タッカンマリて以前八田氏も書かれたように、
まあ「ソウル地方料理」みたいなもんで、
私も韓国の地方出身者に尋ねて
そんな料理は知らんと言われたことがあり。
そういう非常に局地的メニューが日本のしかも博多だけにオープンしたというのは
なんとも感慨深いものがありますねー。
私はこの料理、大成タッカンマリというお店で食べただけであまり偉そうなことはいえないのですが、
なーんとなくサムゲタンの廉価版のような感じが。
漢方系の代わりにジャガイモやらが入ってて、
たいそうな出汁が取れないので芥子コチュヂャャン醤油で食べるというような…。
どの辺りが違うのでしょうか?
教えて~八田氏ソンセンニムぅ!
suryeon URL #J/yNJLDY | 2006.03.23 16:57 |
edit?
んー。サムゲタンとは発祥の由来がまず違います。
いまタッカンマリ通りがある鍾路5街あたりは、
かつて高速バスターミナルがあり、人の往来が多い地域でした。
地方に行く人、地方から帰って来る人のために、
手早く、空腹を満たせる料理として生まれた料理です。
サムゲタンは宮中料理のひとつにも数えられるので、
比べてしまうのは、ちょっとかわいそうかと。
丸鶏を茹でてそのまま出す、というのは、
料理のようであって、料理じゃないですもんね。
タッカンマリ(鶏一羽)なんていう適当な名前からも、
気軽な料理であることがうかがえるかと思います。
廉価版と言うよりは、そもそもの土俵が違うかも。
同じ丸鶏料理でもサムゲタンは雛鳥を使用して1匹が1人前。
タッカンマリは親鳥を使用して1匹が3、4人前です。
サムゲタンはその名の通り、朝鮮人「参」と「鶏」の出会いもの料理ですが、
タッカンマリは鶏が1羽で出てこればよいので具に制限はありません。
界隈では定番のジャガイモも別になくたっていいはずですしね。
かつて汝矣島で食べたときは、ニラがたっぷり入っていたりもしました。
スープもそこまでこだわるものではないと思います。
一応鶏ダシのスープではありますが、どちらかというと茹で汁に近いはず。
サムゲタン(参鶏湯)は「湯」料理なのでスープを飲みますが、
タッカンマリでは特にスープを味わったりはしません。
つけダレに加えて調整したり、後でカルグクス(うどん)を茹でたりはしますけどね。
あくまでも鶏肉を食べる料理であるとご理解ください。
韓国でほとんど知名度がないまま、日本でこれだけ有名になったのは、
元祖店であるチンハルメの特種な立地条件も大きいと思います。
あのディープな路地に分け入り、雑多な喧騒の中で食べる豪快な料理。
料理の味とともに、韓国的な雰囲気も楽しめるのは貴重ですよね。
店に到達するまでの、困難な道のりも含めてご馳走です。
もし機会があったらチンハルメにぜひ行ってみてください。
八田氏@K・F・C URL #eXCaT3hc | 2006.03.24 00:12 |
edit?
そうそう、タッカンマリ人気、「チンハルメ」の
ディープで、しかも東大門市場に近いという立地条件が
かなり影響してますよね。
かつては24時間営業だったから、夜中に東大門市場で
ショッピングした後にでも行けたし。
ソウル系サイトでは過剰に「信じられないぐらいおい
しいです!」とか言われてるけど、日本の水炊きの
ほうがずっとおいしいお店が多いし・・・。
博多は水炊きで有名なところだから、目先が変わった
鶏鍋ならウケると思ったのか・・・。
でも、相当おいしいものを出さないと認められない
都市だから、無謀かも。
ポジャギ URL #koCIqGuQ | 2006.03.24 01:20 |
edit?
ソンセンニム、ご教授有難うございます~!
