
好評発売中の『魅力探求!韓国料理』にも書いてありますが、
師匠は現在闘病中で、車椅子の生活を送っておられます。
この日は師匠と、師匠の古いご友人と新大久保で飲むことになり、
車椅子でも入れる店、というのを僕が探すことになりました。
また、いくつか事情があって家庭料理の店というのも条件のひとつ。
新大久保の家庭料理店で、バリアフリーで、座敷でなくテーブル席で、
さらに美味しい店となると、新大久保とはいえ店選びは大変です。
悩みに悩んで思いついたのが、いつもお世話になっている「韓流」。
狭い店なので店内の移動だけ少し苦労をしましたが、
入口はまったくのフラットで、何のストレスもなく入店できました。
唯一、トイレへの道だけは車椅子で入れませんでしたけどね。
ただこれもさほどの距離ではなく、また段差もありません。
車椅子での移動というのは、本当に我々の感覚と違うため、
普段は気付かないような段差でえらく苦労したりします。
先日コチラのお店へ師匠と行ったときも、1階だからと思っていたら、
入口に予想外の段差があって、わずかですが大変な思いをしました。
車椅子の方が、なんのストレスもなく入れる店って本当に少ないです。
新大久保のバリアフリーな店、ご存知の方はぜひ教えてください。

さて、無事に店に入ってしまえば、後はもう問題ありません。
師匠の「カムジャタンが食べたい」という鶴の一言で料理が決定。
カムジャタンは豚の背骨とジャガイモが入った豪快な鍋です。
ちなみに冒頭の写真は、「韓流」名物のポッサム(茹で豚)です。
ここのポッサムはなかなかボリュームがあっていいんですよね。
大皿に盛られて、どーんと出てくる瞬間の雰囲気が好きです。

カムジャタンを煮込んでいくと、ゴツゴツとした背骨があらわに。
背骨とジャガイモといういかにも無骨で無愛想なコンビですが、
食べると背骨まわりの肉は柔らかく、ジャガイモもホクホクです。
ジャガイモは美味しいスープを吸うので、できれば最後のほうに。
まずは豚の背骨まわりの肉を、手でつかんでガブガブと食べます。

こちらのスユク(牛頬の茹で肉)はお店からのサービスでした。
スユクも店によって色々なスタイルで出てくる料理ですが、
ヤンニョム(薬味ダレ)で和えた生野菜と一緒に食べるのがこの店流。
味噌を乗せてサンチュで包んだり、塩コショウで食べる店もあります。

ちなみに2軒目は歌舞伎町にあるこんな感じのお店に移動。
韓国人ママさんの経営する店で、カラオケを歌いながら飲みました。
1軒目、2軒目とずいぶんいろいろな話を聞きましたが、
勉強にもなりますし、また横のつながりが強いのに驚きます。
話の端々に韓国関係の各分野で活躍する著名な方々の名前がずらり。
「あの時代に韓国行ったやつは少ないからたいていわかるんだよ」
とみなさんおっしゃいますが、本当につながっているんですよね。
韓国関係は狭い、なんて話を我々の世代でもよくしますが、
7、80年代に韓国で学んだ方は、比べ物にならないレベルです。
そしていずれもの方が、それぞれの分野でのスペシャリスト。
間違いなく現在の日韓関係を、公私の両面から作り上げた方々です。
いまこうして韓国料理のブログを書いていられるのも、
多くの先輩方がこれまで切り開いてきた道のおかげでしょう。
その道を歩きながら、自分はいったい何を残せるのだろう。
師匠をはじめとした先輩方と飲むと、いつもそんなことを感じます。
未来に向かってコツコツと、自分なりの精一杯で頑張らねば。
楽しく飲みながら、そんなことを思った夜でした。
店名:韓流
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-20-11玉野ビル1階
電話:03-3207-0983
営業:24時間
定休:第2、4日曜日
<過去の関連日記>
(09月08日)新大久保「韓流」で鶏カルグクス鍋。
(09月22日)新大久保「韓流」で鶏カルグクス鍋&チヂミ2種。
(10月02日)新大久保「韓流」金社長からのお誘い。
(10月06日)新大久保「韓流」で秋夕料理&キムチカルビチム。
(10月07日)新大久保「韓流」金社長からのお誘い(2)。
(10月13日)新大久保「韓流」でコプチャンジョンゴル。
(10月24日)新大久保「韓流」でポッサム&キムチカルビチム。