FC2Blog | RSS1.0 | ログイン | 投稿 

韓食日記

日々食べている韓国料理の記録です。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | trackback(-) | comment(-)
コリアうめーや!!第269号

<ごあいさつ>
5月15日になりました。
連休という、仕事三昧の日々が終わり、
平日という、仕事三昧の日々を過ごしています。
忙しいのはよいことなんですけどね。
バタバタしすぎて、仕事をおろそかにしないよう、
日々、集中して頑張りたいと思います。
なーんて、殊勝なことを書いてみたりして。
さて、そんな中、今号のテーマですが、
前号に引き続き、潭陽を舞台とします。
個性的なタケノコ料理も大きな魅力ですが、
その前に潭陽といえば、やっぱりコレ。
個人的にも念願かなった体験となりました。
コリアうめーや!!第269号。
まずはランキングから、スタートです。


<潭陽で味わう老舗のトッカルビ!!>

仕事をしていてどうにも行き詰まり、
無関係な作業に没頭してしまうことはよくある。
デスクまわりの整理整頓なんかはまさにそうだが、
僕の場合は、細かなデータ作成が多い。

エクセルを開いて、セコセコと情報をまとめ、
ひとり悦に入るというのは何よりの逃避。

いつの間にやら膨大な労力を傾けてしまい、
妙な達成感とは裏腹に、ずっしりと疲労が積もる。
その時点で、ようやく我に返り、

「仕事がまるで進んでいない!」

という無慈悲な現実に引き戻される。
呆然とする中、それでも締切は厳然と存在し、
結局は泣きながら仕事に立ち向かう。

とはいえ、そんなデータも無駄にはならない。

目の前の仕事とは無関係であっても、
長い目で見れば、どこかの局面では役立つのだ。
例えば、先ほどまで作っていたデータは、
このメルマガにも有効活用できる。

<自分が行った韓国の老舗ベスト20>
01位、1890年?:平山屋(釜山)
02位、1902年:里門ソルロンタン(ソウル)
03位、1909年:申食堂(潭陽)
04位、1910年:ハヤンチプ(羅州)
05位、1927年:咸陽チプ(蔚山)
06位、1929年:天鳳食堂(晋州)
07位、1930年?:東莱ハルメパジョン(釜山)
08位、1932年:湧金屋(ソウル)
09位、1937年:清進屋(ソウル)
10位、1939年:河東館(ソウル)
11位、1939年:皇南パン(慶州)
12位、1942年:迎春屋(ソウル)
13位、1945年:イソンダン(群山)
14位、1946年:クギルタロクッパプ(大邱)
15位、1946年:又来屋(ソウル)
16位、1948年:安東荘(ソウル)
17位、1949年:麻浦屋(ソウル)
18位、1949年?:チュンドンホットク(群山)
19位、1950年:平来屋(ソウル)
20位、1950年:ヨルチャチプ(ソウル)

ひとつ注意しなければいけないのが、
これはあくまでも、僕が行った店のベスト20。
韓国全土の老舗ランキングではない。

また、韓国の店は創業年度は俗説も多く、
店側が公式に名乗っているのか不明なものも多い。

特に1位の「平山屋」は1890年となっているが、
店側からの情報発信は見つけられなかった。
ネットで検索をすると、100年以上という記述が多く、
それが果たしてどこまで正確なのかはわからない。

個人的にも韓国でいちばん古い飲食店は、
1902年創業の「里門ソルロンタン」と聞いていた。
いずれ機会があれば「平山屋」で確認したい。


そもそもなぜこんなランキングを作ったかというと、
3位に入っている「申食堂」がきっかけだった。

昨年の12月に訪れた全羅南道潭陽郡の老舗。
前号でも、潭陽のタケノコ料理をテーマにしたが、
潭陽といえばほかにも有名な料理がある。

それが個人的にも大好物のトッカルビ。

上質の牛カルビをいったん叩いてから味付けし、
食感を柔らかくした焼肉のことである。

料理の詳細については後で語るとして、
この料理の専門店である「申食堂」の歴史がすごい。
創業1909年というと……。

「なんと、103年前!」

日本であればそこまで珍しい話でもないが、
韓国において100年オーバーは相当に希少。
大韓民国なんて、当然のごとく成立していないし、
まして、日本統治期でもなく……。

「大韓帝国時代の末期にオープン!」

という店が潭陽にあるというのは驚きだ。
そんなところから、韓国の老舗情報を調べ始め、
いつしか自分自身のランキングに至った。

仕事は進まなかったが、楽しい作業であり、
今後はこれを塗り替える店探しを楽しみたいと思う。

そして、ここからは余談だが、ついでに気になったので、
「日本最古の飲食店」で検索で調べてみた。
出てきたのは、京都市の「一文字屋和助」という甘味店。
西暦1000(長保2)年創業とケタが違う。

平安時代の後期にオープン!