そう、確かに出自は明らかに違いますよね。
もちろんサムゲタンが圧倒的に先にできたものであり、
その料理の概念が食堂の人たちの頭の中にあって、
「サムゲタンはある程度作り置きできて温めるだけやから、
ファーストフードとしてはいけそうやなあ。
せやけどサムゲタンは面倒な仕込みが要るし高いし、
もっと安くて手軽に丸鶏使った料理ができそう~!」
みたいなノリで作られたような気がするんですよね。
ちょっとずれるかも知れないけれど、
冠婚葬祭用の高価で手がかかるヂョンと、
大阪の市場などで見る薄べったーいニラだけのチヂミ、
明らかに現在地点の土俵は違うものですが、
もともとは宮廷料理だったものが、
庶民の中に分け入ることによって変化したような共通点を感じるのです。
suryeon URL #J/yNJLDY | 2006.03.24 11:21 |
edit?
>ポジャギさん
あれ、チンハルメって24時間だったんですか?
今は夜10時までだから、夜中行けなくて不便ですよね。
ソウルで夜10時って、あっという間に閉まるようなイメージです。
博多の店はぜひ東京に進出して欲しいですねぇ。
プルタク、チムタクの店がある渋谷あたりならいける気がします。
美味しいものの多い博多よりも勝負は楽ではないかと……。
>suryeonさん
なるほど。確かにそんな感じの発想でしょうね。
もうひとつペクスク(丸鶏の水炊き)の存在もあるのかも。
茹でた丸鶏に粗塩をつけて食べるだけのシンプルな料理ですが、
タッカンマリスタイルなら茹でつつ食べることができます。
煮ながら食べる方式なら、冷めることもないですしね。
余談ですが、この話を調べつつひとつ気付いたことが。
これまでチンハルメが元祖で、料理の開発者だと思っていたのですが、
裏を取ろうと年代などを含めて色々調べてみたところ、
高速バスターミナルが東大門で開業(1973年)
高速バスターミナルが江南へ移転(1977年)
チンハルメが東大門でオープン(1978年)
という時代的なズレを発見してしまいました。
高速バスターミナルの客にふるまったという話を信じるなら、
チンハルメが出来る前に、別の店があったということですよね。
あるいは定説とされている高速バスターミナル説が違うのか。
70年代に一時的なタッカンマリブームが起こり、
それに目をつけたチンハルメの創業者陳玉華さんが開業。
他の店はバスターミナル移転とともに撤退し、
いつの間にかチンハルメが元祖格として認知されるように……。
という背景が見えるような気がしました。
このあたりの事情って、聞いても教えてくれないでしょうねぇ。
タッカンマリがどのように生まれたのか。
本格的に知るすべはないのかもしれません。
八田氏@K・F・C URL #eXCaT3hc | 2006.03.24 11:54 |
edit?
面白いですー!!
料理の起源を探るのってワクワクしますね。
しかし、ペクスクとタッカンマリの違いも
今ひとつ分かっていないワタクシ…。
まだまだ勉強せなあきまへん。
ポジャギさん
博多の水炊きとタッカンマリの違いって
個人的にはニンニク大量投入が決め手かとも思います。
あれがこれでもかと入るだけで魅惑的な風味になるような。
私がよく行く焼き鳥屋さんで「むしどりにんにく」てのがあって熱々で出てくるんですが、
なぜかニンニクの香りがしみこんで、それを更ににんにく醤油で食べる…
とこれが鍋から上げたタッカンマリの肉そっくり。
タッカンマリが食べたくなるとコレで代用しています。
suryeon URL #J/yNJLDY | 2006.03.24 12:42 |
edit?
料理の起源はウンチクに満ちていて楽しいですよね。
韓国料理の歴史はさかのぼれないものも多くて大変ですが。
ペクスクはスープなしに、皿に乗って出てきます。
タッカンマリはスープとともに鍋に入って出てきます。
後は塩で食べるか、タレで食べるかくらいですね。
細部こそ異なるものの、ほとんど同じ料理だと思います。
「むしどりにんにく」もうまそうですなぁ。
八田氏@K・F・C URL #eXCaT3hc | 2006.03.25 01:06 |
edit?
