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韓食日記

日々食べている韓国料理の記録です。
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09052701.jpg

3日前からの続き物です。

前編はコチラ。
中編はコチラ。
後編はコチラ。

土日の間にダラダラと続けていましたが、
これをもって、いったんの区切りとさせて頂きます。
たぶん月曜日にまとめ読みという人も多いでしょうけどね。
なので一応、あらすじを書いておきます。

発端となったのは先週の水曜日に書いた下記の記事。
冒頭の写真は、そのトップページで使ったものです。

新大久保「武橋洞」で発売前の済州マッコリ。
http://koriume.blog43.fc2.com/blog-entry-958.html

この中で僕はこれまで「マッコルリ」と書いてきた表記を、
「マッコリ」に改める、ということを宣言しました。
僕自身にとっても、ずいぶん悩んだうえでの方針転換でしたが、
意外なことに、けっこうな反響を頂きました。

他の韓国語表記と統一をはかるなら「マッコルリ」なのですが、
世間一般では「マッコリ」という表記がだいぶ浸透してきました。
市販される銘柄や、飲食店なども「マッコリ」を使うケースが目立ちます。
韓国ブーム、韓国料理ブームとともにマッコリブームが沸き起こり、
韓国語ではなく、日本語として認知されてきたと僕は判断しました。

韓国語として書くならマッコルリ。より忠実に書くなら「ル」は小さく。
日本語として書くならマッコリ、という区別で統一するつもりです。

ただ、韓国語を知る多くの人にはまだ違和感があるようで、
コメント欄から言葉を借りると、「ら抜き言葉」に近い感覚。

「マッコルリ」を「マッコリ」にするのであれば……。

・ソルロンタン(牛スープ) → ソロンタン
・シンソルロ(神仙炉) → シンソロ
・ムルレンミョン(冷麺) → ムレンミョン
・シルラ(新羅) → シラ
・ハルラサン(漢拏山) → ハラサン

といった表記で統一せねばなりません。
正直言って、なんとも気持ち悪い現象です。
まあ、新羅は「シーラホテル」が使われますけどね。

ただ、その一方でこの発音は非常に難しいのです。

韓国語を知らない人には「小さいル」など想像もつかない音ですし、
大きく「ルリ」と書いても、Rの音が重なって舌が回りにくい。
発音のしやすさと、語感のかわいさも手伝って、
「マッコリ」が主役を奪ったのは、よく理解できます。

僕が「マッコリ」を使おうと判断したのは2009年5月27日でしたが、
メーカー、飲食店などは、もっと早い判断を下していたのでしょう。

では、それがいつ頃なされたのか。

それを調べてみたいと思って始めたのが今回の企画。
言葉の問題だけでなく、「マッコリ」が日本語化し、
世間に認知されていった時期を確認しようという試みです。

まあ、自分が方針転換したことへの小さな心のモヤモヤを、
他の事例を確認し、塗りつぶそうということでもありますけどね。

09020903.jpg

写真は三河島あたりで見かける「不老どんどん酒」。
イメージカットとして挿入しましたが、これは大邱の地酒です。
輸入品であるにもかかわらず、まだ発酵が止まっておらず、
フタのてっぺんに小さな穴を開けて、ガス抜きをしています。
自宅では最近のお気に入りとしてこれを愛飲しております。

この美味しさも熱く語りたいところですが、
それは他の機会に譲るとして、まずはマッコリの日本定着時期。
前編、中編、後編でピックアップした事象を、
時系列に沿って、一覧として書き出してみたいと思います。

=========================
2005年12月28日……韓食日記スタート
2006年04月28日……西新宿「マッコリバーてじまぅる新宿店」オープン
2006年07月25日……銀座「どぶろくバーTORAJI」オープン
2006年11月頃………百歳酒ジャパンが純米マッコリ「米夢」発売
2007年03月22日……中央日報が日本のマッコリブームを報じる
2007年05月09日……新大久保「はるばん」がマッコリの酒造免許取得
2007年08月09日……鄭銀淑著『マッコルリの旅』刊行
2007年09月05日……読売新聞が新大久保の地マッコリを報道
2007年11月頃………東亜トレーディングが「本生マッコリ」発売
2007年11月16日……実業之日本社『東京 本気の韓国料理店』刊行
2008年02月頃………二東ジャパンが「マッコルリ」を「マッコリ」に改称
2008年02月09日……第1回「利きマッコリ選手権」開催
2008年04月頃………二東マッコリがテレビCMを開始
2008年07月頃………新大久保「生マッコリ家」オープン
2008年07月22日……上野「韓国食菜二東マッコリ」オープン
2009年02月23日……焼肉天国.comプロデュース「東京マッコリ」発売
2009年03月28日……高矢禮から「高矢禮マッコリ」発売
2009年05月27日……韓食日記が「マッコルリ」を「マッコリ」に変更
=========================