と思うと、韓国の1909年が軽く見えるので、
これはスパッと忘れて潭陽の話へと戻る。


「申食堂」で出迎えてくれたのは、
4代目の若女将であった(3代目も健在)。
この老舗に嫁いで10年目とのこと。

最近でこそ、実の娘が後を継ぐことも増えてきたが、
たいてい店の秘伝は、嫁から嫁へと受け継がれる。
幼い頃から、商売の現場を見ている訳ではないので、
大変だろうなと、取材しながらもたびたび思う。

4代目の若女将は店の歴史から語ってくれた。

「初代が店を始めた頃は市場での商いでした」
「当時はチュオタン(ドジョウ汁)などがメインで……」
「トッカルビは特別なお客さんにだけ出したそうです」
「当時の牛肉といえばとても高価ですからね」

「その後も、汁物やビビンバなどを扱いつつ……」
「トッカルビ専門にしたのは90年代頃です」
「いまの3代目が専門店にしました」

こうした話はどこの老舗でもほぼ共通する。

市場で商売を始めた初代が、店を構えて家業とし、
それを代々続ける間に、やがて国民所得が上昇。
観光需要も増えて、地方の郷土料理が評価されるようになり、
土地ごとの老舗が「元祖」として全国に名を轟かせる。

また、店の自慢はもちろん歴史だけではない。

「ウチは全羅南道産の韓牛だけを使います」
「醤油、味噌、コチュジャン、キムチはすべて自家製」
「お客様に料理のことを知ってもらうために……」
「肉をカットするところは公開しています」

肉を切り分ける姿は、いい宣伝にもなるようだ。
残念ながら、その日の仕込み作業は終了していたので、
かわりに炭火で焼くところを見せてもらった。


作業を見学しつつ、さらに話を伺う。

「骨から外したカルビは叩いて餅型にします」
「その姿からトッ(餅)カルビと名付けられたそうです」
「餅のように柔らかいという意味もありますね」

「叩いた後に味付けをする店もありますが」
「ウチでは焼きながらタレを塗っていきます」
「自家製の醤油をベースに香味野菜や果物を加え……」
「じっくり1週間熟成させたものを使います」

焼き網はパタンと畳んで全体を返せるもの。
それに12個のかたまりを載せ、タレを塗りながら、
ときおり肉を入れ替えて、熱の通りを均一にする。
簡単そうに見えても、奥の深い技術だろう。

やがて醤油の焦げる香りが立ち上り、
ムラなく焼き目がついたら出来上がり。

「じゃあ、食べて行ってください」

という若女将の言葉に、
ありがたくいそいそと座席に戻る。


目の前に運ばれてきたトッカルビは、
表面を見ると、ぷちぷちと脂が弾けていた。
宮中料理店などで見かけるトッカルビに比べ、
サイズがだいぶ大きく迫力に満ちている。

餅のように柔らかく、という紹介よりも、
むしろストレートに、

「肉塊!」

のほうがしっかりくる。
郷土料理ならではのどっしり感が嬉しい。

期待を胸に、大口を開けてかじりつくと、
たっぷりの肉汁がぴゅんぴゅんと流れ込んできた。
タレの甘味はほんのりで、むしろ控えめな印象。
より強く感じるのは、肉そのものの味である。

そして、食感がなんとも肉々しい。

ハンバーグのような柔らかい食感ではなく、
ギュッと噛みしめて味わうステーキのような感覚。
完全に叩かず、肉としての粗さを残しているため、
噛むごとににじみ出る、肉の旨味を楽しめる。

「トッカルビとはこんなにも骨太な料理だったか!」

久しぶりに郷土料理で目からウロコが落ちた。


「いかがですか?」

若女将の問いに満面の笑顔で親指を立てる。
お世辞抜きで、なんとも幸せな食事であった。

ちなみに、トッカルビを食べた後のシメは、
チャンチグクス(温麺)が定番であるとのこと。
そちらも美味しく頂いたところで、さらにもうひとつ、
衝撃の情報が若女将から告げられた。

