保においては充分すぎるほどにいい店ですが、
こうしたスタイルの料理を出すお店がほかにない訳ではありません。
他店との差別化、オリジナリティの模索はもっとあってよいかなとも。

新規店だけに、スタッフの方が慣れるまでもう少しかかるでしょうし、
話を伺った限りでは、レシピにもまだまだ試行錯誤が必要とのこと。
新大久保で頭角を現すのは、もうすぐそこの話だと思いますが、
そのレベルに留まらない、派手な活躍を期待したいところです。

店名:くるむ
住所:東京都新宿区大久保2-32-2林ビル2階
電話:03-3200-6969
営業:11:00~23:00
定休:なし
2013.05.04.Sat 15:20 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(0)
コリアうめーや!!第292号

<ごあいさつ>
5月になりました。
すっかりゴールデンウィークまっただ中で、
メールや電話の少ない日中を過ごしています。
連休といえども、のんびりは休めないフリー稼業。
それでも連休は会社員の方々が一斉に休むので、
原稿仕事に集中できるよさがあります。
ああ、幸せ……ってそんな訳はないですね。
どんなに強がっても心の中は波風ばかり。
せめて人並みに、少しは遊びたいところです。
さて、そんな中、今号のテーマですが、
先の出張ネタから、もうひとつ取り上げます。
いったいなんでそんなものをワザワザ……。
というため息がみなさんから漏れたら大成功。
コリアうめーや!!第292号。
アメリカンな気分で、スタートです。


<松炭が誇るアメリカンなグルメ!!>

韓国の地名などを日本語で表記する場合、
ときに旧字体と新字体の扱いがややこしい。

韓国ではハングルが基本的な表記だが、
もともとは漢字語も多く、漢字表記も併用される。
ただし、それは日本でいう旧字体であるため、
日本人が見るとややいかめしい印象もある。

例えば、地下鉄の駅名表記では、

「市廳(市庁/シチョン)」
「海雲臺(海雲台/ヘウンデ)」
「舊盤浦(旧盤浦/クバンポ)」

といった感じである。
個人的にはこういった密度の濃い漢字が好きで、
思わず何画の漢字なのか確認したくなる。

これは僕の出身大学が東京学芸大学で、
正門に掲げられた、

「東京學藝大學」

という看板を日々見ていたのもあるだろう。

ただ、こうした表記が原稿の中に混ざってくると、
これは校正上、ひとつひとつ直さねばならない。
同じ本の中に「市庁」と「市廳」の両方があった場合、
違う駅かと誤解される危険性があるからだ。

なお、僕が原稿を書く場合は固有名詞を除き、
基本的にすべて新字のほうを使うことにしている。
唯一の例外が「竜」を「龍」とすること。

「龍山(竜山/ヨンサン)」
「龍仁(竜仁/ヨンイン)」
「鶏龍(鶏竜/ケリョン)」

といった感じである。
いろいろ理由はあるのだが、最終的には自分の好み。
原稿によっては「竜」とする場合もある。

だが、最近になって。

その「龍」以外にもうひとつ増やそうか、
例外について真剣に悩む事案があった。

問題となったのは京畿道のピョンテクという地名。

僕の中ではずっと「平澤」だったのだが、
よくよく考えると「澤」は「沢」の旧字である。
ならば、ここは「平沢」と改めるべきだが、
なんというかこの……。

押し寄せる「ひらさわ」感!

どうも「平沢」表記は違和感があるのだった。
いや、僕の勝手な思い込みだけどね。


まあ、いたずらに例外を増やすのもなんなので、
とりあえず平沢は脇に置いて話を進める。

というのも、ここで本題としたいのは、
平沢市内の松炭(ソンタン)というエリア。

一見して、松の炭焼きで栄えた町にも見えるが、
松荘、炭ヒョンという2つの地名からとったものだ。
(※炭ヒョンのヒョンは山へんに見)

1981年には松炭邑から松炭市として昇格し、
その後、1995年に平沢市へと統合されている。

現在は駅名として松炭駅が残っているものの、
住所としては新場洞(シンジャンドン)一帯を指す。
ソウル駅から地下鉄で1時間30分程の距離だ。

この松炭を象徴するひとつの単語が、米軍基地。

市内に「烏山(オサン)空軍基地」があり、
その歴史は朝鮮戦争中の1951年からと古い。

基地の周辺には英語の看板が折り重なっていて、
米軍関係者とおぼしきアメリカ人を多く見かける。
ちょうど基地の正門前は、

「新場(シンジャン)ショッピングモール」

と呼ばれる商店街となっているが、
歩いてみると、地方の小都市とは思えない異国感。
ソウルの梨泰院(イテウォン)に近いといえば、
だいたいの雰囲気が伝わるだろうか。


その松炭で、ぜひとも食べたかったのが、
米軍基地の前に店がある名物のハンバーガーだ。

わざわざ韓国まで行って食べなくても、
と思われるかもしれないが、これも地元の味。
韓国の佐世保バーガーとでも思って欲しい。

また、ハンバーガーといえども韓国らしいことに、
基地の前で2軒の店が元祖争いをしている。

一応、創業店とされているのが……。

「Miss Leeハンバーガー」

で、1982年にリヤカー屋台としてスタート。
そして、その創業者が辞めるときにレシピを習い、
屋台を引き継いだとされているのが……。

「Miss JINハンバーガー」

である。

その後、両者が別々に店舗を構えたことで、
よく似た名前の店がすぐ近くで営業することになった。
そんな光景がハンバーガー店でも韓国らしい。

なお、創業時の韓国ではまだファストフードが珍しく、
ロッテリアが1979年に1号店を出したばかり。
地方の小都市では気軽に食べられるものではなかった。

ちなみに他のファストフード店も……。

・バーガーキング(1984年)
・ケンタッキーフライドチキン(1984年)
・マクドナルド(1988年)