手持ちの資料だけで作成していますので、
もし間違いなどありましたら、ぜひご指摘ください。

まず、象徴的なのが、

2006年04月28日……西新宿「マッコリバーてじまぅる新宿店」オープン
2006年07月25日……銀座「どぶろくバーTORAJI」オープン

こちらの2つでしょうか。
2006年は日本にマッコリ専門のバーが誕生した年。

ちなみに、それ以前では高円寺にも「白&黒」という写真バーがあり、
ここのマスターが大のマッコリ好きで、マッコリバー化しておりました。
「マッコリEXPO」、「マッコリ試飲会」と称してみんなで集まり、
利きマッコリ大会のようなことを、いち早く実施していましたね。
僕も2003年に開催された第2回には参加させて頂きました。

アジアンパラム/マッコリEXPO
http://www.asianpalam.com/makkolri/index.html

マッコリとバーの関係を語るには欠かせないお店ですが、
とりあえず専門店、ということでは2006年を基軸に致します。

で、ここで注目したいのが……。

「マッコリバー」と「どぶろくバー」という2種類の言葉。
マッコリを日本語にすればどぶろくなので同じ意味なのですが、
銀座という場所柄、わかりやすさで「どぶろく」を選択したのでしょう。
経営母体の大きな店なので、より一般性のある単語を求めたかなとも。
裏を返せば、マッコリという単語に一般性がなかったことの証明です。

また……。

06100401.jpg


こちらももう1度掲載しておきましょう。
マッコリ販売の最大手である、二東の黒豆味。
ラベルには「マッコルリ」と記載されております。
現在は「ル」の字が取れて、マッコリで統一されました。

二東ジャパン/商品紹介
http://www.e-dong.co.jp/jp/produt/pro_intro.aspx

先ほど、電話で問い合わせて聞いてみたのですが、
「マッコルリ」から「マッコリ」への転換は2008年2月頃だそうです。
そして、

「にっこり、まっこり、いーどん、まっこり!」

のフレーズでお馴染みのCMは2008年4月頃からの放送。
二東ジャパンの転換はこの時期に行われた模様ですね。

08082601.jpg

一方、2006年11月頃に出た「米夢」はマッコリ。

07080904.jpg


韓国料理店として2007年5月に初めて酒造免許を獲得し、
自家製マッコリを造った「はるばん(現、生マッコリ家)」もマッコリ。

08021801.jpg


2007年11月頃に出た「本生マッコリ」もマッコリ。

ということから考えると、二東ジャパンのマッコリ転換は、
ずいぶん情勢の流れを見極めたうえでの判断に思えます。
CMソングのインパクトが強いため、なんとなく、

「大手がマッコリにするから、みんな引きずられて……」

と思ってしまいがちですが、そうではないようですね。
大手ならではの悩みが、あったのではないかと推測します。

とはいえ、それが世間的な広い浸透を促したのは事実。

二東のCMはスカパーの韓国チャンネルのみならず、
地上波でも放映されておりましたからね。

07080901.jpg


さて、このあたりでいったんの結論。

マッコリブームが始まった2006年あたりでは、
まだ、マッコリという呼称に強い一般性はないようです。
ただ、2006年下旬あたりから2007年にかけては、
大手メーカーも参入し、ブームが本格化します。

このあたりから「マッコリ」の定着と日本語化が始まり、
2008年に二東ジャパンが「マッコルリ」から「マッコリ」に転換。
CM放映などを通じて、「マッコリ」の浸透を後押ししました。
このことから、僕が考える「マッコリ」の日本語化は……。

「2007年から2008年を核としつつ、現在も進行中」

としてみたいと思います。
長く引っ張ったわりには幅広い結論ですけどね。

進行中としたのは、今年発売の「東京マッコリ」、「高矢禮マッコリ」。
そして自分のことで恐縮ですが、先の時系列一覧に掲載した、

2009年05月27日……韓食日記が「マッコルリ」を「マッコリ」に変更

もごくごく極地的ですがひとつの転換期になるかと。
今後もそのような事例がいくつも出てくるでしょうし、
あるいは「マッコルリ」派の逆襲もあるかもしれません。
それらすべてをひっくるめて進行中ということです。

そして、それはすなわち、マッコリブームも進行中であるということ。

今後もますますそのブームが加熱し、広まることを願いつつ。
以上で4回に分けて書いた長話のまとめとさせて頂きます。
お付き合い頂き、本当にありがとうございました。
2009.06.01.Mon 13:28 | 考察 | trackback(0) | comment(9)
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八田 靖史(八田氏@K・F・C)
美味しい韓国料理を探す毎日。コリアうめーや!!管理人。コリアン・フード・コラムニスト。ブログは2005年12月開設。
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