「ウチはカルビタン(牛カルビスープ)も人気なんですよ」

なるほど、これだけ旨いトッカルビがあるなら、
当然、その周辺部位で作ったカルビタンもうまかろう。
せっかくなので、それもと思ったが、
残念なことに、1日4~50杯限定で売り切れ御免。

「ランチ開始から30分でなくなることもあります」

とのことなので、昼にまた行かねばなるまい。

無念ではあるものの、宿題を残してこそ、
また足を運ぶための強い動機になるというもの。
これだけ魅力的な食模様がある土地だけに、
潭陽はまたぜひとも訪れたいと思う。

潭陽までは光州からバスで40分ほど。

美しい竹林や、竹細工、タケノコ料理も含め、
足を伸ばして絶対損のない町と、強くおすすめしたい。

<店舗情報>
店名:申食堂
住所:全羅南道潭陽郡潭陽邑潭州里68
電話:061-382-9901

<リンク>
ブログ「韓食日記」
http://koriume.blog43.fc2.com/
Twitter
http://twitter.com/kansyoku_nikki
FACE BOOK
http://www.facebook.com/kansyokunikki

<八田氏の独り言>
潭陽からさらに淳昌までもバスで30分。
このあたりは効率的に美食巡りができます。

コリアうめーや!!第269号
2012年5月15日
発行人 八田 靖史
hachimax@hotmail.com

メールマガジン購読・解除用ページ
http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=000669
2012.05.18.Fri 23:02 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(2)
<< 2017.10 >>
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
ENTRIES
CATEGORY
ARCHIVES
2014年03月(1)
2014年02月(18)
2014年01月(30)
2013年12月(36)
2013年11月(13)
2013年10月(24)
2013年09月(29)
2013年08月(18)
2013年07月(26)
2013年06月(8)
2013年05月(11)
2013年04月(8)
2013年03月(16)
2013年02月(18)
2013年01月(12)
2012年12月(8)
2012年11月(11)
2012年10月(11)
2012年09月(13)
2012年08月(7)
2012年07月(12)
2012年06月(16)
2012年05月(12)
2012年04月(10)
2012年03月(6)
2012年02月(9)
2012年01月(8)
2011年12月(13)
2011年11月(5)
2011年10月(7)
2011年09月(9)
2011年08月(4)
2011年07月(11)
2011年06月(4)
2011年05月(8)
2011年04月(18)
2011年03月(13)
2011年02月(10)
2011年01月(14)
2010年12月(9)
2010年11月(7)
2010年10月(24)
2010年09月(24)
2010年08月(15)
2010年07月(12)
2010年06月(6)
2010年05月(8)
2010年04月(7)
2010年03月(12)
2010年02月(13)
2010年01月(13)
2009年12月(9)
2009年11月(19)
2009年10月(30)
2009年09月(14)
2009年08月(20)
2009年07月(5)
2009年06月(15)
2009年05月(21)
2009年04月(20)
2009年03月(23)
2009年02月(24)
2009年01月(30)
2008年12月(4)
2008年11月(15)
2008年10月(15)
2008年09月(15)
2008年08月(16)
2008年07月(21)
2008年06月(24)
2008年05月(13)
2008年04月(9)
2008年03月(18)
2008年02月(27)
2008年01月(15)
2007年12月(19)
2007年11月(25)
2007年10月(5)
2007年09月(16)
2007年08月(13)
2007年07月(24)
2007年06月(31)
2007年05月(35)
2007年04月(28)
2007年03月(29)
2007年02月(27)
2007年01月(28)
2006年12月(18)
2006年11月(33)
2006年10月(29)
2006年09月(36)
2006年08月(31)
2006年07月(31)
2006年06月(32)
2006年05月(31)
2006年04月(35)
2006年03月(27)
2006年02月(25)
2006年01月(19)
2005年12月(20)
COMMENTS
TRACKBACKS
LINKS
PROFILE

八田 靖史(八田氏@K・F・C)
美味しい韓国料理を探す毎日。コリアうめーや!!管理人。コリアン・フード・コラムニスト。ブログは2005年12月開設。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。