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韓食日記

日々食べている韓国料理の記録です。
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12110201.jpg

明日からいよいよ江原道ツアーに出かける訳ですが、
その前に、これだけは書いておかねばなりません。

先月、東京の青山でオープンした「タッカンマリ×2」。

店名の通り、タッカンマリ(鶏1羽鍋)の専門店です。
後ろに「×2」がついているのは、

「タッカンマリ・タッカンマリ」

というのが正式な店名だからだそうですね。
青山でオープンというあたりが、だいぶオシャレですが、
もともとここは「東京純豆腐青山店」があったところ。

「え、東京純豆腐がなくなったの!?」

という訳ではなく、この「タッカンマリ×2」自体が、
「東京純豆腐」プロデュースという、要は新業態店舗なのです。
1号店である青山店を切り替えてタッカンマリに臨むあたり、
このお店への、気合いの入り方が窺えますよね。

メディア向けの試食会に声をかけて頂いたので、
早速、大喜びで足を運んでまいりました。

で、まずビジュアルに驚いたのが……。

12110202.jpg

ここです、ここ!

丸鶏の背中にジャガイモを刺すのは定番スタイルですが、
そのジャガイモをハート形にカットしているじゃありませんか。

「翼をイメージしました」

という店員さんのセリフに、

「そう、こういうのが見たかったんですよ!」

と鼻息がいきなり荒くなりました。

2006年4月の「東京純豆腐青山店」オープン以来、
斬新なスンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋)を次々に発表したお店。
ならば、タッカンマリにも必ずや新しい息吹をもたらしてくれるだろうと、
期待を膨らませていたところに、この先制パンチです。

12110203.jpg

最初から鍋に入っている、ネギとジャガイモに加え、
ニラと、餅、ニンニクまではレギュラーでついてきます。

そのほかトッピングが充実しており、野菜やキノコ、
手羽、もも肉に加え、ナンコツつくねという選択肢もありました。
このあたりにも、新しい要素が見え隠れしていますね。

12110204.jpg

その一方で、押さえるところは押さえてあります。

丸鶏をそのまま水炊きにする、というシンプルな調理法の中、
タッカンマリが、タッカンマリたる必要条件のひとつがつけダレ。

・醤油
・酢
・カラシ
・タデギ(唐辛子ペースト)

の4種類が揃っていない店は、よほどの主張がない限り、

「タッカンマリってどんな料理か知ってる?」

という疑念を客側に抱かせてしまいます。
卓上にこの4種が、きちんと揃っているのを見て、
うんうんと頷くとともに、少しホッとしたのは本音です。

12110205.jpg

4種の調味料をいかに使うかの解説も完璧。
こういう細かな心配りは、日本のお店ならではですね。

12110206.jpg

指示通りにきちんと混ぜ合わせたところで……。

12110207.jpg

おちょこ登場。

博多の水炊きからヒントを得たこのスタイルは、
すでに日本の各タッカンマリ店で定番となりつつあります。

「まずスープの旨さを楽しんでください!」

というサービスですね。

ちなみに鶏は岩手県産の生を使っているとのこと。
外国産ではなく、冷凍でもない、という点にこだわるようです。

12110208.jpg

ほどよいタイミングで店員さんがハサミでカット。

12110209.jpg

その後、餅とニラをこのタイミングで入れて……。

12110210.jpg

砂時計登場!

5分計をひっくり返し、10分煮込んでくださいとのことです。
このあたりも日本的なスタイルといっていいでしょうね。

……と感心したところで、ふと思ったこと。

12110211.jpg

10分って、ずいぶん長くないですか?