>八田氏
ええーっ、「チンハルメ」夜10時までになっちゃったの!?
ちょっと前までは夜中の12時までやってたのに。
5、6年前に初めて行ったとき、『マルコ・ポーロ』だか
『TITLe』に24時間って書いてあったから、夜中の12時頃に
入ろうとしたら「今は12時までしかやってない」と言われ、
翌朝の9時に出直したのでした(笑)。
意地でも食べたくて(★☆)\(^◇^)
しかし、「チンハルメ」が元祖じゃないって新発見よっ☆
面白~い♪
>suryeonさん
いや、博多の高級水炊きだとスープからして違うと思うわん(笑)。
使ってる鶏肉の質も段違いだし。
「むしどりニンニク」食べたいですぅ☆
今度大阪に行ったら案内してもらいたいところが多すぎて、
覚えてらんない(★☆)\(^◇^)
ポジャギ URL #koCIqGuQ | 2006.03.25 12:39 |
edit?
お店の公式ページで確認したら、10時半までみたいですね。
10時~22時半というのが今の営業時間のようです。
9時に行かれたことを考えると、営業開始時間も遅くなっているんですかね。
24時間やって欲しい店ですが、これだけ人気だと仕方ないのかもしれませんね。
八田氏@K・F・C URL #eXCaT3hc | 2006.03.26 15:19 |
edit?
チンハルメの営業時間ですが、先日店の方に確認した時は夜12時までと話されてましたし、実際自分もそれぐらい居たことがあります。
なので、上記の10時半というのは入店時間なのかもしれません。10時半以降でもお酒やサリの類は注文できるみたいですので。
以上、参考まで^^;
#帰国前にもう一度ぐらい行きたいなぁ~>チンハルメ
ホドガジャ URL #GznB/.Es | 2006.03.27 11:13 |
edit?
現地情報ありがとうございます。
なんとも韓国らしい営業時間設定ですね。
人がいれば夜12時くらいまで営業し、
いないときは早々に閉めるという感じでしょうか。
帰国前に行きたいお店、たくさんあるんじゃないですか?
心残りがないよう、全力で食べてきてください。
いったん帰国すると、なかなか食べられませんよー(笑)。
韓国の地方ではタクハンマリというもの自体知られてなくて、「タッペクス」のほうが分かりやすいみたい。
サンゲタンとは全然別物ですよね。
nana URL #Fo7Zp43o | 2006.03.29 11:26 |
edit?
地方での知名度はほとんどない料理ですよね。
タッペクスクは韓国のどこに行っても知られていますが。
サムゲタンも含めてすべて別個の料理なのですが、
韓国人でも区別がつかない人が多いかと思います。
いつぞやメルマガで書いた内容ですが、
おおまかに、こんな感じで分類できます。
料理名 :サムゲタン
鶏の種類:若鶏
料理形態:1人前ずつ鍋に入って出てくる
味付け :薄い塩味。好みで塩、コショウを加える
料理の後:特になし
値段 :8000~12000ウォン
エリア :全国
料理名 :タッカンマリ
鶏の種類:丸鶏
料理形態:金ダライのような鍋で出てくる(2~3人前)
味付け :醤油、酢、カラシ、唐辛子ペーストを混ぜたタレで食べる
料理の後:カルグクスと呼ばれる韓国のウドン
値段 :13000ウォン前後
エリア :ソウルの鍾路5街
料理名 :ペクスク
鶏の種類:丸鶏(主に地鶏)
料理形態:皿に盛られて出てくる(2~3人前)
味付け :粗塩、コショウ
料理の後:鶏を煮たスープで作ったお粥
値段 :2~3万ウォン
エリア :田舎に行くほど見かける
タッカンマリの知名度は本当にまだまだですよね。
美味しい料理なので、もっと宣伝してあげたいところです。