と、1982年の段階ではお目見えしていない。

そこで創業者のミス李……。

あ、そうそう、店名は「ミス李」となっているが、
実際の創業者は「ミセス郭」であるらしい。
郭(クァク)という発音がアメリカ人には難しいので、

「じゃあ、ミス李でいいや」

ということになったのだとか。
このへんのユルさも韓国らしい部分だろう。

ともかく、そのミス李ことミセス郭が、
試行錯誤のうえ、自家製のハンバーガーを作って販売。
故郷の味を懐かしむ、米軍関係者から好評を得て、
いつしか地域の名物になったという訳である。


実際にその「Miss Leeハンバーガー」で、
オリジナルバーガー(チーズバーガー)を頼んでみた。

カウンターで注文し、バーガーを受け取るスタイル。
ドリンクのみ、脇の冷蔵庫から自分で取る形だが、
よくあるファストフードの形態そのままといえよう。

ほどなく注文したオリジナルバーガーが登場し、
カウンター前の座席でガブッと頬張った。

「むぅ、なかなかボリュームのある食べ応え!」

ハンバーグ、スライスチーズ、目玉焼きに、
千切りキャベツとスライスタマネギがどっさり入る。
マスタードとケチャップが味付けのベースとなり、
アクセントのピクルスが途中で顔を見せる。

いかにも正統派のハンバーガーにも思えるが、
食べていくと、不思議とひとつのことに気付く。
この目玉焼きの入ったバーガーは……。

「どことなく韓国式のトーストに似ていないか!?」

そう、屋台などで販売されるアレ。
焼いた食パンに、ハム、チーズ、卵焼き、野菜。

気付いてみれば、具の組み合わせはほぼ共通。
おそらくメインのハンバーグにあまり存在感がなく、
サイドの具が、前面に出ているからだろう。

なるほど、韓国式トーストの亜流と考えれば、
ハンバーガーも韓国料理の範疇に思える。

その後、「Miss JINハンバーガー」もハシゴしたが、
味、スタイル、食べての感想はほぼ同じだった。


さて、ここからまとめである。
僕はここまで文中でさりげなく(あからさまに)、

「韓国らしい!」

という点を強調してきた。
ハンバーガーという完全に西洋の料理であるが、
その背景には韓国らしさが詰まっている。

「だからこれは松炭の郷土料理なのだ!」

という落とし所を目指したものだ。
だいぶ強引な力技だが、その無理やりな着地から、
どうせなら話をもう1歩進め、

「京畿道らしい!」

という部分もアピールしたいと思う。

そもそも京畿道は首都ソウルを囲む地域であり、
広域市の仁川(インチョン)を含め、玄関口の役割を担う。
往々にして、こうした玄関口の地域は文化の入口であり、
異文化との衝突、融合が日常として根付いている。

うんうん、うむうむ。

先の「韓国らしい」理論よりもっとウルトラCだが、
異文化との融合は「京畿道らしい」特徴のひとつ。
例えば、他地域にはこんな事例がある。

・仁川の中華料理(中国文化との融合)
・議政府(ウィジョンブ)のプデチゲ(米国文化との融合)
・安山(アンサン)の多文化料理(各国文化との融合)

仁川には国内最大の中華街があって料理も多彩。
議政府は米軍基地から流出したソーセージなどの缶詰肉を、
韓国式の鍋料理に仕立ててプデチゲを生んだ。

最後の安山だけ少しマイナーだが、
市内の元谷洞(ウォンゴクトン)に約2万人の外国人が居住。
東南アジア、中央アジア諸国を出身とする人が多く、
それぞれの国の料理が地元の名物となっている。

この超理論になぞらえれば、

「松炭のハンバーガーはまさに京畿道料理だ!」

という結論に達する。
あきれ顔の読者を尻目に……。

高笑いで幕。


<店舗情報>
店名:Miss Leeハンバーガー
住所:京畿道平沢市新場2洞298-88
電話:031-667-7171

店名:Miss JINハンバーガー
住所:京畿道平沢市新場洞302-94
電話:031-667-0656


<お知らせ>
3月21日(木)に新刊が発売になりました。

タイトルは「韓国料理には、ご用心!」。
版元は三五館、定価は1260円(税込)。

ここ10年ほどの日本における韓国料理事情を、
ギュッとまとめて整理をしたという内容です。
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-1503.html

<リンク>
ブログ「韓食日記」
http://koriume.blog43.fc2.com/
Twitter
http://twitter.com/kansyoku_nikki
FACE BOOK
http://www.facebook.com/kansyokunikki

<八田氏の独り言>
松炭はプデチゲ、チャンポンでも有名な町。
そこにも異文化との融合が色濃く見えています。

コリアうめーや!!第292号
2013年5月1日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com

メールマガジン購読・解除用ページ
http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=000669
2013.05.01.Wed 23:45 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(8)






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八田 靖史(八田氏@K・F・C)
美味しい韓国料理を探す毎日。コリアうめーや!!管理人。コリアン・フード・コラムニスト。ブログは2005年12月開設。
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