
10月6日は秋夕(チュソク)でした。
旧暦の8月15日に当たり、韓国ではご先祖様をお祀りする祭日。
その年にとれた新米で餅を作り、たくさんのご馳走とともにお供えします。
そんな秋夕ならではの料理を作ったのでいらっしゃいませんかと、
新大久保「韓流」の金社長からお誘いを受けました。
大雨が降る嵐の一夜でしたが、秋夕料理とあってはそれも関係なし。
秋夕ならではという珍しいご馳走を堪能して参りました。
到着してまず生ビールを頼み、参加者が揃うのを待っていたところへ、
いきなりドンドンドンと並べられたのが冒頭の写真ほか3皿。
普段であればキムチやナムルなどの小皿が出てくるところですが、
その代わりとして豪華な秋夕料理がずらずらと並びました。
冒頭の写真は秋夕料理には欠かせないジョンの盛り合わせ。
野菜や白身魚などを粉、溶き卵につけて焼いたものです。
全部で7、8種類くらいのジョンがあったかと思います。
白身魚、串焼き、ハム、貝柱などなど、種類豊富で楽しめました。

こちらが特に好評でしたね。各種ナムルの盛り合わせです。
しかも普通のナムルではなく、韓国から取り寄せた特別な山菜ばかり。
左からチュィナムル(シラヤマギク)、トラジ(キキョウの根)、
コサリ(ワラビ)、乾燥ホバク(カボチャの未熟果)という4種類。
いずれもめったに食べられない特別なナムルばかりです。
特にトラジなんかは韓国でもかなりの高級食材です。
ゴボウを柔らかくしたような歯触りですが、土臭さがなくみずみずしい味。
あまりに美味しかったのでおかわりまでして食べてしまいました。

こちらも秋夕には欠かせない祝いの餅。手前にあるのがソンピョンです。
漢字では「松餅」と書いて、松葉とともに蒸しあげるのが名前の由来。
古来より松葉は病気の鬼神を追い払う、特別な力があるとされています。
その奥は豆を混ぜ混んだ餅。コンチャルトクと呼ばれる餅ですかね。
これまたこうした祝いの席の餅としてはよく見かける種類のひとつです。

最後はチャプチェ(春雨炒め)。これも祭祀料理には欠かせません。
こうした4種類にキムチ2皿を加え、スタートから超豪勢な食卓に。
「大雨の中わざわざ来てよかった!」
と心から思った瞬間です。

秋夕料理だけでも、充分お酒が飲めそうなくらいですが、
さすがにそれでは申し訳ないので、レギュラーメニューも注文。
看板メニューのひとつ、キムチカルビチムを頼んでみました。
写真で切っているのが大きなテジカルビ(豚カルビ)。
焼肉に使うような大きな塊がそのまま入っており、
火にかけた状態から、食べやすい大きさにカットしてくれます。

こちらは縦4分の1カットサイズの大きな白菜キムチ。
これも丸ごと入っており、テジカルビ同様食べやすい大きさにカット。
この大きい状態で出して、目の前で切るというのがいいですね。
韓国らしさを充分に感じられるパフォーマンスです。
キムチカルビチムという料理を韓国で聞いたことはないですが、
キムチチムという古漬けキムチと豚肉の塊を煮た料理があります。
そのテジカルビ使用バージョンというアレンジメニューでしょうか。
食べた感じでは具の豪華なキムチチゲという雰囲気でもあります。
白菜キムチがしっかりと発酵しているのがいいですね。
キムチの酸味と、コチュカル(粉唐辛子)の乾いた辛さが絶妙。
先日書いた、コチュジャン系の甘いキムチチゲとは対照的です。
あれはあれで好きなのですが、キムチチゲとしてはこちらが王道。
さっぱりとした辛さを楽しみたいときはこうした味付けがよさそうです。
と言っても料理名はあくまでもキムチカルビチムなんですけどね。
こういうところで余計なことを書くと店には迷惑でしょうが、
これおそらくオギョプサル(豚バラ肉)で作ってもむちゃくちゃうまいかと。
肉厚の豚肉から脂がパチンと弾け、それを古漬けキムチの酸味が包み込む。
相乗効果によって冷えた焼酎がグビグビに進み……っていかんいかん。
ちょっと妄想が走って勝手なことを申しました。

シメはやっぱりごはん。残った汁に投入し、炒めて頂きました。
それを見ていた社長さんが、
「ごはんには汁物がなければでしょう」
とミヨックク(ワカメスープ)を出してくれたのには感激。
こういう細やかなサービスは非常に嬉しいです。
というわけで秋夕料理+キムチカルビチム他を堪能。
こういう特別な日に声をかけて頂いた金社長に感謝です。
そして嵐の中集まって頂いた皆様にも大いに感謝ですね。
おかげでよい秋夕の思い出となりました。
店名:韓流
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-20-11玉野ビル1階
電話:03-3207-0983
営業:24時間
定休:第2、4日曜日
<過去の関連日記>
(09月08日)新大久保「韓流」で鶏カルグクス鍋。
(09月22日)新大久保「韓流」で鶏カルグクス鍋&チヂミ2種。
(10月02日)新大久保「韓流」金社長からのお誘い。