もうぐっつぐつに煮立てて、ぐらぐらに沸き立って、
充分煮えているのではと思いましたが……。

「白湯(パイタン)仕上げにする!」

というのが、さらなるこだわりでした。
ちなみにその一方で、

「ニンニクは鍋に入れないでください!」

というこだわりも。

韓国だったら、鍋が出てきた瞬間からニンニクを入れ、
人によっては白菜キムチもざんざか投入するところですけどね。

鶏とスープを味わって欲しい、というコンセプトから、
ニンニクは鶏を味わった後に好みで少量足す程度。
白菜キムチも最初から提供はしない、との説明でした。

このあたりも、本場と違う! といわれがちな要素ですが、
しっかりした意図と、説明があったのは好印象でした。

12110212.jpg

煮上がるまで、少々時間はかかりましたが、
鶏肉とこのタレの味わいは、まさしくタッカンマリ。
時間をかけて煮ることで、肉の旨味が飛ぶのを心配しましたが、
食べてみた限り、それが気になることはありませんでした。

翼のジャガイモはぐずぐずになっちゃいましたけどね。
それが悲しい方は、ほどよいタイミングでの救出をすすめます。

12110213.jpg

鶏肉を食べた後はカルグクス……というかウドンに近いですね。
麺はもう少し試行錯誤するような話もありました。

12110214.jpg

スープがちょっと煮詰り気味でしたが、麺との絡みは抜群。

そしてまた、煮崩れたジャガイモが意外に美味しかったので、
翼を救出できなかった人は、それはそれでよいのかもしれません。

ただし、このウドンでお腹を満たしてはならず……。

12110215.jpg

この雑炊セットまで到達することが推奨されます。
ごはんと海苔、溶き卵を加えて煮立て……。

12110216.jpg

出来上がりに極細切りのチーズ!

そして、ゴマ油もひとたらしすることで、
こってりと濃厚仕上げの雑炊を楽しむことができます。
このチーズとの相性がまたよかったですね。

「最初はそのままで、次にチーズを足して、最後はゴマ油と!」

なんて、ひつまぶしのような食べ方の提案もあり、
そのあたりにも、新しいことをしようとの気概が見えました。
鶏肉から、ウドン、雑炊までの流れは大満足です。

個人的な感想としても、要点をしっかり抑えながら、
実にうまいところで新しい要素を盛り込んだな、という印象。

タッカンマリっていう料理は本当に難しいんですよね。

もともとがソウルの東大門で1970年代に誕生し、
歴史が新しいうえ、狭いエリアでのみやたらと発達した料理。
韓国でもしばらく前までは、知らない人が多かったため、
料理の持つ「幅」というのが、極端に狭いんです。

日本人にとっても、タッカンマリはすべて「東大門のアレ」なので、
そこから逸脱する工夫は、ほとんどが邪道扱いされます。

もちろんそれを否定するつもりはまったくありませんし、
むしろ僕のほうが、率先して邪道扱いしている面もあります。

ただここ数年で、ようやく日本でもタッカンマリの認知度が高まり、
「東大門のアレ」的な方向性を明確にする店も増えてきました。
そんな状況下で、「東京純豆腐」プロデュースというのは……。

「絶好のタイミングで、絶好の店が進出!」

ということではないかなと。

まあ、ほとんどの人が褒めすぎと感じるかもしれませんが、
僕にとっては、タッカンマリの未来が大きくこじ開けられた思いです。
この後も反応を見ながら、さらに工夫を加えるでしょうから、
その未来にも、まだまだ無限の可能性が広がっているでしょうしね。

タッカンマリが好きな方はぜひ行ってみてください。

「こんなのタッカンマリじゃない!」と思うか、
「こういうタッカンマリもアリなのか!」と思うか。

たぶん、すべて織り込み済みなのが、この店のスゴイところです。


店名:タッカンマリ×2
住所:東京都港区北青山3-12-1 O24ビルB1F
電話:03-5766-1121
営業:11:30~15:30、17:30~23:00(月~土)、12:00~15:30、17:00~22:00(日・祝)
定休:なし
http://www.facebook.com/dakhanmari2
2012.11.02.Fri 22:37 | 韓食日記 | trackback(0) | comment(4)
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八田 靖史(八田氏@K・F・C)
美味しい韓国料理を探す毎日。コリアうめーや!!管理人。コリアン・フード・コラムニスト。ブログは2005年12月開設。
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